ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「花小金井」駅編
青梅街道と小金井街道が交差する、暮らしやすさを感じるまち
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花小金井駅(はなこがねいえき)は西武新宿線の駅で東京都小平市花小金井に位置します。駅番号はSS18。開業は昭和2年(1927)4月で、まもなく100年の節目を迎えます。
この駅は平成10年(1998)に橋上駅舎と南口が開設されるまでは、北側にしか改札がありませんでした。この駅から南へ歩くと小金井公園や玉川上水があります。春になると桜がたくさん咲くため、駅名を花小金井としましたが、人の流れは主に北側の商業地にありました。
現在の花小金井駅周辺は従来から栄えていた北口に商店やマンションが立ち並び、南口には広い道路や緑道が整備されつつあります。今回もまず駅のまわりをぐるりと歩いてみましょう。
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<花小金井駅の改札口> |
コンパクトなショップがお迎え
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改札内にはコンビニとスイーツが営業しています。生活必需品やおみやげを気軽に買えるコンパクトサイズが便利です。 改札近くに置かれたパネル「西武おでかけ情報」では沿線の話題がとても参考になりました。そして改札外側のコンコースにはコンビニ、スイーツ、ベーカリーがあり、みずほ銀行のATMも設置されています。
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<改札前にあるお店> |
<情報満載の西武おでかけ情報> |
花小金井駅南口
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花小金井駅南口は明るく広々とした印象です。入口のすぐ横に彫刻家・齋藤素巖(さいとう そがん 1889-1974)のカッパ像が飾られているので必見です。 齋藤素巖は近代日本を代表する彫刻家で、亡くなるまでの31年間を小平市で暮らしました。今では市内各所に多くの彫像が配置されているそうです
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<シンプルな花小金井駅南口> |
<齋藤素巖のカッパ像> |
花小金井駅南口の路線バス
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花小金井駅周辺で利用できる路線バスの停留所は「花小金井駅南口」、「花小金井駅北口」、「花小金井駅入口」の3か所です。まず南口から発車するバスの行き先をご紹介しましょう。南口の路線バスを利用する際は時刻表の確認をおすすめします。
のりば① 立川バス 国分寺駅北口行き
のりば② 西武バス 武蔵小金井駅行き(日立国際電気経由)
小平駅南口行き(昭和病院経由)
のりば③ 関東バス 武蔵境駅行き
武蔵野営業所行き
事務本部行き(直行)
向台町五丁目行き
ぶるべー号「花小金井駅南口」停留所(市内循環)
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<花小金井駅南口 のりば①> |
水と緑の散歩道
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南口広場は小平グリーンロード(正式名称:多摩湖自転車歩行者道)に接しています。この道は玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道、都立小金井公園を結ぶ水と緑の散歩道で総延長は21kmあるそうです。そもそも「小平」という地名は土地が平らなことから、そう呼ばれるようになったとのこと。豊かな自然と歩きやすさには定評があります。
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<小平グリーンロード> |
子どもたちが元気!
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小平市内を歩くと保育園と幼稚園をよく見かけます。地域が子育てに力を入れているからでしょうか。子どもたちが元気に走り回る姿は微笑ましく、明るい将来を感じさせます。小平グリーンロードは車が通らないので、子どもたちの遊び場に最適です。
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<駅前の保育園> |
南口のお店をウオッチ散歩
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南口にはモバイルショップ、学習塾、弁当店、ドーナツショップ、コンビニ、美容院などが並んでいます。興味深いのはインドアゴルフや24時間フィットネスがあるところ。実は花小金井駅の近くにはスポーツ施設が目立ちます。身近な健康づくりに適した環境といえるでしょう。
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<駅前にいろいろなショップが勢揃い> |
<小回りの利くコミュニティバスぶるべー号> |
南口には再開発で造られた広い道路が走っています。そこにはゆっくりとしたペースですが、新しいお店や施設が誕生しています。 ふと見ると最近では貴重なレディースクリニックもありました。婦人科・産科で女性医師による診察が受けられるそうです。
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<婦人科専門医も常勤> |
