ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「東所沢」駅編(2021年版)

ラビング散歩 ところざわサクラタウンは、東所沢駅周辺をどう変化させるか。

今回は東所沢駅の周辺を歩きます。前回の所沢駅周辺に続き、東所沢駅周辺も2回目のラビング散歩となります。その動機は「ところざわサクラタウン」の誕生です。KADOKAWAがプロデュースする「ところざわサクラタウン」は、早くもアニメやポップカルチャーの聖地として独自の存在感を発揮し、観光客やマニアが遠くから訪れています。この新しい人の流れが東所沢のまちをきっと変化させるはず。ということで2021年の晩秋という時点で東所沢駅周辺をチェックしてみることにしました。
東所沢駅<東所沢駅の外観は本棚のイメージでリニューアル> 東所沢駅改札<改札口は以前のままシンプル>
 

ラビング散歩 ウイークデイは落ち着いた雰囲気の東所沢駅周辺

03東所沢駅の開業は昭和48年(1973)4月と比較的新しいことが知られています。駅ができる以前は畑、草原、雑木林という風景でしたが、国鉄(現在のJR)が武蔵野線に東所沢駅を設置してから、あたりは鉄道と道路を基盤とした新興住宅地として開発されました。

 
まず東所沢駅の南側にある小さめなロータリーを見てみます。ここにはタクシー乗り場があり、いつも数台のタクシーが客待ちをしています。周囲は低層のビルだけで明るい印象。例によって駐輪場と自動車のコインパーキングをチェックしました。地元発見ライターがなぜ駐輪場とコインパーキングの料金を気にするかというと、そこに現地の相場感が現れるからです。東所沢駅前の駐輪場は24時間100円、コインパーキングは24時間500円でした。これは駅前にしては格別な安さだと思います。この時点で「東所沢は物価が安いかも」という期待感に包まれます。

04<駐輪場> 05<リーズナブルな駅前のコインパーキング>

便利なATM駅周辺は商店街やビジネス街とは程遠いロケーションですが、暮らしに欠かせないATM(現金自動預払機)はコンビニやボックスなどで各所に設置されています。また少し歩けば武蔵野銀行、埼玉縣信用金庫、飯能信用金庫などの店舗もあります。

駅の北側にある大きめのロータリーは、飲食店、学習塾、クリニックなどの複合ビルにかこまれています。このあたりは「ところざわサクラタウン」の影響を良くも悪くもまだ受けていないようです。以前歩いたときのお店がそのまま営業を続けていました。

広いロータリー
<駅北側の広いロータリー>
 

このロータリーには路線バスの停留所があり、行き先は次のとおりです。

 のりば1
所沢駅東口行き

 のりば2
跡見女子大行き
志木駅南口行き
エステシティ所沢行き

 ここでは路線バス以外にもコミュニティバス(ところバス)の柳瀬循環、松井循環も走っています。また、成田空港行き、羽田空港行きのリムジンバスも停車します。そして更に奥には淑徳大学行き、秋草学園高校行き、地元企業への送迎バスが停まる停留所もあります。

路線バス<西武バスは燃料電池で走る電気バスを導入>
 
 ロータリーの一角には所沢警察署東所沢交番があり、安心感を醸し出しています。面白いことに、その裏手には大魔神のモニュメントが目を光らせていました。この大魔神は東所沢をアニメの聖地に!という願いから設置されたそうです。
東所沢交番<東所沢交番> 大魔神<ロータリーにある大魔神のモニュメント>
 

ラビング散歩 東所沢駅前通りを歩く

11では、ロータリーを離れて歩きはじめましょう。駅前を南北に走るのが東所沢駅前通りです。この道路は東所沢のメインストリートといえるもので、サクラタウン方面に向かうこともあり、これから発展が期待できます。今のところ沿道にはロードサイド型のチェーン店などが点在しています。

東所沢駅前通りには高齢社会に配慮したのか、ところどころにベンチが置かれています。また太陽光を夜間照明に活用するなど環境に優しい工夫がされています。さりげなく観察して歩くと、アニメキャラのマンホールなど、いろいろな発見がある道路です。

12<東所沢駅前通りに整備されたベンチ> 13<太陽光が街路灯の電源に>
 
 駅を背にして歩き、赤ちゃん用品や子ども雑貨の西松屋の角を曲がると東所沢公園。この公園を抜けるといよいよ「ところざわサクラタウン」に到着です。その手前には「武蔵野樹林カフェ」という狭山茶をテーマにしたカフェがあり、お茶はもちろんのこと軽食も提供しています。まずここで腹ごしらえするという手もあります。このお店、東所沢公園の中にあるように見えますが、このエリアはKADOKAWAの敷地だそうです。そこに地元のオーナーが出店したとのこと。応援したい地元のお店です。
14<東所沢公園> 15<武蔵野樹林カフェ>
 

ラビング散歩 ところざわサクラタウン

KADOKAWAが日本最大級のポップカルチャーの発信拠点として、令和2年(2020)にオープンしたのが「ところざわサクラタウン」です。ここは角川武蔵野ミュージアム、ジャパンパビリオン、武蔵野坐令和神社、アニメホテル、商店街、食堂などが集合したエンターティメントの殿堂になっています。ラビング散歩は街歩きのレポートなので、内部の紹介は別の機会に譲り、主に外回りを楽しむことにします。

 まず、テレビや雑誌などでもランドマークとして紹介される角川武蔵野ミュージアムの特異な外観に圧倒されます。建築家、隈研吾氏の真骨頂です。内部は博物館、美術館、図書館、アニメミュージアムがコラボレートする文化的な複合施設になっています。

