ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「国立」駅編

ラビング散歩 快適に整備された学園都市、国立。高級感ある住宅&マンションエリアが背景に。

イワタハルユキ住みたい街ランキングでいつも上位に登場する学園都市の国立(くにたち)。かつて箱根都市開発株式会社(現在のコクド)が開発し、東京商科大学(現在の一橋大学)を中心とする新しい学園都市が誕生しました。それに呼応して鉄道省が大正15年(1926)に中央線国立駅を新設。当時中央線の隣駅だった国分寺の「国」と立川の「立」をピックアップして「国立」という駅名に決めたのは有名な話です(現在上り方面の隣駅「西国分寺」は昭和48年1973に新設されたもの)。現在は広い道路と豊富な緑が印象的な郊外都市になりました。今回のラビング散歩は国立駅周辺を歩いてみます。

国立駅南口<国立駅南口>  南口北口共通の中央改札<南口北口共通の中央改札>
 

ラビング散歩 国立駅と三角屋根の旧駅舎

国立駅のホームは明るく見通しの利く一直線。オレンジ色の中央線が立体化された鉄路に映えます。駅舎の南口と北口に通じる中央改札の横にはみどりの窓口があり、平日でも多くの人が利用していました。南口を出ると三角屋根の国立駅旧駅舎が保存されていて、内部は街の魅力発信スペース、イベントスペース、休憩所として利用されています。また2020年には市内有志団体からストリートピアノが寄贈され、音楽イベントで使用されるとともに、空いているときは誰でも自由に弾けるようになりました。

JR中央線<JR中央線> 南口に保存されている旧駅舎<南口に保存されている旧駅舎>
 

ラビング散歩 駅構内で便利にショッピング

中央線の駅はどこも駅ビルや駅ナカが充実していますが、国立駅はショッピングセンターnonowaに直結。ここにはファッション、雑貨、フーズ、レストラン&カフェ、サービス他が揃い、活気があると同時に国立らしいおしゃれ感が満載です。Nonowaには中央改札を出て正面から入りますが、駅構内にも専用改札があります(nonowa専用改札はICカード限定)。一般的に駅ビルは上層階に伸びることが多いですが、nonowa国立は線路下スペースを利用した東西に伸びる商業施設。外観を眺めるとその長さに驚かされます。

国立駅のショッピングセンター<国立駅のショッピングセンター> ICカード専用改札で駅とnonowaが直結<ICカード専用改札で駅とnonowaが直結>
北側から見たnonowaの外観<北側から見たnonowaの外観> 明るい食品売場<明るい食品売場>
 

ラビング散歩 シェアサイクル利用可

国立駅改札近くにシェアサイクルの広報スペースがありました。シェアサイクルはアプリやウェブでアカウントを作り、自転車を利用したい場所に近いステーションを検索/予約し、必要なときに都合のよいステーションで借りたり返したりできる仕組みです。料金は東京都の場合30分まで130円、延長15分毎100円、12時間まで1,800円。支払いは登録したICカードを利用すると便利です。ステーションは「国立駅高架下」をはじめ公民館、図書館、コンビニなど市内各所(2020年8月現在45か所)に設置されています。また他の市区町村でもステーションがあればボーダーレスで利用できます。

シェアサイクルの広報コーナー
<シェアサイクルの広報コーナー>

 【南口が起点の路線バス】
国立駅は南口と北口に路線バスのりば(立川バスと京王バスが運行)があります。ここではまず南口のバスのりばの行先をご紹介します。

南口のりば(1)

立川駅北口行き

立川駅南口行き(音高経由)

国立操車場行き(音高経由)

矢川駅行き(音高経由)

国立操車場行き(音高・国立泉団地経由)

郵政循環行き

国立泉団地行き(音高経由)

コミュニティバスくにっこ(北西中ルート)

 

南口のりば(2)

※南口のりば2は欠番です(令和4年8月現在)

 

南口のりば(3)

府中駅行き

聖蹟桜ヶ丘駅行き

 

南口のりば(4)

国立操車場行き(国立泉団地経由)

国立操車場行き

矢川駅行き

谷保駅行き

国立泉団地行き

 

南口のりば(5)

府中駅行き(東芝前経由)

府中駅行き(総合医療センター・東芝前経由)

府中営業所行き(東芝前経由)

 

南口のりば(6)

矢川駅行き

国立循環(旭通り先回り)

国立循環(音高先回り)

国立東循環

国立西循環

立川駅南口行き

高速バス 羽田空港行き

 

