ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「武蔵小金井」駅編

ラビング散歩 武蔵小金井駅周辺の商業施設は何でもそろう暮らしのステーション

イワタハルユキ武蔵小金井駅(むさしこがねいえき)はJR中央線の駅で、東京都小金井市本町に位置します。駅の歴史は古く、最初は大正13年(1924)4月に地元名物の桜を鑑賞するため鉄道省が仮乗降場として開業しました。そして2年後の大正15年(1926)に正式な停車場となり、武蔵小金井駅が誕生しました。すでに約100年の歴史を持っていることになります。現在、駅前は商業地として賑わい、しばらく歩くと閑静な住宅街となっています。少し遠いですが小金井公園や野川公園では春になると駅誕生のきっかけとなった桜が咲き誇ります。では駅の近くを散策してみましょう。

武蔵小金井駅の改札口
<武蔵小金井駅の改札口>
駅直結の商業施設nonowa<駅直結の商業施設nonowa>

ラビング散歩 駅前広場をひとまわり

武蔵小金井駅とその周辺はきれいに整備されています。これは中央線の高架化に合わせて駅と周辺が再開発されたためです。当地の中央線は平成19年(2007)に下り線、平成21年(2009)に上り線が高架化され、駅前にあった通称「あかずの踏切」も立体交差になりました。これ以来、小金井街道は人も車も安全で円滑な通行ができるようになり、住民の交通利便性は非常に高まりました。では、まず南口の駅前広場をぐるりと回ってみましょう。

武蔵小金井駅南口
<武蔵小金井駅南口>
中央線と小金井街道の立体交差<中央線と小金井街道の立体交差>

小金井街道に面した南口はきれいに整備されています。駅を出て右へ向かうとまずアクウェルモールという商業ビルがあります。外から見るとマクドナルド、フジカワフォトサービス、和菓子の亀屋本店などが見えますが、奥に入ると主に飲食店街になっていますが、歯科クリニックもあるなどジャンルにこだわらない商業ビルです。隣接のスーパー三浦屋にも直結しています。

アクウェルモール
<アクウェルモール>

その先には宮地楽器ホールがあります。これは小金井市が所有するホールですが、ネーミングライツで地元の楽器店が命名権を獲得しています。交通至便な駅前のホールとしてコンサートやイベントなどに大いに活用されています。

宮地楽器ホールのロビー
<宮地楽器ホールのロビー>

宮地楽器ホールの隣には駅ビルと同じくnonowaがありました。ガラス張りの明るいお店で気持ちよく買い物ができ、1階にはスーパーマーケットの成城石井が入っています。2階のベーカリーカフェもイートインが人気です。

駅前広場にもnonowaあり
<駅前広場にもnonowaあり>

ラビング散歩 南口発着の路線バス

武蔵小金井駅は路線バスの発着が充実しています。南口からは南方面へ向かう路線が集約されています。ここでは行先をご紹介しておきます。

 のりば① 
府中駅行き(浅間町・一本木経由)
府中駅行き(浅間町・学園通り経由)
府中営業所(浅間町・学園通り経由)

のりば②③休止中

のりば④ 
武蔵境行き
西久保循環
羽田空港行き

のりば⑤ 
東府中駅行き
武蔵境駅南口行き

のりば⑥ 
多磨町行き
多磨霊園駅行き
調布駅北口行き

のりば⓪ 
CoCoバス 
貫井・前原循環
同 中町循環
同 野川・七軒屋循環

のりば⑥の路線バス
<のりば⑥の路線バス>
駅前広場の一角には警視庁小金井警察署武蔵小金井駅前交番があります。世間では犯罪が増加しつつあり、何かと物騒なご時勢ですので、少しでも犯罪の抑止力になってほしいと思います。
武蔵小金井駅前交番
<武蔵小金井駅前交番>

ラビング散歩 高層マンションを背景に商業施設が集積

駅前広場から西に移動するとイトーヨーカ堂武蔵小金井店があります。ここはスケールの大きなグランドスーパーで高度成長期を思い浮かべます。衣・食・住のすべてを豊富に取り揃え、ワンストップショッピングを推奨する、そんな大型店が現存していることは地域にとって楽しく便利なことだと思います。

