ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「東伏見」駅編
公園の自然と人々の暮らし遺跡に悠久の歴史を感じるまち
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東伏見駅(ひがしふしみえき)は西武新宿線の駅。東京都の西東京市と練馬区が隣接する地域にあります。駅番号はSS15。歴史をひも解くと旧西武鉄道の早稲田大学誘致活動が当地の黎明でした。
大正14年(1925)には西武鉄道所有の土地2,500坪が早稲田大学に寄付され、各体育部が利用する総合運動場が誕生しました。この時点ではまだ鉄道は敷設されていませんでしたが、昭和2年(1927)に上保谷駅(現在の東伏見駅)が開業。
その後は伏見稲荷神社の誘致や住宅地の整備が進められました。駅名は東伏見神社が勧請された昭和4年(1929)に東伏見駅に改称されて現在に至ります。今回のラビング散歩は初夏の東伏見を歩いてみました。
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<東伏見駅の改札口>
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<東伏見駅南口>
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西東京市運営の「はなバス」
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東伏見駅南口には西東京市のコミュニティバス「はなバス」の停留所があります。ここでは第3ルートと呼ばれる「田無駅行き」のバスが利用できます。
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<はなバス>
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威風堂々のアイスアリーナ
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南口ロータリーを見渡すと巨大な建物が目に飛び込んできます。これがダイドードリンコスーパーアリーナ。東伏見アイスアリーナが命名権を売却した施設です。ここではアイススケートの一般滑走をはじめ、アイスホッケーの試合、フィギュアスケート教室、イベント各種が行われています。
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<ダイドードリンコスーパーアリーナ>
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他にロータリーまわりではホッケーショップ、整骨院、飲食店、マクドナルド、セブンイレブン、歯科医院などが営業しています。 |
<スポーツクラブ>
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南口からすぐの所にある「コープ東伏見店」は地域住民の貴重な商業施設です。午前9時から午後11時まで営業しているので便利。駐車場も約50台を確保しており、買物の際に駐車サービス券を発行してもらえます。 |
<コープ東伏見店> |
駅前広場には交番と鳥居が並列しています。交番は警視庁田無警察署東伏見交番で地域の治安を守り、鳥居は東伏見稲荷神社の参道にて善男善女を守ります。鳥居をくぐって線路に沿った参道を歩くと個性的な商店やイトマンスイミングスクール&フィットネスなどがありました。 |
<鳥居と交番> |
<思わず入りたくなる飲食店> |
<スイミングスクール> |
線路際の道から南へ向かう参道に入ると東伏見稲荷神社に直行できます。が、今回はここを曲がらずに直進し、東伏見公園を抜けるコースを歩いてみようと思います。
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<住宅街の神社参道> |
恒例のコインパーキング相場チェックです。駐車後24時間770円は妥当な線といえるのではないでしょうか。
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<コインパーキング料金相場> |
東伏見公園
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東伏見公園は花と緑で整備された広大な公園。落ち着いて休憩できるあずまや、見晴らしのよいデッキ、いろいろな遊具、便利な自動販売機、公衆トイレなどが完備された都立公園です。 そしてここは単なる公園ではなく、西東京市指定の災害時広域避難場所でもあります。安全、安心、豊かな自然。まるで丘陵地帯のような爽快な雰囲気です。
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<東伏見公園> |
<ローラーすべり台> |
<機関車型の遊具> |
東伏見駅から先ほどの住宅街を通る参道もよいのですが、この東伏見公園を抜けるルートも魅力的です。天気のよい日は風に吹かれて歩いてみることをおすすめします。
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<神社へ向かう道>
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東伏見稲荷神社
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東伏見稲荷神社は京都伏見稲荷大社の分祀です。地元の熱望が実を結び、昭和4年(1929)に創建されました。御祭神は衣食住の大祖神で農業守護の宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)、陸海の交通を守り人々を導く佐田彦大神(さだひこのおおかみ)、歌舞音曲に信仰篤い長寿と愛嬌の大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)の三神です。この神社の本殿と境内は明るく爽やかで神様の光に満ちた印象がありました。
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<茂呂遺跡> |
<東伏見稲荷神社 本殿> |
神社を背にして東伏見小学校方面に歩くと、都道233号線(伏見通り)を横断します。この幹線道路は歩車完全分離で、歩行者、自転車、自動車の通行帯が明確に分けられています。さすが佐田彦大神が祀られている神社の前だけあって、行政も交通安全に努めたのかもしれません。
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<歩車分離の伏見通り> |
<東伏見小学校> |
下野谷遺跡
