ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「西所沢駅」編

ラビング散歩
個人商店や飲食店が元気! 落ち着いて暮らせる西所沢のまちを散策

西武池袋線「西所沢駅」は所沢駅と小手指駅の間に位置する静かな雰囲気の駅です。
駅舎は改札口もプラットホームも至ってシンプルですが、朝夕の通勤時には活気があります。また西武ドーム(メットライフドーム)がある西武狭山線への乗換駅でもあり、野球が開催される日は駅内に人があふれます。西所沢駅のまわりは個人商店や飲食店が多くにぎやか。その一方で駅を離れるとすぐに静かな住宅街が広がります。この西所沢のことを、人々は親しみをこめて“にしとこ”と呼びます。
01<西所沢駅風景> 02<売店のある改札口>
 
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西所沢駅周辺の適度なにぎわい

03西所沢駅は現在のところ改札口が1か所のみ。ですが近い将来、反対側にも改札口をつくる計画があるそうです。
現在の改札口を出ると、すぐ左手に警察官が常駐する交番、右手にはタクシー乗り場があります。道をはさんだ向かいには、コンビニ、飲食店、居酒屋などの商店が林立しています。線路沿いには西武スマイルパークが運営する駐輪場(自転車10時間ごと100円)が設置され、通勤に利用している方が多いようです。駅そのものは小さな印象ですが、周囲は昔ながらの個人商店が多く、日常の買物等で人通りがさかんです。とはいっても密集するほどではなく、新型コロナ感染症対策を考えると、適度なにぎわいと言えるのかもしれません。
04<駅前には商店が林立> 05<“にしとこ”の謎、ファミマの3軒先にもファミマが!> 06<整備された駐輪場>
 まず東へ歩いてみると、すぐに「西所沢駅入口」交差点があります。ここで右手を見ると東和銀行所沢支店と踏切が見えます。
そこでよく見ると、踏切の横から白い煙がたなびいています。何だろうと思って近づいていくと、線路わきの細い路地に「西とこキッチン屋台村」という看板を出して屋台風のお店が営業しています。のぞいてみると、たこ焼き、もつ焼き、ケバブ&ピザなどのお店がありました。雑然としていますが、それがまた魅力的。屋台の味が楽しめます。特にたこ焼きは人気があるようでした。
07<東和銀行所沢支店> 08<西とこキッチン屋台村>
屋台村を出て踏切を背にして歩きます。
このあたりは「西所沢商栄会」という商店街で昔からのお店や新しいお店が入り混じり、興味津々のエリアです。道路沿いには、日用雑貨、手打ちそば、パソコンスクール、接骨院、歯科、理髪店、和菓子店、茶など、混沌とした感じでお店が居を構えています。こういう所を1軒1軒のぞいてみるのも街歩きの楽しみです。
09<手打ちそばのお店> 10
<建物に歴史を感じる商店>
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<和風のカフェ>
12<マンションの谷間の公園>
13しばらく歩くと「金山町」交差点五差路に到着。
ここを直進すると所沢駅方面です。きょうは左へUターンする形で西所沢駅方面に戻ります。すると、すぐに見えてくるのがスーパーマーケットの西友西所沢店。年中無休・24時間営業とたいへん便利で、食品、衣料品、家庭用品が揃い、地域住民に愛用されています。
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“にしとこ”の住宅街は「道」が面白い 
14 西友から駅方面に歩くと、おくもとクリニック(内科・小児科・消化器科・呼吸器科・リハビリ科)が目に入ります。
このような「かかりつけ医」が地元にあると安心です。西所沢地区には身近な医療機関が多く、自分に合った主治医を見つけることができるのではないでしょうか。
 このエリアは脇道に入るとすぐに住宅街。
歩いてみて気づいたのは、西所沢の住宅街には何となく面白い道が多いことです。西友の向かい側にも小さな路地があり、さかんに車が走る街道に近いとは思えない静けさ。路地裏の家々で庭木を眺めるだけでも癒される気がします。
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<静かな住宅街の路地>
16さらに駅方面に歩くと、ところどころに昔ながらの飲食店が残っています。ここで暮らしている住民にとっては日常的な存在なのに違いありません。
町内のご隠居さんたちでしょうか、数人で集まって昼間からビールを飲んでいる風景も見られました。のどかです。
西所沢の「道」を面白くしているのは、それぞれの家が植えている草花や庭木のせいもあるかもしれません。例えば駅近くの住宅で大きなサボテンを育てている家がありました。けっこうインパクトのある風景でした。
17<庭にサボテンがある家> 18<駅近くの花屋さん>
 
