ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「武蔵藤沢」編

ラビング散歩
東口は多種多彩なロードサイドショップが集合。西口は明るく広々とした将来性ある住宅エリア

武蔵藤沢駅は埼玉県入間市の東端、所沢市との境界にある西武池袋線の駅です。
開設されたのは武蔵野鉄道時代の大正15年(1926)4月で約95年の歴史があります。現在は、待合室、エレベーター、エスカレーター、多機能トイレなどが設備された近代的な駅舎になりました。あまり知られていないことですが、太陽光発電システムや、太陽光と風力で発電する街路灯も導入されています。駅の東口にはショッピングセンター「グリーンガーデン」があり、西口は開発で区画整理が進行しています。
今回は将来が期待できる武蔵藤沢駅周辺を散策しました。
01<明るい武蔵藤沢駅の改札口>  02<東口>
 
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東口には広大なショッピングセンター「グリーンガーデン」

東口を出ると目の前に鉄板の塀があります。風景としてはいまひとつですが、この塀の向こう側には農地があり、現在も野菜などが収穫されています。その農地を迂回するように、おしゃれな雰囲気の歩道があるので、そこを歩いて行くと「グリーンガーデン武蔵藤沢」に入れます。

グリーンガーデンは多種多彩なショップが集まったネイバーフッド型ショッピングセンターです。ネイバーフッドとは「ご近所」の意味ですが、商業界では「スーパーマーケットを核としてホームセンター、ドラッグストア、各種専門店など、ご近所を商圏とするショップが揃っている商業施設」のことを指します。グリーンガーデンもそうですが、駐車場を取り囲むように店舗が並び、お客様が目的のお店の近くに駐車できるオープンモールスタイルが特徴です。
グリーンガーデンは武蔵藤沢で暮らす人々にとって、利便性の高いショッピングセンターです。衣食住の買物はもちろんのこと、飲食店、クリニック、スポーツクラブ、カラオケ、パソコン教室、学習塾なども利用できます。いろいろなお店を眺めながら、駅から行政道路(国道旧463号)まで横切って歩きました。
03<グリーンガーデンの核はコープCO・OP> 04<車に便利なオープンモールスタイル> 05<日々の買物はワンストップで完了!> 
06<スポーツクラブも完備> 07<おしゃれなベーカリーレストランも>  08<多種多彩なテナントが勢揃い>
 
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利便性の高いロードサイドショップ

グリーンガーデンを出たところで行政道路を右に折れて所沢方面に歩くと、すぐそこにケーズデンキ入間店とヤマダデンキ家電住まいる館が目に飛び込んできます。
ちょうど通りかかった家族連れが
「デンキ屋さんが2軒並んでいるから競争で他より安いだろうねえ」
と話していました。ケーズもヤマダも大規模な家電量販店。電気製品は高い買物ですから、よく比較して購入できるとうれしいですね。そういう意味では武蔵藤沢は家電購入の穴場といえるかもしれません。

09<ケーズデンキ入間店>

10<食品、家庭用品、カフェなどもある家電住まいる館>

11更に所沢方面に進むと、ロードサイドらしさ満載のお店が集合しています。ゲームセンター、リサイクルショップ、ドコモショップ、そしていきなりステーキ。この雑多感が楽しいですね。周辺には回転寿司店や牛丼店などもあり、気軽に外食が楽しめる環境です。

なんとなく街道歩きに飽きたので、そろそろ生活道路に入ってみようと思い、牛丼松屋の先を右へ曲がり、その先のマンションを右に折れてみました。行政道路から道路1本入ったこのあたりは、もう静かな住宅街。落ち着いた暮らしが見えました。少し歩くと角栄幼稚園があり、子どもたちの声が聞こえて、ほのぼのと温かい気持ちになります。

12<武蔵藤沢の落ち着いた住宅街> 13<住宅街の幼稚園>

生活道路を観察しながら直進すると小宮山医院に突き当たり、そこを右へ曲がると先ほどのケーズデンキのある交差点に戻りました。東口周辺はこれくらいにしようと、武蔵藤沢駅に戻ることに。グリーンガーデンまで戻ってきて行政道路の飯能方面を眺めると、何やら大掛かりな工事の風景が見えます。

