ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「田無」駅編

ラビング散歩 
商業地としてにぎわう北口、市役所と住宅街がある南口。歴史ある「田無駅」周辺を歩く。

田無は古くから青梅街道の宿場町として栄え、地名についても「田んぼが無いほど栄えていることから田無と呼ばれるようになった」という説があります。現在、田無駅は西武新宿線の急行停車駅。開業したのは昭和2年(1927)で、昭和20年(1945)には第二次世界大戦で空襲を受けたものの復興し、経済成長に合わせて着々と近代化を進めてきました。平成7年から8年にかけて駅ビル、商業施設、駅前広場などの開発が完了し、ほぼ現在の形になりました。では駅周辺を歩いてみましょう。

01<田無駅の改札口>


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田無駅の改札は駅ビルEmioに直結

西武新宿線は西武新宿から本川越までが本線、都心と郊外を結ぶ路線です。田無駅は快速急行、急行、通勤急行、準急、各駅停車と多くの電車が停まる便利な駅です。また西武鉄道は駅ビルをEmioと名づけ、ショッピングセンター事業を展開しています。田無駅ビルも同様で、いろいろなお店がコンパクトに集積しています。特にコロナ禍が拡大してからは、外食をやめてテイクアウトで“内食”する人が増えました。通勤や通学に使っている駅で食品や日用品を気軽に買えるのは快適で、田無駅はそういう意味でも利便性の高い駅といえるでしょう。

02<明るいコンコースが北口と南口をつなぐ>

03改札を出て北口に向かうと、すぐに「まちテナ西東京」というお店が見つかります。ここでは西東京市と多摩地域のお土産に適した商品が販売されています。西東京市は田無市と保谷市が平成13年(2001)に合併して生まれた市ですが、このエリアの特産品が揃っています。地元のことを知るためにも、ちょっと立ち寄ってみたいお店です。

駅と直結しているEmioの1Fには、コンビニエンスストア、ハンバーガーショップ、フラワーショップ、焼きたてベーカリー、スーパーマーケットなどがあり、2Fにはカフェをはじめとする飲食店、3Fにはファミリーレストランが営業しています。飲食店はランチタイムには満席となることが多く、鉄道利用者だけでなく、近辺の人々にも親しまれているようです。

04<駅でコーヒータイムはいかが>

05<センスのよいフラワーショップ> 05コピー<高級感あるスーパーマーケット>
 

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明るく活気のある田無駅北口

コンコースを出て北口周辺をぐるりと見渡すと、駅前広場、複合ビル、商店街、マンション、バス停などが目に入ります。田無駅北口の明るく活気のある様子は特筆ものではないでしょうか。特に百貨店テイストのLIVINや個性ゆたかな専門店街のASTAは存在感があります。

05<北口駅前広場>

ASTAは商業施設と高層住宅をコラボレートした複合ビル。このなかにある田無アスタ専門店街には再開発前に当地で商売していたお店もテナントで入居していて、昔ながらのお店と常連さんの温かい関係が感じられます。

07<ASTAビル> 09<ASTAには庶民的なお店が多い>

そしてASTAに隣接するLIVINはもともと西武百貨店としてオープンしたので、当然といえば当然ながら、高級感のある百貨店のイメージです。LIVINには食品、衣料品、服飾雑貨、家庭用品、家電などの売場が勢揃いしており、6Fには市民ホールと会員制馬券売場があります。馬券売場は会員となった身元の確かな人だけが利用するので安心とのこと。また屋上にはフットサルコートが設備されています。なおB2Fには市営駐車場があるので車での買物も便利です。

06<ASTAに隣接するLIVIN> 08<高級感が漂うLIVINの店内>
アスタビルには西武スマイルパークが運営する自転車置場があります。精算機で手続きすれば2時間まで無料、以後4時間ごとに100円で利用できます。田無駅周辺は坂道が少なく、自転車を愛用している人が多いようです。買い物も駐輪場があれば安心です。 11<不思議な駐輪禁止の看板は通路の確保用>
 