南口バスのりば
<南口バスのりば>
国立市のコミュニティバスくにっこ<国立市のコミュニティバスくにっこ>
 

ラビング散歩 多摩信用金庫国立支店から商店街歩き

東京都多摩地域を中心に展開する多摩信用金庫。国立駅南口には威風堂々とした国立支店があります。ここは信金窓口だけでなく、すまいるプラザ国立(相談スペース)、たましん歴史・美術館(多摩地域に関連する歴史や美術の展示)も併設しています。年に数回行われるたましん収蔵の絵画、陶磁器、浮世絵、写真等の企画展も好評です。

国立駅南口ロータリーは中央に植栽があり、道路は放射状に広がっています。南西に向かうのが富士見通り、中央がメインストリートの大学通り、南東に向かうのが旭通りです。ロータリーには警視庁小金井警察署国立駅前交番があります。

まず富士見通りを歩いてみると、すぐにスーパーマーケットの西友国立店があり、その周囲の路地には個性的なお店が沢山集まっています。飲食店はもちろんのこと、雑貨店、カフェ、ギャラリー、ブティックなどがあり、楽しく歩けます。そのまま富士見通りを進みます。

多摩信用金庫国立支店<多摩信用金庫国立支店> 富士見通り<富士見通り>

 コインパーキングの料金を数か所で確認したところ、15分~20分200円、すなわち1時間600円~800円が相場でした。ただし路地を入ったところでは20分100円、1時間300円とリーズナブルで、24時間最大1,000円が相場でした。

富士見通りに面した駐車場
<富士見通りに面した駐車場>
 国立駅南口から富士見通りの商店街を歩くと、思わず入ってしまいそうになるお店がいくつかありました。近くに住んでいる人がうらやましくなります。
餃子専門店<餃子専門店>
国立市公民館近くまで来て道路を1本入ると、景観は高級住宅街になります。広い敷地で、庭に樹木が植えられ、車庫にはシャッターがついているような立派な家が見られます。
典型的な国立の住宅街<典型的な国立の住宅街> 国立市公民館<国立市公民館>
国立公民館の交差点を南へ曲がり、こんもりとした緑に魅かれ、そちらへ向かいます。緑地は一橋大学の敷地にある雑木林でした。
一橋大学の敷地に沿って大学通りをめざす<一橋大学の敷地に沿って大学通りをめざす>

ラビング散歩 大学通りウオッチング

しばらく歩くと国立駅と谷保駅を結ぶメインストリートの大学通りに出ました。この道路は車両片側2車線、歩車分離の歩道を合わせると合計6レーンのゆとりがあります。沿道には個性的なお店が点在し、宝探しをするような気分で散策できます。桜が咲く頃になると多くの人がお花見散歩を楽しみます。

大学通り<大学通り> 一橋大学<一橋大学> 趣味の雑貨店<趣味の雑貨店>
 大学通りには国立メディカルモールという医療施設があり、歯科、内科、整形外科などが揃っています。1階は国立駅前郵便局です。
メディカルビル
<メディカルビル>

高級スーパーマーケットとして知られる紀伊国屋も大学通りにあります。お値段は少し張りますが、一般のスーパーでは手に入らない商品が買えます。売場には輸入品、国産品を問わず、魅力のブランドが並んでいます。

高級感のある紀伊国屋<高級感のある紀伊国屋>

かと思うと、庶民的な買物もできるのが国立の面白さです。チェーン店でありながらいつも行列ができているたこ焼き店も、まちの顔のひとつです。

行列ができるたこ焼き店
<行列ができるたこ焼き店>

ラビング散歩 旭通りは身近な生活道路

大学通りを横切って東へ歩くと旭通りに出ます。この道路も商店街ですが、まず目についたのが国立さくら病院。「こくりつ」ではなく「くにたち」なのでお間違いなく。地元で頼りになる救急病院です。診療科目は内科、泌尿器科、眼科、整形外科、形成外科、小児科(満1歳~)、皮膚科、循環器内科、消化器内科、血液透析科です。

国立さくら病院<国立さくら病院>
 旭通りにあった古本屋さん。本をモノとして扱う大手古書チェーンとは違い、文化的な雰囲気を感じさせるお店でした。古書店は文教都市の国立ならではの存在だと思います。
学生街らしく古本屋も健在
<学生街らしく古本屋も健在>
先ほど大学通りの郵便局を紹介しましたが旭通りにもありました。こちらは国立旭通郵便局。郵便局が近くにあると便利です。
身近な郵便局
<身近な郵便局>