 すぐにノートパソコンを取り出して調べてみると、西武池袋線をまたぐ行政道路の藤沢陸橋(建武橋)の架け替え工事でした。現在は行政道路の藤沢交差点から上り車線が24時間通行止めになっています。工期が令和4年3月までというから相当大掛かりな工事です。建武橋は完成してから75年以上経っていて老朽化が進んでいるとのこと。新しい橋の完成が待ち遠しいですね。

14<藤沢陸橋(建武橋)は架け替え工事中>
 
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区画整理が進む武蔵藤沢駅西口
15では西口に移動しましょう。昔ながらの風景が残る東口周辺と比べると、西口周辺は明るく現代的な印象です。駅前ロータリーは広々としていて、一般車送迎場やタクシー乗場があり、路線バスの乗り降りもゆとりがあります。駅舎のすぐ横にはコンビニもあって便利です。

16<路線バス(入間市駅行、入間扇町屋団地行)>

17<駅前交番>

駅前ロータリーに隣接して警察官常駐の交番があります。埼玉県では高齢者を狙った詐欺電話や、不審者による子どもへの声掛けなどが報じられていますが、駅前に警察官が立っていてくれたり、交番があったりすると、犯罪の抑止力になり、安心できます。

 駅前ロータリーを出て、南へ向かう広い直線道路があります。まさに武蔵藤沢のメインストリートという存在感。沿道にはマンションやショップが並びますが、まだまだこれからと思えます。この道路は国道463号線バイパスに突き当たり、車であれば所沢や飯能へ直行できます。

18<国道463号線バイパスに向かう直線道路>
 その広い道路沿いでお得なコインパーキングを見つけました。車を24時間あずけて400円という料金は、なかなか見かけません。ここに車を置いて電車で出掛けるとか、逆に他の街から車でやってきて武蔵藤沢でお買い物するとか、気軽に利用できるのではないでしょうか。そして駅に近いこのあたりには医院やクリニックが目立ちます。新型コロナウイルス感染症の流行で「かかりつけ医」の重要性が再認識されましたが、身近なところで初期段階の診察を受けられるのは安心感があります。
19<安い! 24時間400円のコインパーキング>

20<内科はすべての基本>

21<整形外科やリハビリ科も>

22さらに歩くと、交差点の際に食品系のスーパーマーケットがありました。こういうお店があると一気に生活感が見えてきます。自転車で集まってきた老若男女が、ニコニコと日常的な買物をしていました。

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緑の宝庫、藤沢中央公園駅

西口から広い道路の歩道を歩いてきて、そろそろコンクリートではない自然に出会いたいなと思っていたところ、藤沢中央公園を発見しました。時計台のある入り口から公園内に入ると、遊具や四阿があり、お母さんと一緒に遊びに来た子どもたちが走り回っています。こんもりした築山も子どもにとっては楽しい遊び場です。
あたりを見回すと、樹木や芝生や雑草でいわゆる原っぱという状態。整備されているけれど、野放図な自然が残っている感覚です。それもそのはず、公園内の広場は集中豪雨の時に雨水を一時的に溜めて、河川の氾濫を防ぐ役割があるそうです。地面に傾斜があるのはそのためで最大30センチくらいの水が溜まるように設計されているとのこと。もちろんそのような場合は広場に近づかないこと! 特に子どもたちは注意しましょう。
23<藤沢中央公園で楽しく遊ぶ子どもたち> 24<多目的広場は雨水調整池でもある>

公園を出ると目の前に保育園があります。ここの子どもたちは緑いっぱいの公園が近くにあって本当に恵まれていると感じました。すぐ横に鉄塔が立っているのもご愛敬で、いわゆる鉄塔マニアの人などには喜ばれるのではないでしょうか。