面白いと思ったのはクリーニングショップとコインランドリーが隣り合い、どちらもなかなか盛況だったこと。再開発地域にはマンションが多いので地元商店の利用者も多いのかもしれません。それは地域の活性化にとって良いことだと思います。
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<色鮮やかなクリーニングショップ> |
<気軽に使えるコインランドリー> |
近くにスーパーマーケットがあるかないかで生活利便性は大きく違います。花小金井駅南口から徒歩3分のところにあるのがピーコックストア花小金井店。8時から23時まで営業していて、駐車場も23台駐車可(買物金額で優遇あり)。以前のピーコックストアは大丸系列で高級感がありましたが、現在はイオン系列になってリーズナブルだと評判です。ピーコックストアの東側に回り込むと先ほどの小平グリーンロードに出ます。 |
<ピーコックストア> |
<小平グリーンロードで休憩も> |
せいぶ通り商店会
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ピーコックストアを背に「花小金井南町2丁目」交差点を右へ折れ、古くからある商店街の「せいぶ通り商店会」を歩いてみます。ここにはときおり新しい魅力的なお店があったり、逆に郷愁を感じる古いお店が残っていたり、実に風情のある道路です。 |
<思わず入りたくなるおしゃれなパテシェ> |
<雰囲気抜群のダイニングカフェ> |
<むかしながらの豆腐店> |
突き当たると「花小金井南町」交差点で、交差する道路は鈴木街道。ここらで恒例コインパーキング観察をしてみました。看板を見てみると昼間は1時間あたり300円。24時間最大料金は800円です。商店、一般住宅、マンションが混在する土地としては妥当な線ではないでしょうか。 |
<コインパーキングの相場> |
道すがら面白い自動販売機を見つけました。なんとシフォンケーキの自動販売機です。プレーン、クリーム、いちご、チョコクリームなど味もバリエーションがあります。とても誘われます!しかしまだ帰れないジモト発見ライターは買いたい気持ちを抑えてラビング散歩に打ち込むのでした。 |
<シフォンケーキの自動販売機> |
<児童・生徒が集まる学習塾> |
鈴木街道を西へ歩くと「島村ブルーベリー園」が見えてきます。ここは日本で初めてブルーベリーが農産物として栽培された場所として知られています。ブルーベリーは研究者である東京農工大学の岩垣駛夫(いわがき はやお)教授がアメリカから日本に持ち込み、実家が農家だった教え子に栽培が託されました。そして昭和43年(1968)小平で日本初のブルーベリー栽培がはじまったのです。その農家こそ現在の島村ブルーベリー園。今や人気果物になったブルーベリーですが、そのルーツは小平市花小金井だったのです。
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<日本初のブルーベリーを栽培した農家> |
さて鈴木街道を更に歩きます。右手に「特定非営利活動法人 西東京自立支援センター」のビルが見えます。ここには障碍者や高齢者など支援を要する人が地域社会の一員として自分の意志で生活するための支援が行われています。 |
<西東京自立支援センター> |
このあたりを歩いていて気がついたのですが、道路の端に掘られた側溝がありました。これはかつて畑だったところに水を供給した農業用水の名残だとのことです。今は地域住民などが草木を植えて花壇にするなど工夫しているようです。 |
<道路に農業用水の名残> |
しばらく歩くと今度は左手に立派な保育園が見えてきます。これは民間の社会福祉法人が運営する保育園です。 |
<しあわせの森保育園> |
その先にあるのが小平市立南中学校です。昭和53年(1978)開校。現在は地域開放型体育館を持ち、学校教育に支障のない範囲で地域住民にスポーツ等の場を提供しているとのことです。 |
<花小金井南中学校> |
「鈴木町」交差点に着くと、小金井街道と交差しています。かなり西へ歩いたので右に折れて花小金井駅方面に戻ります。途中でまた小平グリーンロードに接しました。ふと気がつくと行先が書かれた道標が立っていました。ジモト発見ライターは花小金井駅南口に戻り、駅舎を越えて北口の散策に移動します。 |
<小平グリーンロードの道標> |
<小平駅方面に続く自転車歩行者道> |
<踏切近くにある自転車駐車場> |
花小金井駅北口エリアを歩く
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花小金井駅北口周辺は古くから栄えていて、現在も人々の往来が盛んです。特に駅前広場から小金井街道に向かう「花小金井駅前通り」はいつも賑わいを見せています。北口ロータリーは南口のような豊かな緑と自然があるわけではありませんが、商業施設が目につきます。
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<花小金井駅北口ロータリー>
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北口にはスーパーマーケットの「いなげや花小金井駅前店」があります。日常の買物はおおむね用が足りる食品・衣料品・日用雑貨のお店です。価格も安いと好評で、夕方は混雑しています。 |
<いなげや花小金井駅前店> |
花小金井駅北口の路線バス
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北口発着の路線バスの行先を書き留めておきます。昭和病院に通う人はのりば①からのバスを利用するそうです。
のりば① 関東バス 多摩六都科学館行き
大沼団地行き
昭和病院行き
のりば② 西武バス 吉祥寺駅行き
青梅車庫行き
都営バス 青梅車庫行き
