西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 

西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 本来なら東京オリンピック&パラリンピックで盛り上がるはずだった2020年。
ところが新型コロナウイルス感染症の拡大で延期となり、日常生活も政府による緊急事態宣言の発令で不要不急の外出を避ける事態になりました。

そこで今月の「ラビング散歩」は休止し、そのかわりに資料から集めた「西武池袋線の豆知識」をご紹介することにしました。
いつも利用している路線でも意外と知らないことがあるかもしれません。ご一読を。

 

 

1915年、池袋~飯能間に武蔵野鉄道が開業

日本初の鉄道が開通したのは1872(明治5)年10月14日のこと。その記念すべき路線は新橋~横浜間の約29kmでした。
それから40年後の1912(明治45)年に武蔵野鉄道が設立され、1915(大正4)年に池袋~飯能間に鉄道が開業しました。これが現在の西武池袋線の原形です。

開業当時はドイツから輸入したクラウス社製の蒸気機関車を使用していたとのこと。この鉄道開通により、都心と郊外を往復する人と貨物の流れがさかんになりました。また武蔵野鉄道は貨物列車で飯能名産の木材(西川材)を都心部に運搬し、帰路には田畑で使われる肥料や飼料を郊外に運ぶという重要な役割も果たしました。

その後、武蔵野鉄道は1922(大正11)年に池袋~所沢間をいち早く電化。秩父鉄道とともに、私鉄で最初に電化を果たした鉄道会社として我が国の鉄道史にその名を残すことになりました。

 

 

武蔵野鉄道開業時に設置されたのは11駅

現在の西武池袋線は池袋から飯能までだと26駅あります。しかし、1915(大正4)年の武蔵野鉄道開業時には11駅と半分以下でした。
開業時の駅は池袋、東長崎、練馬、石神井、保谷、東久留米、小手指(現在の西所沢)、元狭山(三ヶ島村→現・狭山ヶ丘)、豊岡町(現・入間市)、仏子、飯能。

そして開業時は1日8往復の全線直通運転で、区間運転はありませんでした。電車の所要時間は池袋から所沢まで54分~56分、飯能まで96分~129分だったそうです。池袋と飯能は今より遠く感じられたに違いありませんね。

 

 

武蔵野鉄道と旧西武鉄道の合併で西武鉄道が誕生

池袋と飯能を結ぶ武蔵野鉄道にとってライバル的存在だったのは旧西武鉄道(西武農業鉄道)でした。旧西武鉄道は1927(昭和2)年に東村山~高田馬場間を開業し、同時に東村山~川越(現在の本川越)の電化を進め、これが現在の西武新宿線の原形となりました。

当時のエピソードですが、武蔵野鉄道と旧西武鉄道が交差する形で乗り入れていた所沢駅では、旧西武鉄道が委託を受けて駅務を担当していました。東京方面に向かう乗客は池袋と高田馬場のどちらに向かうか決めていないことも多く、そうした場合に旧西武鉄道の駅員が優先的に自社の切符を売っていたそうです。しかも旧西武鉄道の切符を買いながら武蔵野鉄道の電車に乗る乗客も出てきて、武蔵野鉄道と旧西武鉄道に対立が生まれました。ついには武蔵野鉄道の社員が所沢駅に押しかけ、駅務の運営を奪い取るという出来事もあったそうです。この両社の競合が刺激となり、東京都多摩地域と埼玉県西部の活性化に与えた影響は大きかったといわれています。

しかし武蔵野鉄道と旧西武鉄道は第二次世界大戦後の1946(昭和21)年11月15日に合併することとなります。存続会社は武蔵野鉄道でしたが、あえて名称を西武鉄道にしたことについて、経営者が「買収される側の社員の肩身がせまくならないように」と配慮したとの美談になっています。
こうして現在の西武鉄道の基礎が形づくられました。

 

 

駅名に「公園」がつく駅

西武池袋線は東京都北西部から埼玉県西部を東西に横断するルートを走ります。沿線が都市化した現在でも残された緑がときおり車窓から見られる路線で、自然が多く、人にやすらぎを与えています。
そういえば西武池袋線で「公園」という言葉が含まれる駅が2か所あります。東京都練馬区の「石神井公園」と埼玉県狭山市の「稲荷山公園」です。