イトーヨーカドー武蔵小金井店
<イトーヨーカドー武蔵小金井店>

複合ビルの武蔵小金井シティクロスにも注目。そこに融合したSoCoLAには、郵便局、フードウェイ、ローソン、ノジマ、H&M、セリアなどがテナントとして入っています。気軽に買物ができるリーズナブルなお店と高級感のあるおしゃれなお店が混在しているのが南口エリアの特徴といえます。

複合ビル武蔵小金井シティクロス
<複合ビル武蔵小金井シティクロス>
気軽に楽しめるSoCoLA<気軽に楽しめるSoCoLA> おしゃれ感あふれる食のフードウェイ<おしゃれ感あふれる食のフードウェイ>

ラビング散歩 小金井街道を南へ

武蔵小金井駅南口の周辺をひと通り眺めて満足したら、次は小金井街道に沿って南へ歩いてみましょう。すぐに農工大通りという道路が見つかります。この先の東小金井方面に東京農工大学があります。この道路は商店が点在する落ち着いた雰囲気で、目立ったのは小金井太陽病院があること。診療科目は脳神経外科、内科、外科、リハビリテーション科、その他(予防接種、健康診断、人工透析など)と本格的な病院です。地域で暮らす人々にとって内科と外科がある医療機関は頼りになります。

農工大通り
<農工大通り>
小金井太陽病院<小金井太陽病院>

東小金井駅に向かう農工大通りにはあまり深入りせず、小金井街道に戻ります。この街道沿いには個人商店が集まった旧商店街の名残があります。何かと興味をそそられるお店も多々ありました。「前原坂上」という交差点に立つと、ここで駅前は終わりという感覚になります。ここから先は人々が暮らす住宅街です。

面白そうなお店もチラホラ
<面白そうなお店もチラホラ>
お地蔵様の井戸<お地蔵様の井戸> 前原坂上交差点<前原坂上交差点>

小金井街道を直進し、すぐ分岐して小さな坂道を下りて行くと、金蔵院というお寺があります。ここは真言宗豊山派のお寺で本尊は十一面観音とのこと。境内には白萩が多く植えられており、秋になると見事に咲き乱れることで有名です。地元の人々は「萩寺」と呼んでいるそうです。

金蔵院
<金蔵院>

金蔵院から西に向かうと、すぐに雲龍山西念寺。ここは浄土真宗本願寺派のお寺で本尊は阿弥陀如来です。

西念寺
<西念寺>

さらに先に歩いて小金井街道のガードをくぐると幡随院があります。ここは神田山新知恩寺と称する浄土宗系の単立寺院です。ラビング散歩で訪れたときは「山門不幸」の掲示があり、門も閉ざされていました。ご冥福をお祈りします。

幡随院
<幡随院>

小金井市の住宅街でも駐車場料金を調べてみました。このあたりでは24時間最大800円が相場のようです。ここから駅に近づくと1200円、1800円という具合に上昇して行きます。

住宅街のコインパーキング<住宅街のコインパーキング> 坂道の路地<坂道の路地>

ラビング散歩 滄浪泉園をめざす

あてもなく歩いていると高台に緑が見えました。おそらく滄浪泉園につながる緑地帯だろうと思い坂道の路地を上ることにしました。このあたりは古代多摩川が流れていた河岸段丘、いわゆる「ハケの道」でもあり、悠久の自然を感じることができます。そして坂道を上りきった所には有名なフレンチレストランTERAKOYAがあるのでした。その向かいにあるのが小金井市役所です。

TERAKOYA<TERAKOYA> 小金井市役所<小金井市役所>
市役所の先にある学校は、東京都立多摩科学技術高等学校と東京都立小金井工業高等学校です。登下校の時間には生徒たちの元気な姿が見られるそうです。
小金井工業高校
<小金井工業高校>
歩いていて偶然見つけたのですが、公益財団法人正派邦楽会館という建物がありました。邦楽の拠点であり、ホールでコンサートも開催できるそうです。
正派邦楽会館
<正派邦楽会館>

ラビング散歩 滄浪泉園(そうろうせんえん)

滄浪泉園は実業家であり政治家でもあった波多野承五郎の別荘庭園で、古代の河岸段丘であるハケと清らかな湧水を見事に取り入れています。現在は小金井市の管理のもと緑地保全地区に指定され、有料(15歳以上100円、6歳以上15歳未満および60歳以上50円、心身障がい者およびその付添人50円)で一般公開されています。清流と緑地が美しく調和していました。