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東伏見小学校から閑静な住宅街を東に歩くと、縄文時代中期の環状集落が発見された下野谷遺跡(したのやいせき)があります。ここでは住居跡、土器、石器などが多く発掘され、地下の遺跡もそのまま保護されています。当地は考古学上、石神井川流域を代表する大規模な環状集落として貴重な存在とされています。平成27年(2015)には遺跡の一部が国史跡に指定されました。
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<復元された竪穴式住居①>
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<復元された竪穴式住居②>
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早稲田大学の体育施設
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下野谷遺跡は高台にあるため、隣接する早稲田大学の体育施設が見渡せます。この一帯には早稲田大学のサッカー場、野球場、軟式野球場、ホッケー場、馬場などが集まっています。石神井川に沿って下野谷橋から溜淵橋まで遊歩道を進み、大きな池のある武蔵関公園に到着しました。
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<下野谷橋と早稲田大学体育施設> |
<早稲田大学野球場> |
<石神井川と遊歩道> |
武蔵関公園
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武蔵関公園は練馬区に属しますが東伏見駅のすぐ近くです。面積は約48,000平方メートルと広く、公園の中央には富士見池があります。かつては湧水による池でしたが、現在は石神川井川の水を溜めているとのこと。豪雨の際は下流の洪水対策という役割も担っているそうです。そしてこの富士見池ではボートに乗ることができます。
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<ボートのりば> |
武蔵関公園からダイドードリンコスーパーアリーナの横を歩いて東伏見駅に向かう途中、住宅のようなカフェを見つけました。コーヒー250円とリーズナブルです。どこを見ても店名さえ書いていないので、まさに隠れ家風カフェという感じです。
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<住宅のようなカフェ発見> |
東伏見駅北口周辺を散策
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橋上駅舎を抜けて南口から北口へ移動します。北口は西武新宿線沿線で見慣れた雰囲気の駅前広場。まずロータリーを回って路線バスをチェックします。 |
<東伏見駅北口> |
【路線バス】
1番のりば(西武バス) 吉祥寺駅行き 西武車庫前行き 保谷駅南口行き
2番のりば(関東バス) 三鷹駅行き ※必ず時刻表を確認して利用のこと
2番のりば(西東京市コミュニティバス「はなバス」) 第2ルート(ひばりヶ丘駅行き)
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<はなバス> |
なお北口にはタクシーのりばもあります。そしてロータリーのまわりには飲食店、コンビニエンスストア、きらぼし銀行東伏見支店などが揃っています。では踏切を越えて南口と北口を結ぶ「かえで通り」を歩いてみましょう。まず高級感のあるスーパーマーケット「三浦屋」を見つけました。言うまでもなく地元住民の買い物にはありがたい存在です。その先にあるのはドラッグストア「くすりのダイイチ」、こちらは薬から食品や日用品まで格安販売のお店。近くで高級感と割安感の選択ができるのは消費者にとって魅力です。
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<三浦屋> |
<薬のダイイチ> |
小さな郵便局もありました。昔ながらの赤い郵便ポストが郷愁を誘います。定形外の手紙や小包を送る時は、やはり窓口のある郵便局が便利です。
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<保谷富士町郵便局> |
ロードサイド型のショップがたくさん
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かえで通りを北に向かうと新青梅街道や富士街道と交差します。きょうは新青梅街道を左折して安全な歩道を歩きました。交通量は多いですが歩道が整備されているので安心です。見渡すと街道沿いにはいくつものチェーン店が並んでいました。
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<ユニクロ> |
散歩中の地元の人に聞いたのですが、このコメダ珈琲店、以前は書店だったそうです。その人は「珈琲が読書に勝ちました」と笑いながら去って行きました。
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<コメダ珈琲> |
ロードサイド型のチェーン店は地域住民にとって便利ですが、個性に欠けるという気がします。そこで新青梅街道から左に鋭角に折れて住宅街のなかを東伏見駅の方向に戻ることにしました。静かな住宅街をしばらく歩くと先ほどのかえで通りに出ます。ここで見つけたのが煉瓦づくり風の珈琲茶館「珈風絵」。カフェと読むようですが、やはりチェーン店のコメダ珈琲とは違う味わいがあります。こういうお店の発見がラビング散歩の醍醐味です。今回はこれにて散策終了とします。
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<珈琲茶館 珈風絵> |
【東伏見駅周辺まとめ】
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東伏見駅南口ではアイスアリーナの存在感に圧倒されます。そして広大な都立東伏見公園、東伏見稲荷神社、下野谷遺跡、石神井川の遊歩道、武蔵関公園と、歴史と自然を堪能できる散策路があります。また北口は静かな住宅街に人々の日常的な暮らしが見えてほのぼのした雰囲気でした。北口駅前広場には縄文人と土器のオブジェが飾られています。時には悠久の歴史に想いを馳せたいと思いました。
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<縄文人のオブジェ> |
A:東伏見駅南口 B:ダイドードリンコアイスアリーナ C:コープ東伏見店 D:東伏見公園 E:西東京市東伏見小学校 F:武蔵関公園 G:東伏見北口 H:スーパー三浦屋 I:コメダ珈琲保谷店
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