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改札口のない側は静かな住宅街
駅前に戻って、今度は反対側をめざして歩いてみます。西所沢駅は改札が1か所なので、反対側に行くには回り込んで踏切を渡ることになります。近い将来、反対側にも改札口ができれば、駅に自由通路ができるはずなので期待しましょう。
現在、駅の飯能方面に小さな踏切があるのですが、ここもなかなか趣があります。踏切の近くには呉服屋さんや和菓子屋さんがあり、小さな飲み屋さんも数軒。なんとなく踏切のまわりがよい雰囲気なのです。ちなみにこの踏切、せまくて車は通れません。
19<どこか情緒のある歩行者専用踏切> 20<和菓子屋さん>
 その先に今度は西武狭山線の踏切があるので渡り、突き当りを右に歩いてみます。途中で右手に見えるのがガード下のせまい道路。こういうところも面白い風景です。元の道に戻って、更に行くと、そこにも踏み切りが。これも西武狭山線の踏切です。これを渡ると住宅だけのまちなみになるので、ここで引き返すことにしました。
21<ガードのある道> 22<踏切でUターン>
 
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住宅街にお店が点在する楽しさ
23この踏切の横にある中華料理「満洲里」は一見何の変哲もないラーメン屋さんに見えます。
ところが、有名な「ぎょうざの満洲」の創業者はこのお店のご主人のもとで修業したとのこと。いわば「満洲里」は「ぎょうざの満洲」の隠れた発祥の地といったところ。みなさんも西所沢の静かな住宅街で、由緒ある中華を味わってみてはいかがでしょうか。
そして住宅街を駅方面に歩くと、道沿いにカフェレストラン、保育園、お菓子屋さんなどが点在しています。このあたりも落ち着いた雰囲気で静かな生活感に満たされています。 
24<おしゃれなカフェレストラン> 25<きれいな保育園> 26<森のとうふ屋さんの菓子工房>
 途中、「陶工房しゅん」の前を右に曲がると「岩崎公園」があります。所沢市と岩崎下町町内会が設置した公園で、子ども向けの遊具や水飲み場が整備されています。住宅街のなかに広い空間があるとホッとします。
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<岩崎公園>
28元の道に戻ってさらに歩くと、街道(県道55号線)に出ます。左手には最初に見た屋台村のある踏切があるので、右手に曲がってみます。
こちらにはほとんどお店はなく、街道沿いに1軒のお茶屋さんがあるのみ。狭山茶の本場だけに地元の人が日常的に愛用しているお店のようです。
 
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西所沢は高台にある
まちなかを歩いているときは分かりませんでしたが、この街道を歩くと、西所沢が実は高台にあることに気がつきます。お茶屋さんを過ぎたあたりで南西方向を見ると、所沢山口地区の風景が見渡せます。そこにはこんもりした緑の狭山丘陵、茶畑、住宅などが見えます。ふと見るとこの街道沿いにも鬱蒼とした森が残り、豊かな自然を感じることができます。高台の風に吹かれながら、西所沢の散策はここで終了です。
29<高台から見る山口地区の眺望> 30<街道添いに森がある>
 
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西所沢駅周辺まとめ
今回は西所沢駅周辺を散策してみました。
所沢駅周辺のように都会的なにぎわいがあるわけでも、小手指駅周辺のようにスタイリッシュな雰囲気があるわけでもありませんが、なぜか大いに魅力を感じました。まるで下町を歩いているかのようなごきげんな気分。それはやはり個人営業のお店が多いことによるのではないでしょうか。スーパーマーケットやホームセンターのような会話のない店舗ではなく、軽くおしゃべりができるお店。

マスクをして、距離を取っていても、笑顔と善意は伝わります。住宅と小さなお店が混在する西所沢駅周辺は、所沢下町情緒が残る数少ないまちではないでしょうか。路地の生け垣、歩行者しか渡れないせまい踏切、電車が走る轟音の響くガード下など、何か温かみを感じてしまいました。
暮らしやすさと親近感と不思議な温かみ、そんな“にしとこ”に一度は住んでみたいと思うのでした。
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<改札口の天井にツバメの巣>
 取材・文・写真/イワタハルユキ
※この記事の内容は令和2(2020)年7月17日現在のものです

 


A:西所沢駅 B:西とこキッチン C:和食茶屋のびる D:西友西所沢店 
E:おくもとクリニック F:車が通れない踏切 G:和菓子処山崎屋 
H:満州里 I:救岩崎公園 J:黒田園茶卸販売

 

 

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