ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「所沢」駅 編(2021年版)

ラビング散歩 にぎわいの駅ビルとタワーマンションの情景、常に変化し続ける所沢の魅力。

西武池袋線と西武新宿線が交差する所沢駅は、埼玉県西部のターミナル駅として発展を続けています。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、所沢駅周辺の街歩きは以前にもレポートしました。約2年前の2019年10月のことでした。ところがその後、所沢駅と駅ビルの変貌は著しく、新しくオープンしたエリアも歩いてみるべきだと思いました。ということで今回は新しい所沢駅南改札と駅ビル、そして駅周辺の変化をチェックしてみました。
<所沢駅 南改札><所沢駅 南改札>

ラビング散歩 南改札はリラックス空間

所沢駅が新しい全体像を見せたのは2020年9月のことでした。部分的に営業していた駅ビルGrand Emio(グランエミオ)が全面オープンし、同時に駅の南改札が利用開始となりました。
南改札の内側には休憩所、トイレ、コーヒーショップ、屋外デッキなどがあり、おしゃれなデザインで統一されています。特に人気を集めているのは屋外デッキで、外に出ると所沢駅を発着する電車を見ることができます。鉄道マニアはもちろんのこと、子どもたちも大喜び。また休憩所の奥には女性専用エリアがあり、安心して赤ちゃんに授乳できるスペースになっています。トイレはシャワートイレ、車イスも利用できます。こうしたこまかい配慮が施されているのが南改札です。
<走る電車が見られる屋外デッキ><走る電車が見られる屋外デッキ>
<改札内から入れるコーヒーショップ><改札内から入れるコーヒーショップ> <明るく落ち着いた休憩室><明るく落ち着いた休憩室> <休憩室の奥には授乳コーナーも><休憩室の奥には授乳コーナーも>

<トイレとは思えないトイレ><トイレとは思えないトイレ>

南改札は、中央改札と向き合うように通路で結ばれ、その間には案内カウンターやベンチがあります。歩き疲れてちょっとひと休みという時にありがたいエリアです。中央改札付近は乗降客や乗り換え客で人の流れが多いですが、南改札は比較的人流が落ち着いているので幼児や高齢者も安心して歩けます。もちろんホームに降りる際はエスカレーターやエレベーターが利用できます。
<メインの中央改札><メインの中央改札> <南改札と中央改札を結ぶ通路><南改札と中央改札を結ぶ通路>
 

ラビング散歩 駅ビルは楽しいショッピングタウン

所沢の駅ビルは126のテナントを擁する大型商業施設です。衣料品、家庭用品、食料品をはじめ、文具、書籍、眼鏡、雑貨、日用品などあらゆるジャンルの商品が揃っています。人気のブランドショップも見逃せません。また、お腹が減ったらイートインやレストラン街でランチやディナーが楽しめます。一度入ったら楽しくて数時間は出て来られないかも。それほどスケールの大きなショッピングエリアです。
<書店とカフェのコラボ><書店とカフェのコラボ> <埼玉西武ライオンズのショップ><埼玉西武ライオンズのショップ>
<広々したレストランフロア><広々したレストランフロア> <誰でも無料で使える休憩所><誰でも無料で使える休憩所>

<駅ビルには休憩できるスペースが多い><駅ビルには休憩できるスペースが多い>

ラビング散歩 西口ロータリーをひとまわり

にぎやかな駅ビルを堪能したら、今度は西口から外に出てみましょう。ロータリーをぐるりと歩くと、ここにもカフェなどがあり、待ち合わせや休憩に便利です。以前から地元で親しまれているテナントビルWALTZ(ワルツ)も頑張っています。
<所沢駅西口><所沢駅西口>
西口ロータリーに発着するバスには次のような路線があります。

【のりば 1】
・並木通り団地行き(航空公園駅経由)

【のりば 2】
・西武園駅行き(松ヶ丘中央経由)
・西武園ゆうえんち行き(松ヶ丘中央・西武園駅経由)

【のりば 3】
・所沢市ところバス(航空公園駅)(保健センター)

<おしゃれな歩行者通路><おしゃれな歩行者通路> <西武所沢S.C.とWALTZ><西武所沢S.C.とWALTZ>
南側を見ると所沢駅西口のビッグプロジェクトである超高層タワーマンションがすでに完成していました。その名も CITY TOWER TOKOROZAWA CLASSY です。
1階と2階は商業施設、郵便局、歯科などが入った複合ビルになっています。駅からペデストリアンデッキで直結しているので住民の方々はいかにも便利で快適そう。地上29階建ての超高層ビルに、見る側は圧倒されます。