滄浪泉園入口<滄浪泉園入口> 水と緑の庭園に誘われる<水と緑の庭園に誘われる>

滄浪泉園でしばらく静かに過ごしたあと、武蔵小金井駅をめざして歩いていると、東京消防庁小金井消防署がありました。赤い消防車が待機している姿を見ると、感謝の念と安心感に包まれます。とにかく火の用心!と防災の気持ちを新たにしました。

小金井消防署
<小金井消防署>

この後、賑わう南口広場を通り抜けて北口へ。こちらは再開発の計画があるものの模様替えの最中という印象で、以前の繁華街の風情がところどころに残っています。駅と高架は南口と同じスタイルなのですが、駅前の商店や飲食店が独特の存在感を醸しています。

武蔵小金井駅北口
<武蔵小金井駅北口>

ラビング散歩 武蔵小金井駅北口発着の路線バス

北口も路線バスの発着が充実しています。ほとんどが北に向かう路線で、西武新宿線との連絡などに利用されています。行先を書いておきます。

のりば① 
花小金井駅南口行き
小平駅南口行き(昭和病院経由)
小平駅南口行き(日立国際電気前経由)
小平営業所行き
日立国際電気前行き

のりば② 
東久留米駅西口行き(御成橋経由)
清瀬駅南口行き(前沢宿経由)

のりば③ 
東久留米駅西口行き(錦城高校前経由)
滝山営業所行き(花小金井駅入口経由)
久留米西団地行き

のりば④ 
三鷹駅行き

のりば⑤ 
小平団地行き(学芸大正門・警察学校経由)
国分寺駅北口行き(学芸大正門・早稲田実業高校経由)

のりば⑥ 
中大循環(学芸大東門・中大付属高校)

のりば⓪ 
CoCoバス北東部循環

ラビング散歩 繁華街の名残

武蔵小金井駅の北口エリアはかつて酒や食事を楽しむ飲食街であり繁華街でした。今はもう撤退した西友や長崎屋が買物客を呼び、通勤客も多く、周囲に小さなお店がギシギシと林立していました。カラオケスナックが流行していた昭和のイメージです。今回、北口エリアを歩いてみて、種々雑多とした街や雑居ビルに懐かしい愛着のようなものを感じました。最近はおしゃれなショッピングモールが目立ちますが、こうした雑居ビルも日々の暮らしでは捨てがたいと思うのでした。

雑然とした自転車置場<雑然とした自転車置場> 繁華街の存在感<繁華街の存在感> 雑居ビルも昭和テイスト<雑居ビルも昭和テイスト>

ラビング散歩 小金井街道を北上してみる

駅前に都市銀行があるのは、あたりまえのようでいて貴重なことなのだと思う今日この頃。武蔵小金井駅北口には三菱UFJ銀行とみずほ銀行が向かい合って営業しています。

三菱UFJ銀行とみずほ銀行
<三菱UFJ銀行とみずほ銀行>
小金井街道に沿って歩くと大手チェーン店の合間に個性的な個人商店があったりします。また健康維持に欠かせない運動施設も見つかります。種々雑多というのはネガティブな言葉ではありません。むしろ多彩な楽しみの発見があるのではないでしょうか。いま歩いてきた武蔵小金井駅の南口と北口には全く違う魅力があるように思いました。
さりげなく営業するスポーツクラブ
<さりげなく営業するスポーツクラブ>

ラビング散歩 武蔵小金井駅周辺まとめ

再開発できれいに整備され、明るく賑やかな印象の南口エリア。商店、スーパーマーケット、飲食店などが集まり、人々の暮らしを支えています。武蔵小金井駅周辺は必要なものが何でも揃う利便性の高い街になりました。また南口には滄浪泉園をはじめとした緑地も多く、人と自然が溶け合った街という印象です。そして北口については今後どう生まれ変わるのか興味津々です。かつての繁華街の名残が今もあるものの、いずれは新しく街づくりが進んでいくのだと思います。南口も北口も「元気」を感じました。

 

(取材・文・撮影 イワタハルユキ)

 


A:武蔵小金井駅 B:武蔵小金井駅前交番 C:イトーヨーカドー武蔵小金井店
D:小金井太陽病院 E:金蔵院 F:TERAKOYA G:小金井消防署 
H:滄浪泉園 I:三菱UFJ銀行とみずほ銀行 J:東急スポーツオアシス

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

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