ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「青梅街道&新小平」駅編

ラビング散歩 青梅街道駅周辺は行政と文化のまち、新小平駅周辺は府中街道を背景の商業地。

イワタハルユキ

西武鉄道多摩湖線の青梅街道駅(おうめかいどうえき)と東日本旅客鉄道(JR東日本)武蔵野線の新小平駅(しんこだいらえき)は東西に徒歩約8分と近接しています。いずれの駅も青梅街道が面前を走り、新小平駅から西へ歩くと府中街道が南北に走っています。

青梅街道駅は東京都小平市小川町にあり、昭和3年(1928)4月に開業した歴史ある駅(駅番号ST03)です。現在の駅舎は平成7年(1995)に改修されたものでカワイイと好評です。一方の新小平駅は同じく小平市小川町にあり、こちらは地下を走行する武蔵野線の地上駅(駅番号JM32)となっています。

開業は昭和48年(1973)と比較的新しく、首都圏の交通を円滑にする環状線として期待されています。今回は青梅街道駅から官庁街を抜けて住宅街を歩き、新小平駅を見てから府中街道でターンして一般道で青梅街道駅に戻るというルートを歩いてみました。

 

ラビング散歩 単線が生み出す独特の情緒

青梅街道駅とその路線である西武多摩湖線は単線による運行です。上りは国分寺方面行き、下りは萩山・多摩湖方面行きになります。小さな駅舎と1組の線路が与える印象は郷愁でしょうか。もちろん毎日通勤で利用している人々にとっては日常そのものだと思いますが、その独特な情緒は貴重なものです。

青梅街道駅
<青梅街道駅>
青梅街道駅の改札
<青梅街道駅の改札>
 青梅街道駅の東側には線路に沿って雑木林の道があり、その奥には自転車駐輪場が整備されています。24時間毎に100円ですのでお出掛けの際には気楽に使えます。
青梅街道駅東側の駐輪場<青梅街道駅東側の駐輪場>

ラビング散歩 農産物直売所「ムーちゃん広場」

青梅街道駅前の踏切を渡って青梅街道を東へ進むと、すぐに農作物直売所「ムーちゃん広場」が見えてきます。ここはJAむさしを母体にした農産物直売所で、地元で採れたての野菜、果物などを買うことができます。店内をひとまわりしてみましたが、米、精肉、加工品なども豊富で、楽しく選べる売場でした。観賞用の花も売られていました。

ムーちゃん広場
<ムーちゃん広場>

ムーちゃん広場の隣にはドラッグストア(1F)とファミリーレストラン(2F)があります。最近のドラッグストアは品揃えが多種多彩で日常のニーズはおおむね満たせます。ファミレスは特にランチタイムが賑わうようです。

地元農家から直送<地元農家から直送> 駅前にファミレスとドラックストア<駅前にファミレスとドラックストア>

ラビング散歩 歴史ある小川用水

青梅街道駅や新小平駅のある辺りはかつて小川村と呼ばれていました。村づくりが進められた明暦2年(1656)に初代の名主である小川久兵衛により小川用水が開削されたといいます。
青梅街道の南側と北側を流れるように計画され、明治時代まで農業はもちろんのこと住民の生活用水としても利用されていたといいます。ムーちゃん広場のある交差点から小平市役所に向かう市役所通りには現在も流れが保存されています。
小平市内をめぐる農業用水は埋め立てられたり暗渠になったりしていますが、この小川用水は歴史的な文化遺産として後世に残したいものです。

文化遺産的存在の小川用水
<文化遺産的存在の小川用水>

ラビング散歩 小平市役所とその周辺

市役所通りをさらに進むと、右手に小平市役所が現れます。威風堂々とした重厚感のある姿です。その市役所に隣接する緑地には懐かしい丸ポストが観賞用に置かれています。
また平櫛田中(ひらぐし でんちゅう)の像も印象的です。田中は日本の木彫界における巨匠であり、昭和37年(1962)には文化勲章を受章しています。田中は小平市学園西町に住み次々と傑作を生み出しました。また昭和47年(1972)には小平市名誉市民に叙せられています。その後長寿を全うし昭和54年(1979)に107歳で永眠しました。

小平市役所
<小平市役所>
小平市は丸ポストのまち<小平市は丸ポストのまち> 小平が誇りとする木彫家平櫛田中像<小平が誇りとする木彫家平櫛田中像>

市役所の敷地内には基準点が明示されています。基準点とは地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された電子基準点、三角点、水準点等から構成されており、地図作成、測量、工事などの基準となるものです。

市役所敷地内にある基準点<市役所敷地内にある基準点>

ラビング散歩 行政と文化の集積地

市役所を離れて更に歩くと小平市の行政機関の集積地があります。
ここには小平市福祉会館(集会室およびホール完備/小平市社会福祉協議会/こだいら就職情報室/こだいらボランティアセンター)があり、小平市健康センター、小平市健康福祉事務センター、そして踏切を渡ると小平市立中央図書館、小平市中央公民館があります。まさに行政と文化の集まるところと言えます。

小平市福祉会館
<小平市福祉会館>
いろいろな組織が入る小平市健康センター<いろいろな組織が入る小平市健康センター>
小平市健康福祉事務センター<小平市健康福祉事務センター> 小平市中央図書館<小平市中央図書館> 明るい図書館内<明るい図書館内>

ラビング散歩 住宅地と農地と警察署

小平市立中央図書館と小平市中央公民館を一直線に抜けてそのまま西へ進みます。このあたりまで来ると周囲は戸建やマンションが建つ住宅地。ときおり農地も混在しています。そして警察通りという道路に入ると、まず小平市商工会があり、警視庁小平警察署があります。辺りは落ち着いた街並みです。