<CITY TOWER TOKOROZAWA CLASSY>CITY TOWER TOKOROZAWA CLASSY
 

ラビング散歩 ワルツ所沢

ワルツ所沢は西武所沢S.C.と個性派専門店が集まるショッピングセンターです。おなじみ「無印良品」や「LOFT」など人気のショップをはじめ、もともと百貨店だったテイストとセンスを生かした売場が特色です。1階のイートイン(とこうまキッチン)や8階のレストラン街も、その日の気分で便利に利用できます。1階には所沢の地ビールを提供するお店もありました。
<地元に溶け込んでいる百貨店><地元に溶け込んでいる百貨店>
<人気の専門店が勢揃い><人気の専門店が勢揃い> <1Fのとこうまキッチン><1Fのとこうまキッチン>
 

ラビング散歩 大手チェーン店と飲食店が増えたプロペ通り

所沢の繁華街といえばプロペ通りを連想する人も多いはず。いつも人がいて、買物をしたり、飲んだり食べたりしている図は、現在もそのままです。ただし最近は駅ビルに利用客が吸引されたせいか、それとも新型コロナウイルス感染症の影響か、昔のにぎわいまでは届いていない気がします。所沢フリークとしては健全で庶民的なプロペ通りの復活を願うものです。

なおプロペ通りはメインストリートよりも路地が面白いのは変わりません。西寄りにある老舗の印章店は健在。この角を曲がると、コーヒー、手打ちそば、イタリアンなど個性的な個人店が軒を並べています。2年前のレポートでも、このエリアを詳しく紹介していますのでご参照ください。
https://www.yks-loveingtown.jp/co_mame/d4e7fc19340dc0f34cad8f9a-563.html

<プロペ通り商店街><プロペ通り商店街> <プロペ通りに飲食店が集中><プロペ通りに飲食店が集中> <路地にはおしゃれなお店が><路地にはおしゃれなお店が>
<アパートをリメイクした店舗><アパートをリメイクした店舗>

ラビング散歩 歴史ある旧町地区にも変化

プロペ通りを突き抜けると元ダイエーだったビル。地元では取り壊し説も流れましたが、見事に復活しました。新しい商業施設の名称は TOCOTOCO SQUARE(トコトコスクェア)です。スーパーマーケット、ディスカウントショップ、インテリアショップなどがテナントです。ここは駅ビルと違って、見るからに庶民的なお買物ゾーン。自宅から日常的な買物に来るのがお似合いで、実際、生活している人々はこういうお店がないと困ります。
<TOCOTOCO SQUARE>TOCOTOCO SQUARE
<ブランズタワー所沢><ブランズタワー所沢> <坂稲荷><坂稲荷>
このエリアで生活している人々は、日々の買物で駅ビルやワルツまで出掛ける必要はありません。中小規模のスーパーマーケットやコンビニエンスストアがあるからです。そして外でお酒を飲むのが好きな人のためには有名な「盃横丁」もあります。公的な施設としては市役所の窓口機能を持つまちづくりセンター、中央公民館、所沢図書館分館などもあります。近くを流れる東川沿いには琴平公園という小さな公園も。所沢暮らしのいろいろな顔が旧町地区で見ることができます。
<マルエツ所沢御幸町店><マルエツ所沢御幸町店> <市の窓口、公民館、図書館、商工会議所などのあるビル><市の窓口、公民館、図書館、商工会議所などのあるビル>
旧町地区で最も変化したのはスーパーマーケット(ヤオコー所沢有楽町店)の新規開店ではないでしょうか。この場所、以前は老舗の深井醤油の敷地でした。深井醤油については以前「気になるお店訪問」で取材させてもらったことがあります。
https://www.yks-loveingtown.jp/co_mame/62175ff96e6fbdb8fd6d9e7e-358.html
現在、深井醤油本店はリニューアルされ、資料館も整備(入口から内部を見る形式)されています。まさに伝統と革新という印象です。
<琴平公園><琴平公園> <ヤオコー所沢有楽町店>
<ヤオコー所沢有楽町店>
<深井醤油><深井醤油> <深井醤油 資料館><深井醤油 資料館>
ここまで来たら、所澤神明社まで足を伸ばしたいと思い、お参りしました。ここだけは変わることなく、いつ来ても高潔で清涼感あふれる神社です。
<所澤神明社><所澤神明社>