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充実したバス路線

田無駅北口のロータリーには路線バスの停留所があります。ここのバスは本数が多く、西武新宿線田無駅を経由し、西武池袋線ひばりヶ丘駅とJR中央線武蔵境駅を結ぶ路線などが住民に愛用されています。のりば情報は次のとおりです。

 のりば(1)

ひばりヶ丘駅行き

文華女子高等学校行き

南沢五丁目行き

 のりば(2)

ひばりヶ丘駅行き(谷戸経由)

ひばりヶ丘駅行き(団地経由)

 のりば(3)

ひばりヶ丘駅行き(団地経由)

 ※縁起を担いだのか、のりば(4)はありません。今回初めて気がつきました。

 のりば(5)

武蔵境駅行き

<深夜バス>武蔵境駅行き

西東京市はなバス(東伏見駅・向台循環)

 のりば(6)

天神山行き

12<田無経由で武蔵境とひばりヶ丘を結ぶバス>
 田無駅北口でEmioやLIVINやASTAを楽しんでいると、あっという間に時間が経ってしまいます。ウィンドウショッピングはそこそこで切り上げて、周辺を歩いてみることにしましょう。まずは踏切を背に武蔵境通りを北へ向かいます。するとすぐ旧青梅街道と交差するので右に曲がり、今も残るレトロな商店をながめつつ歩くと、左手に見えてくるのが田無山總持寺というお寺です。
 

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田無山總持寺

13總持寺は古くから田無にあった3つのお寺が合併してできたお寺です。現在は関東三十六不動霊場の第十番札所に選定され、東京都の新東京百景にも選ばれています。山門とケヤキの美しい風景が、總持寺の歴史を感じさせます。初詣や祈祷はもちろんのこと、季節になると梅の市、だるま市なども開催されます。

15 16<總持寺横の路地がやすらぎのこみち> 14<旧青梅街道にはレトロなお店が多い>
 

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田無神社

旧青梅街道の「總持寺・田無神社前」交差点を渡ると、こんもりとした緑が目印の田無神社に到着です。この神社、のぼり旗に「開かれた神社」とあるとおり、自由に楽しくお参りができる神社です。まず参道はケヤキ並木。暑い日でもケヤキの木陰に入ると、涼しく感じるのが不思議です。実際ケヤキ並木を通り過ぎた風は3度くらい温度が下がるとか。自然の心地よさを感じながら境内に向かいます。

17<田無神社参道> 18<田無神社本殿>
田無神社は鎌倉時代後期の正応年間(1288~1293)に創建された神社。当初は尉殿大権現(じょうどのだいごんげん)と呼ばれ、祭神は龍神様でした。現在は級津彦命(しなつひこのみこと)・級戸辺命(しなとべのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)が祭神となっています。

19<願いごとを書いたテルテル坊主>

20<境内にはキッチンカーも出店>

境内にある金色の鳥居が目立ったので聞いてみると、これは境内の大黒様、恵比寿様に向かう時に通る道だとのこと。金運上昇をお祈りしてみてはいかがでしょうか。

21<めずらしい金色の鳥居>

境内にある楠木正成(くすのき まさしげ)の像は、南北朝時代に後醍醐天皇の命で室町幕府の大軍と戦った正成公を顕彰するものです。子孫が武蔵国保谷に移住して当地でこの像をお守りしました。第二次世界大戦で出征する兵士が正成公にあやかろうとして像のひとかけらを削っていくうち、現在のような形になったといいます。

22<楠木正成公の像>

 

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所沢街道、新青梅街道、旧青梅街道へ。

田無神社を出ると旧青梅街道に戻ります。青梅街道は徳川家康が青梅から江戸まで石灰岩を運ばせた道。旅人なども利用し、田無は青梅街道の宿場町になりました。しかし現在はマンションが建ち並び、歴史と伝統の雰囲気はありません。住みやすさ、暮らしやすさのまちになっています。

23<旧青梅街道のマンション群>

近くの「田無町一丁目」交差点で旧青梅街道と交差する所沢街道を歩いてみます。この街道は車の交通量は非常に多いものの、人が行き交う様子はあまりありません。でも街道沿いの住宅街にはときどき小さいながらも個性的なお店を発見したりします。そんな時はうれしくなって、つい覗いてしまいます。