ラビング散歩 国立駅北口はマンション、オフィスビル、住宅エリア

国立駅を横断して南口から北口に移動しました。こちらもきれいなロータリーで、バスターミナルが配置されています。周囲はマンションやオフィスビルが多く、南口と比べると落ち着いたクールな雰囲気です。

国立駅北口<国立駅北口> 北口近くはマンションエリア<北口近くはマンションエリア>

【北口が起点の路線バス】

北口バスターミナルから発車する路線バスの行先をご紹介します。

 

北口のりば(1)

弁天通り折返場行き

玉川上水駅南口行き

 

北口のりば(2)

戸倉循環(稲荷神社先回り)

上水営業所行き(稲荷神社経由)

 

北口のりば(3)

東京創価小学校循環

東京創価小学校行き

並木町二丁目行き

コミュニティバスくにっこ(北ルート)

 

北口のりば(4)

戸倉循環(日吉町先回り)

上水営業所行き(日吉町経由)

 

北口のりば(5)

けやき台団地行き

ラビング散歩 新旧店舗が混在する北口周辺

北口を見回すとビル街が印象に残りますが、よく見ると建物の中にお店が隠れていることに気づきます。例えばコメダ珈琲店は、外から見えるのは看板だけで、店内はビルに踏み込まないと見えません。隣接するスーパーマーケットの三浦屋も同様です。入口はおとなしく、派手なアピールはありません。そのせいか上品な印象を受けます。ここにも「国立らしさ」が追求されています。

ロータリーに面したコメダ珈琲店<ロータリーに面したコメダ珈琲店>
三浦屋は産地や品質にこだわるスーパーマーケットとして知られ、日々の食材、惣菜などが人気を集めています。
高級スーパーマーケットの三浦屋<高級スーパーマーケットの三浦屋>
高級感のあるお店ばかりではありません。光町通りを北へ向かうと路地裏に光ショッピングセンターがあります。庶民的な商店街があるとほっとします。ところで実はこのあたり国立駅周辺とはいいながら、住所は国分寺市です。ですから交番の管轄も警視庁小金井警察署(南口の交番は立川警察署)。国立駅は国立市と国分寺市の境界近くにあるのでした。
小金井警察署光町交番<昔ながらの光ショッピングセンター> 小金井警察署光町交番<小金井警察署光町交番>

ラビング散歩 鉄道総研と新幹線資料館

光ショッピングセンターから西に歩くと、鉄道総研に突き当たります。正式名称は公益財団法人鉄道総合技術研究所。鉄道の未来を創る研究開発に取り組む組織です。昭和61年(1986)に設立され、日本国有鉄道の分割・民営化に伴い、研究に関する業務を承継しました。鉄道総研には入れませんが、向かいにある新幹線資料館は無料で見学できます。入館は午前9時から午後5時まで、毎月第2・第4月曜日(祝日の場合はその翌日)は休館です。新幹線資料館は小規模な展示ですが、新幹線の運転席に座ることができるので、鉄道ファンには人気があります。

鉄道総研<鉄道総研> 新幹線資料館<新幹線資料館>

鉄道総研から線路沿いの道を歩いて国立駅北口まで戻り、そろそろ脚が棒になってきたのでラビング散歩を締め括ります。南北を往来する道路(以前は車がギリギリですれ違う狭いガード下だった)を感慨深く眺めて帰路につきます。

国立駅の南と北を結ぶ道路<国立駅の南と北を結ぶ道路>

ラビング散歩 国立駅周辺まとめ

国立は一橋大学を中心とする学園都市で、国立駅南口は大学通りと商店街が見どころ。北口はマンション、オフィスビル、住宅エリア。いずれも路線バスが充実していて便利です。駅にはショッピングセンターnonowa、南口には紀伊国屋と西友、北口には三浦屋があり、個性を楽しみながら買物ができます。南口の商店街には魅力的な個人商店が点在。国立駅周辺の散歩では南口と北口の表情の違いを楽しむとともに、生活の利便性を実感しました。これからも学園都市として着実に成長してほしいと思います。

 

(取材・文・写真/イワタハルユキ)

 


A:国立駅南口 B:多摩信用金庫 C:国立市公民館 D:一橋大学
E:国立メディカルモール F:紀伊国屋 G:国立さくら病院
H:国立旭通郵便局 I:三浦屋 J:新幹線資料館

 

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

ページトップへ