ごく普通の住宅街が広がる

<ごく普通の住宅街が広がる>

 恒例のコインパーキング相場調査。小川町2丁目のコインパーキングは24時間最大700円。まあ妥当な線かと思います。
住宅街のコインパーキング<住宅街のコインパーキング>
小平商工会<小平商工会> 警視庁小平警察署<警視庁小平警察署> 元気な都市農業<元気な都市農業>

ラビング散歩 新小平駅の周囲

新小平駅は最初に述べたように東日本旅客鉄道(JR東日本)武蔵野線の駅です。通勤、通学、そして観光や娯楽によく利用される路線です。関東をぐるりと回るように走っているので、混み合う都心部をパスして環状線のように使えます。
新小平駅前後のエリアでは地下を走る武蔵野線ですが、駅舎と改札はいずれも地上にあります。新小平駅の改札を出るとタクシーのりばのあるロータリーがあり、周囲にはショップが並んでいます。ロータリーの周囲を見回すと、駅売店、学習塾、歯科医院、飲食店、酒場、銀行ATM、内科クリニック、処方箋薬局といろいろな店舗が並んでいます。

新小平駅
<新小平駅>
新小平駅の改札<新小平駅の改札> 駅前ロータリーを囲む商店群<駅前ロータリーを囲む商店群>

ラビング散歩 賑わうロードサイドショップ

駅前ロータリーを出て青梅街道を西に歩くと、居酒屋、コンビニエンスストアなどがあり、すぐに大きな和菓子店が見えてきます。豊富な品揃えのお菓子屋さんとして地元では人気があるとのことです。

この先を黙々と歩くと青梅街道と府中街道のクランク式交差点にたどりつきます。それを右へ折れて府中街道を東村山方面に進むとロードサイド型の店舗が続き、車中心とはいえ賑わいを感じます。
そこにはリサイクルショップ、総合ディスカウントショップ、ファミリーレストラン、家電量販店、シューズショップ、ハンバーガーショップ、24時間スポーツクラブ、すし店、紳士服ショップなどが勢ぞろいしています。その合間に自治会の広場があるのも注目でした。

人気の和菓子店
<人気の和菓子店>
自治会広場<自治会広場> 府中街道のロードサイドショップ<府中街道のロードサイドショップ>

ラビング散歩 住宅街を歩いて発見

府中街道からハンバーガーショップの角を曲がり、住宅街のせまい道に入ると静けさとともにおしゃれな一角を見つけました。隠れ家風のカフェ&ギャラリー、センスのよいフラワーショップ、個性的な本を集めた書店など、とても魅力的なエリアでした。

隠れ家風ギャラリー&カフェ
<隠れ家風ギャラリー&カフェ>
小さいながらセンスが光る花店と書店<小さいながらセンスが光る花店と書店>

ラビング散歩 第六小学校通り

知らない住宅街の知らない道をアドリブで歩いていくと、小平市立小平第六小学校の校庭近くに出ました。
そこから今度は六小通りという道を東へ歩いてみます。途中にブリヂストン南グラウンドという緑の多い敷地があり、ここは災害時のいっとき避難場所になっています。

第六小学校とブリヂストンの緑地
<第六小学校とブリヂストンの緑地>

その先に黄色く塗装されたお店がありました。よく見るとBAKERY OUTLETと書かれています。その背後に見えるのは有名な第一屋製パンの本社と工場でした。そう、ここでは工場直売のパンが売られているのでした。焼きたてパンの美味しさは格別と地元のファンが言っていました。

パン工場直営のベーカリーアウトレット

<パン工場直営のベーカリーアウトレット>

次に見つけたのは小平市リサイクルセンターです。ここは小平市内で資源として出されたビン、カン、電池、蛍光管、古布、木材などを選別や圧縮で中間処理し、リサイクル業者に引き渡す施設。さすがに環境への配慮が徹底していて、以下のような工夫がされています。
・環境資材の使用 ・太陽光の利用 ・雨水の利用 ・屋上緑化 ・照明のLED化

小平市リサイクルセンター<小平市リサイクルセンター>

ラビング散歩 日常の買物や外食を楽しむ

六小通りから萩山通りに突き当たると、そこにはスーパーマーケットがありました。売場には食品を中心とした日常生活の必要品が並んでいます。地域住民には欠かせない存在だと思います。

スーパーマーケット
<スーパーマーケット>

萩山通りを歩いて青梅街道駅の西側に出ました。この付近にはベーカリーレストラン、定食チェーン店、珈琲ショップチェーン店が営業しています。ゆったりとランチやディナーをとりたい人には最適です。
ベーカリーレストラン<ベーカリーレストラン>

ラビング散歩 青梅街道駅&新青梅街道駅まとめ

青梅街道駅の近くでインパクトがあったのは、やはり農産物直売所ムーちゃん広場です。地元の農家が収穫した野菜や果物をすぐに店頭に並べてくれるのが魅力的でした。そして行政組織が集積している小平市役所の近くに立派な図書館があるのも感動しました。

一方の新小平駅周辺はところどころに身近な商店があるのと、府中街道沿いのロードサイドショップが印象的でした。もっと時間をかけて歩けば住宅街に小さなお店が潜んでいるような気がしました。
最後になりましたが西武多摩湖線の単線を走る電車と青梅街道駅の駅舎が本当に郷愁を感じさせてくれました。

 

取材・文・写真 イワタハルユキ

 


A:青梅街道駅 B:ムーちゃん広場 C:小平市役所
D:小平市健康センター E:小平警察署 F:新小平駅 G:BAKERY OUTLET
H:小平リサイクルセンター I:スーパーTAIRAYA  J:青梅街道駅

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

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