ラビング散歩 所沢駅東口はクールなオフィス街

神明社で折り返して駅に戻り、次は東口周辺を歩いてみました。西武鉄道の本社が池袋に移ってから何か大きな変化があるかと思いましたが、見た限り以前と違いありません。本社機能を移しただけで社屋は引き続き活用しています。東口には日本光電の所沢事業所と総合技術開発センタの二つのビルが建っていて、そのせいか西口と違ってビジネス&オフィス街というイメージです。
<所沢駅東口><所沢駅東口> <東口ロータリー><東口ロータリー> <緑が心地よい東口><緑が心地よい東口>
東口からの路線バスは次のとおり。利用の際は西武バスホームページなどで時刻表をお確かめになることをおすすめします。

【のりば 1】
・羽田空港行き
・成田空港行き

【のりば 2】
・志木駅南口行き(安松経由)
・跡見女子大行き(東所沢経由)
・エステシティ所沢行き(所沢車検場経由)(やなせ荘入口経由)
・清瀬駅北口行き(安松経由)
・東所沢駅行き(安松経由)

【のりば 3】
・清瀬駅南口行き
・久米川駅北口行き
・航空公園駅行き
・エステシティ所沢行き
・上福岡駅西口行き
・西武バス所沢営業所行き
・大宮駅西口行き

<路線バスのりば><路線バスのりば>
<日本光電所沢事業所><日本光電所沢事業所> <日本光電総合技術開発センタ><日本光電総合技術開発センタ> <日本光電総合技術開発センタ><西武鉄道社屋>
 

ラビング散歩 少し歩けば以前からの見慣れた風景

ロータリーを抜けて付近を歩いてみました。まず地域医療を支える所沢中央病院をチェック。以前と変わることなく外来診療が行われ、救急病院として救急車も受け入れています。コロナ禍では大変な苦労があったと思いますが、通常通り外来診療している様子を見て安心しました。
<所沢中央病院><所沢中央病院>
メインストリートを東に向かうと、なぜか足利銀行があります。かなり前にアシカが遊ぶコマーシャルで注目された銀行ですが、なぜ所沢に進出したのかは不明です。隣には地元の埼玉りそな銀行が並び、その対比が面白いです。
<東口周辺にはオフィスが多い><足利銀行所沢支店>
所沢駅東口付近にはオフィスとマンションが目立ちます。そのため西口のショッピングタウンとは違って落ち着いた雰囲気です。すこし歩いて陸橋通りに突き当たると所沢駅東口入口交差点があります。ここまでくると昔の所沢という風景が広がります。
<東口周辺にはオフィスが多い><東口周辺にはオフィスが多い> <昔から見慣れた所沢の風景><昔から見慣れた所沢の風景>
所沢は狭山茶の産地。地場野菜の栽培も盛んで、至るところに畑が残っています。所沢駅周辺のエキサイティングな喧騒も、10分ほど歩けば住宅街や農地に変わります。東京の都心部とは違い、人と自然が当たり前に共存していることに安心感を覚えます。
<住宅街の茶畑><住宅街の茶畑>

ラビング散歩 所沢駅周辺2021まとめ

2019年に所沢駅周辺をレポートしましたが、あっという間に2021年。
所沢の印象が大きく変わったのは、やはり駅ビルGrand Emio(グランエミオ)の存在感によるところが大きいのではないでしょうか。かつて所沢といえばプロペ通りが人気スポットでした。そして西武所沢店(現西武所沢S.C.)や旧ダイエー(現TOCOTOCO SQUARE)も人々に親しまれていました。
最近は他のまちから遊びに訪れた人々が駅ビルで楽しんで、外に出ないで帰路についてしまう傾向があるそうです。そういう話を聞くと地元の個人店や専門店を応援したい気持ちになります。所沢はいつまでも明るく活気があって便利に暮らせるまち、いろいろなライフスタイルを謳歌できるまちであってほしいと思います。

取材・文・写真 イワタハルユキ


A:所沢駅西口 B:CITY TOWER TOKOROZAWA CLASSY C:アパートをリメイクした店舗
D:坂稲荷 E:市の窓口、公民館、図書館、商工会議所などのあるビル
F:ヤオコー所沢有楽町店 G:所澤神明社
H:所沢駅東口 I:所沢中央病院 J:住宅街の茶畑

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