大和操車所前
のりば③ 西武バス 清瀬駅南口行き
久留米西団地行き
滝山営業所行き
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<北口の路線バスは本数が多い> |
<タクシーのりば> |
北口エリアにはマンションや複合ビルが立ち並び、公共施設も多く建てられています。小平市東部市民センターもハナコスクエアの中にあり、小平市東部出張所、小平市立花小金井図書館、小平市東部市民センター集会室が利用できます。周辺の幹線道路は広くて快適です。
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<北口エリアにはマンションが多い> |
<小平市東部市民センター> |
花小金井と言えば「拓大一校」すなわち拓殖大学第一高等学校が誕生した地です。現在は公園の一角に記念碑が建っています。 |
<拓大一校の記念碑> |
その先の右手には「りんどう幼稚園」があります。設立は昭和40年(1965)で、これまで多様化する幼児教育に対応してきたとのこと。 園庭には子どもたちの元気な歓声が響いていました。 |
<りんどう幼稚園> |
りんどう幼稚園の向かいには花小金井の名刹として名高い圓成院があります。黄檗宗野中山圓成院(おうばくしゅう のなかさん えんじょういん)が正式な名称です。あまり知られていませんが黄檗宗は禅宗のひとつ。宝永2年(1705)に武蔵国多摩郡上谷保村(現在の国立市谷保)で創建された圓定院を享保12年(1727)に引継ぎ、当地で開山したと伝えられています。圓成院は眺めているだけで心が落ち着く美しい寺院です。 |
<圓成院> |
この先に「小平合同庁舎」という交差点があり、その名の通り合同庁舎があります。これは東京都の施設で、都税事務所、建築指導事務所、農業振興事務所などが入っています。一般市民にはあまり関係のない官庁ですが、都としては大事な役割を持っている組織です。 |
<都の施設が集まっている> |
小平合同庁舎の先には幼稚園・認定こども園の小平花小金井幼稚園があります。ここは美しい自然環境を背景に、子どもたちをのびのび育てているそうです。 |
<小平花小金井幼稚園> |
昭和32年4月に開校した60年余の歴史を持つ小学校です。校舎、校庭、体育館いずれもスケールが大きく立派な小学校です。 |
<小平第五小学校> |
第五小学校の隣には小平市東部公園があり、豊富な緑と広い空間に爽快感を覚えました。公園には子どもの遊具や公衆トイレが完備され、安心して楽しく過ごせる環境でした。 |
<東部公園の広場> |
東部公園を出て西武新宿線の線路に沿うかたちで小金井街道の踏切に来ました。ここには24時間営業のスーパーマーケット「西友花小金井店」があります。現在は家電量販店や100円ショップなどをテナントに迎えて頑張っています。 |
<西友花小金井店> |
バスのりば「花小金井駅入口」
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花小金井には南口と北口だけでなく「花小金井駅入口」という路線バスの停留所があります。ちょうど西友と踏切のあたりで、花小金井駅北口から歩いて約3分。バスの行先は、南方面(武蔵小金井駅行き)、北方面(清瀬駅南口行き・東久留米駅行き・小平駅行き・滝山営業所行き)があります。 特に小平駅行きは昭和病院を経由するため利用者が多いようです。これらのバス路線は地域住民にとってJR中央線、西武新宿線、西武池袋線を結ぶ貴重なライフラインです。
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花小金井駅前通り
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西友の横から駅方面に向かう道が「花小金井駅前通り」です。先に述べた通り、ここは大変賑わいのある商店街です。
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<花小金井駅前通り> |
珈琲豆の焙煎工房を見つけました。こうした魅力的なお店があると、人が街にやってくるようになります。また逆にごく普通の雑居ビルに、ごく普通のお店が詰まっているのも楽しいものです。 |
<珈琲豆専門店> |
<何かと楽しい気分になる雑居ビル> |
<花小金井駅前郵便局> |
これにて花小金井駅周辺のラビング散歩は終了です。いろいろな表情のある街の雰囲気は伝わったでしょうか。足腰の元気な人はもっと歩いて玉川上水や小金井公園の風景を楽しむとよいかもしれません。 |
花小金井駅周辺まとめ
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花小金井駅南口地域には小平グリーンロード(多摩湖自転車歩行者道)が整備され、花と緑が豊富な素晴らしい環境でした。また魅力的なお店が点在する商店街や、日本におけるブルーベリー発祥の地があることも貴重な発見でした。
そして北口地域には歴史ある圓成院があり、その近辺には官公庁の落ち着いた雰囲気があること。小学校に隣接した広い公園に憩う幸福感。そして南北にかかわらず、子育てや福祉に力が入れられていること。そのような特徴を学びつつ、花小金井の落ち着いた暮らしに納得しました。
(取材・文・撮影 イワタハルユキ)
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A:花小金井駅南口周辺 B:ピーコックストア C:日吉屋豆腐店 D:島村ブルーベリー園 E:西東京自立支援センター F:いなげや花小金井駅前店 G:小平市東部市民センター H:園成院 I:小平合同庁舎 J:西友花小金井店
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