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<角川武蔵野ミュージアム>
 

敷地内には水路や水盤が配置され、随所に水と緑があしらわれています。武蔵野坐令和神社は本物の神社で祈りの場。鳥居をくぐり、手水舎で身を清め、参拝すると気持ちが引き締まります。

17<神社に続く水路> 18<小鳥居>
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<令和神社>
20<令和神社の手水舎> 21<令和神社 本殿> 22<案内板>
 

23街歩き派としては、案内板を見て飲食や物販のエリアに引き寄せられます。2階と3階には大小さまざまなカフェやレストランが営業しており、2階にはライトノベルとコミックのみ扱う書店があります。埼玉県をテーマにしたショップ「LOVE埼玉パーク」もあり、楽しく館内を散策できます。

この「ところざわサクラタウン」はKADOKAWAのオフィスやファクトリーとしても機能しています。歩いているうちに4階の工場や5階のオフィスに紛れ込みそうになりました。でもセキュリティは万全。スタッフに商業施設のグラウンドフロアを教えてもらいました。それにしても広い施設です。ちなみに全体の敷地面積は40,000平方メートルあるとのことです。

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<迷いそうなグラウンドフロア>
 屋外に出ると「千人テラス」という空間があります。ここは1,000人規模の観客を収容することができる野外オープンスペース。今後、いろいろなビッグイベントに利用されるようです。その他、屋外では「水盤」、「大魔神像」などを見ることができます。また、サクラタウンとは別の施設ですが、隣接地には「所沢市観光情報・物産館 YOT-TOKO」(よっとこ)があり、こちらでも楽しくショッピングができます。
25<千人テラス> 26<水盤には「犬神家の一族」の情景が>
27<迫力ある大魔神像> 物産館<所沢市観光情報・物産館 YOT-TOKO>
28このような「ところざわサクラタウン」が近くにあるということは、東所沢の住民にとってはエキサイティングで、しかも使い道によっては心からリラックスできる場になるのではないでしょうか。帰り道に振り返るとまさに東所沢のランドマークという情景でした。
 

ラビング散歩 暮らしやすい東所沢

さて、サクラタウンから公園沿いの道を南に歩くと、スーパーマーケットなどが集まったエリアに出ます。自転車もクルマも停めやすく、住民は便利に毎日の買物ができます。

29<住民が愛用するスーパーマーケット> 30<新鮮な野菜・果物が買える市場>
31<便利な家電専門店> 32<地元野菜の直売所>

33そのまま住宅街を南へ歩くと武蔵野線に突き当たります。ここから線路沿いに駅方向へ歩き、今度は駅南側のエリアを歩いてみます。

 

ラビング散歩 田園風景と生活利便性を備えた住宅地

東所沢で地元の人がよく待ち合わせに利用するのが、このファミレス。かなり以前からあるせいか、人と街になじんでいるようです。ママ友などの間では「じゃあ3時にDで」と言えば、ここのことだそうです。

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<便利なファミレス>

35東所沢駅から10分も歩くと、畑や雑木林が残り、田園風景が広がります。この風景を眺めていると、東所沢がポップカルチャーやクールジャパンの拠点になりつつあることが嘘のようです。この自然も地元の大切な財産なのかもしれません。

このエリアを走る県道所沢青梅線と和田遺跡通りが交差するあたりには、いくつか貴重な暮らしのスポットがあります。まず産科・小児科・婦人科のクリニック。子育て中の家庭にとってはかかりつけ医として安心できる医療機関です。かと思うと本格的なペットの病院も。

36<地元に小児科があると安心> 37<ペットを飼っている人も安心>

付近の住宅街を歩いていると、かき氷専門店を発見。夏はもちろんのこと、冬でも本格派のかき氷が食べられるようです。こういうお店を見つけるとうれしくなりますね。

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<隠れ家風のかき氷専門店>
そのまま静かな住宅地を歩いて東所沢駅に戻ってきました。北側の線路沿いにある駐輪場の横に専門学校の看板が見えたのでチェック。秋草学園福祉教育専門学校でした。若い人材が福祉の現場で活躍していくことに期待します
39<屋内も使える駐輪場> 40<若者が集まる専門学校>

41最後に前回のレポートでも取り上げた郷士窪(ごうしくぼ)公園に立ち寄りました。東所沢地域にはこうした公園が多く、地元住民や子どもたちのオアシスのような存在になっています。

 

ラビング散歩 東所沢駅周辺まとめ

東所沢は今「ところざわサクラタウン」で沸騰しています。特に週末は日本全国からアニメやサブカルのファンが訪れ、全国的に注目のエリアになりました。記事中で触れたようにサクラタウンに隣接の所沢市観光情報・物産館YOT-TOKO(よっとこ)も令和3年(2021)5月にオープンしています。こちらは所沢の魅力を発信する場ですが、双方が連携し「住みたいまち」「訪れたいまち」をめざしていくとのこと。クールフォレストというプロジェクトで東所沢がめざましく発展していくのか、それとも田園風景や閑静な住宅地が共存して残っていくのか、興味深いところです。しばらくしたらまた定点観測のようにラビング散歩をしてみたいと思います。
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<JR武蔵野線>

取材・文・写真 イワタハルユキ


A:東所沢駅北口 B:東所沢公園・武蔵野樹林カフェ
C:ところざわサクラタウン D:所沢市観光情報・物産館 YOT-TOKO
E:ヤオコー・ノジマ F:デニーズ  G:松田母子クリニック H:郷土窪公園 

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