【石神井公園】

西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 東京都立石神井公園は西武池袋線石神井公園駅から南へ徒歩7分。商店街や住宅街を抜けると、木々の緑に包まれた石神井池が見えてきます。

街道沿いにはバス停(石神井公園前)やボート乗り場があり、池のほとりにはくつろぎ広場、ふくろう広場、記念庭園などが広がります。敷地内には野球場、野外ステージ、野草観察園なども設備されています。

石神井池は東西に長く、公園の中央を縦断する井草通りから西は三宝寺池となり、水辺観察園、浮島沼沢植物群落、厳島神社などを見ることができます。
このように石神井公園は郊外の自然をそのまま生かした人々のうるおいの場となっています。

 

【稲荷山公園】

稲荷山公園は、埼玉県営狭山稲荷山公園が正式名称です。第二次世界大戦後に日本に駐留したアメリカ軍が使用していたジョンソン飛行場の跡地の一部が返還され、公園として整備されました。

現在の形になったのは2002(平成14)年のことで県営公園として整備されました。広大な敷地には約300本のソメイヨシノやヤエザクラが植えられ、今では桜の名所となっています。

また、この公園の特徴は広い芝生広場があることで、週末や休日には家族連れが思い思いに楽しく過ごしています。
公園の隣接地には狭山市博物館、サピオ稲荷山(プール&ジャグジー施設)、航空自衛隊入間基地などがあります。

 

 

「としまえん」はどうなる

西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 西武池袋線を利用する観光スポットのひとつに「としまえん」という遊園地があります。西武池袋線の練馬駅で西武豊島線に乗り換え、次の豊島園駅で降りると目の前が「としまえん」の入口です。

この遊園地は流れるプールや日本最古のメリーゴーランドなどで親しまれ、また「庭の湯」という温泉施設でも注目を集めました。この「としまえん」は開業が1926(大正15)年、90年余の歴史を持っています。明治から大正にかけて、家族連れで観光や余暇を楽しむというライフスタイルが流行しましたが、「としまえん」もその流れに乗って開業されたようです。

さて、その「としまえん」が段階的に縮小され、近い将来、閉園となることが決まりました。沿線住民にとっては寂しい限りです。跡地利用についてはまだ正式には決まっていないようですが、大規模な公園ができるとか、アメリカ資本がハリーポッターのテーマパークをつくるとか、いくつかの情報が飛び交っています。
遊園地がなくなるのは寂しいことですが、新しい施設ができるのであれば前向きに受け入れて楽しみたいものですね。

 

 

そもそも西武池袋線はどこからどこまで?

西武池袋線が池袋~飯能間の路線だと思っている方も結構いらっしゃるようです。確かに飯能駅では池袋方面と西武秩父方面がスイッチバックになっていて、そこでひとつの路線が終わっているかのように感じます。そして多くの場合、飯能駅が下りの終点になっていることも思い違いの原因かもしれません。
しかし!

西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 実は西武池袋線は池袋~吾野間の鉄道路線で、本来の終点は吾野駅なのです。吾野駅の飯能寄りに鎌倉坂隧道というトンネル(223m)がありますが、そのトンネルは西武秩父線のものではなく、西武池袋線唯一のトンネルということになります。そして吾野から更に先が西武秩父線になるというわけ。

そう考えると西武池袋線のイメージもすこし変わってくるのではないでしょうか。住宅街を走る生活電車から山あいを走る観光電車へ。これからもジモティーとして西武池袋線に親しみたいと思います。

 

 

さいごに

西武池袋線の豆知識 ラビング散歩 番外 編 西武池袋線沿線に住んでいても、意外と知らないことがあったのではないでしょうか。ささやかな情報ですが何かの参考になれば幸いです。

なお新型コロナウイルス感染症の拡大防止措置で施設や公園が閉鎖になっている場合があります。お出かけの際は電話やインターネットでお確かめの上でお出かけください。
そして不要不急の外出の自粛が求められる緊急事態宣言等が発令されている期間は訪問をご遠慮ください。

一日も早く事態が収束することを願っています。

 

文/イワタハルユキ

 

 


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