25<めぐみ保育園は公園前の好環境> 26
<公園を見下ろす鉄塔>
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入間市の複合施設とふじのみや公園
27黙々と歩いて見えてきたのは入間市の複合施設。ここには入間市藤沢支所、藤沢公民館、入間市立図書館藤沢分館が入っています。隣接するふじのみや公園も含めて、いやされる空気が流れています。

黙々と歩いて見えてきたのは入間市の複合施設。ここには入間市藤沢支所、藤沢公民館、入間市立図書館藤沢分館が入っています。隣接するふじのみや公園も含めて、いやされる空気が流れています。

28<入間市の複合施設> 29<複合施設に隣接する「ふじのみや公園>
 
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熊野神社と入間市指定天然記念物の大杉

複合施設の向かいに狭山ヶ丘学園の校舎が見えてきたら、右へ。そろそろ武蔵藤沢駅の方向に戻ろうと思い、歩きながらふと見ると、瀟洒な神社がありました。これが熊野神社です。社伝によれば新田義貞が元弘3年(1333)に鎌倉を攻めた折り、下藤沢明の沢(あけのさわ)に陣を張ったところ、南から飛来したカラスが旗の上に止まったとのこと。これを紀州熊野宮の飛竜の神の助けであると信じ、勝利の帰途に立ち寄って飛竜神社を建立しました。その後、神社を村の中央に移して現在の熊野神社になったと伝えられています。境内にあるご神木の大杉は樹齢約600年、高さ約30メートルの威容を誇っています。この大杉は入間市指定天然記念物に指定されています。
30<熊野神社> 31
<熊野神社ご神木の大杉>
32神社を参詣して敬虔な気持ちになったところ、さらに駅方面へ歩いて右へ行くと、白梅幼稚園がありました。まるで学校のような広い校舎と園庭に目を奪われました。武蔵藤沢は子どもたちが大切にされているエリアなのでしょうか。教育施設は立派なものばかりのように思えます。

少し歩くと焼きたて・手作りパンの「ベーカリーCOZY」があります。最近は焼きたてパンが人気で、いろいろなところでパン屋さんを見かけるようになりました。COZYはその先駆けといった存在。かわいいデザインのお店が印象的です。

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<焼きたてベーカリー>

34セブンイレブンのある交差点で駅に向かう道路に戻り、西口まで戻ってきました。ここで忘れずに紹介しておきたいのが駅前にある「武蔵ホール」。ビルの5~6階にある吹き抜けの音楽ホールで、世界のピアニストが高く評価するベヒシュタインのピアノ等が置かれています。定員134名のホールではコンサート、イベント、演奏撮影などが行われています。武蔵藤沢駅徒歩1分の武蔵ホールは地域の芸術文化にとって貴重なランドマークといえるでしょう。

西口の一角に金融機関が2店舗、向かい合わせに建っています。埼玉りそな銀行武蔵藤沢支店と埼玉縣信用金庫武蔵藤沢支店です。いずれも埼玉県を地盤とする地元金融機関。取引にも安心感があります。

35<埼玉りそな銀行> 36<埼玉縣信用金庫>
 
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武蔵藤沢まとめ

特に都会ではなく、かといって田舎でもない、いかにも郊外という雰囲気。西武線や東武線の沿線には、そんなまちが多く存在します。そこに暮らす人々の息づかいが聞こえるような地域。武蔵藤沢駅のまわりを歩いて同じように感じました。東口には広い駐車場を囲むショッピングセンター、古くからある街道、そして種々雑多なロードサイドショップの数々。そして西口では区画整理が進み、新しいまちづくりが進んでいます。よく整備された公園などうらやましい限り。武蔵藤沢の10年後、20年後が楽しみに思えました。

 

 

取材・文・写真/イワタハルユキ

※この記事の内容は令和2(2020)年10月12日現在のものです



A:ヤマダデンキ家電住まいる館 B:角栄幼稚園 C:ケーズデンキ入間店 
D:グリーンガーデン E:武蔵藤沢駅東口 F:駅前交番 
G:TAIRAYA武蔵藤沢店 H:藤沢中央公園 I:入間市立図書館藤沢分館 J:熊野神社   

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