24<所沢街道から新青梅街道へ> 25<道すがら見つけた手書きの看板> 26<路地に入ると趣味の手づくり雑貨店>
ここで車ばかりの新青梅街道には進まず「北原」交差点を左に曲がり、駅方面に向かいます。歩いて行くと規模の大きな西東京郵便局があります。そしてこのあたりにも小さなお店やレストランが散見されます。
27<大きな西東京郵便局> 28<小さなイタリアンレストラン>

旧青梅街道に戻ると、懐かしい雰囲気のお店が点在していて、楽しい気分になります。写真のお店は家具屋さんなのに看板は書店になっています。きっと以前は本屋さんだったのだろうな、と空想するのも楽しいものです。

29<レトロな雰囲気の商店> 30<警視庁田無警察署>

田無警察署から田無小学校方面に曲がると、路地に「ふれあいのこみち」を見つけました。先ほどの總持寺の「やすらぎのこみち」もそうでしたが、西東京市ではこうした路地がきれいに整備されているようです。

31<ここにも小道を発見> 32<田無小学校から北口方面へ>

田無小学校から駅に向かって歩くと、学習塾、書店、古本店などが並んでいます。近くに小学校があると、子どもに必要なお店が揃うようです。スポーツクラブもあり、このあたりも住みやすい田無という印象です。ここまでが北口周辺の散策となります。

33<スポーツクラブもあり>
 

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田無駅南口には市役所と静かな住宅街

さて、駅を通り抜けて田無駅南口を見てみましょう。北口に比べると地味な印象です。駅前から線路に沿って飲食店や居酒屋が並び、武蔵境通りの踏切まで続きます。かつては夜になると賑わいを見せていたそうですが、今はコロナ禍でおとなしくなっています。

34<田無駅南口> 35<南口の駅前飲食街>

では南口を背にして歩いてみましょう。このあたり、以前は小さな商店街でしたが、いまは建築中のビルが多く、しばらくは開発中といった雰囲気です。市役所方面に少し歩くと、古い「イングビル」という建物があり、ここが異空間の雰囲気を醸し出しています。館内には市役所の関係部署、商工会議所、美容院、飲食店などが種々雑多に並んでいます。かつては賑わっていたのかもしれません。

36<不思議なイングビル> 37<階段には個性的な案内板が>

イングビルを出ると、すぐに西東京市役所田無庁舎に到着。駅に近いので手続きなどには便利です。私が歩いたときはロビーが新型コロナウイルス感染症のワクチン接種会場になっていました。

38<西東京市役所 田無庁舎>

市役所から先に進むと、閑静な住宅街が広がっています。散策しながら住宅街に埋もれているお店を探したところ、英会話教室を発見。最近は自宅を舞台にスモールビジネスをされる方が多くなっているようです。

39<住宅街にある英会話教室> 40<盆栽のような松がある住宅>

住宅街をさまよって、田無駅南口に戻りました。新しく完成したビルには近日中にコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、学習塾などがオープンするようです。古い田無はここでも消えていき、便利なまちに表情を変えていきます。

41<南口でも再開発がはじまりつつある>
 

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田無駅周辺まとめ

西武新宿線田無駅周辺を歩いて感じたことは、旧青梅街道の往来がもたらした歴史、伝統、文化は過去のものになりつつあるという印象でした。街道筋の宿場町にかつて残っていた独特な雰囲気は、現代的な住まいや暮らしの利便性に姿を変え、明るく活気のある郊外都市に変貌していきます。それでも今回歩いた旧青梅街道の古くからある商店や、神社仏閣などは残っていくことでしょう。そんな田無駅周辺の散策で自分の好きな何かを発見できたら最高です。ぜひ歩いてみてください。

取材・文・写真/イワタハルユキ


A:田無駅北口(Emio、LIVIN) B:田無山總持寺 C:田無神社 D:田無郵便局 E:田無警察
F:ティップネス G:イングビル H:西東京市役所 I:あうりんこ J:田無駅南口

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