ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「上板橋」駅編

ラビング散歩 人の暖かみを感じる商店街と緑の公園に心なごむ上板橋周辺

イワタハルユキ上板橋駅(かみいたばしえき)は東武鉄道東上本線(東武東上線)の駅です。駅番号はTJ07。橋上駅舎で、改札(1か所)を出ると右が南口、左が北口となっています。改札前にはコンビニ、書店、理容店などがあり、乗降客によく利用されています。

上板橋駅の開業は大正3年(1914)6月。戦後の昭和21年(1946)に駐留米軍「グラントハイツ」への輸送を担う東武啓志線の起点となり、昭和34年(1959)の啓志線廃止後にいまのような形になりました。

現在(令和5年初夏)、南口前はまさに開発事業がはじまるところで、将来に向けてまちの変貌が興味深いところです。下町風情の駅周辺と、快適に整備された城北中央公園一帯と板橋区平和公園周辺を歩いてみました。

<上板橋駅ホームの情景>

<上板橋駅ホームの情景>

<上板橋駅改札口>

<上板橋駅改札口>

花小金井駅の改札口01

<改札前の書店>

ラビング散歩 上板南銀座商店街

かつては上板橋駅南口を出ると酒場や飲食店が密集して賑わっていましたが、現在は「閉店しました」、「移転しました」の張り紙が目立ちます。南口では大掛かりな開発事業が行われるので近い将来建物も取り壊されることでしょう。寂しい気もしますが、将来どのような街ができるのか楽しみでもあります。

上板橋駅南口

<上板橋駅南口>

南口から川越街道方面に歩くと、懐かしい雰囲気の商店が並んでいます。ここは上板南口銀座商店街といい、生鮮三品、飲食店、ケーキ店、雑貨店など、どのお店も対面販売で話に花が咲いています。コンビニやスーパーでは味わえない買物の醍醐味があります。

上板南口銀座商店街
<上板南口銀座商店街>

ラビング散歩 川越街道を走る路線バス

商店街から川越街道に出て右手を見るとコモディイイダというスーパーマーケットがあります。その手前には「桜川」のバス停留所。この路線は国際興業バスの運用で「池袋駅東口」と「光が丘駅」を結ぶもの。上板橋駅南口付近では「桜川」で乗降します。「桜川」は板橋区の町名です。

<光が丘駅→池袋駅東口行き 桜川停留所>

<光が丘駅→池袋駅東口行き 桜川停留所>

ラビング散歩 川越街道から城北中央公園一帯へ

先程の商店街を出て池袋方面を見ると、川越街道の中央線上に通称「五本ケヤキ」が見えます。その近くのレストラン「レッドロブスター」の交差点を南に入り、途中で左に折れると大きな公園が見えてきます。ここが城北中央公園で多種多彩に整備されています。

散歩に適した緑道や都民の森をはじめ、野球場、ソフトボール場、テニスコート、ドッグラン、児童公園などがあります。特に注目したいのは板橋区立上板橋体育館です。ここには屋内プールもあり多くの市民に活用されています。

<城北中央公園><城北中央公園> 板橋区立上板橋体育館<板橋区立上板橋体育館>

城北中央公園に溶け込むような形で「御嶽神社」があります。創建年代は不詳ですが、太田道灌の江戸城築城(康正2年/1456)に際し、当地の千代田村・宝田村・祝田村が御用地とされ、居住していた宝田一族が移動するため稲荷神社を遷宮したのがはじまりとのこと。その後、栗原七軒屋の住民が武州御獄山から勧請して祀ったのが当社であると伝えられます。

<御嶽神社>

<御嶽神社>

城北中央公園一帯は地域住民だけでなく観光客も多く訪れます。このコインパーキング、平日は入庫から12時間最大600円、土・日・祝日は最大料金なしでした。

<コインパーキング相場>

<コインパーキング相場>

ラビング散歩 茂呂遺跡

城北中央公園のはずれには、知る人ぞ知る「茂呂遺跡」があります。ここは昭和26年(1951)に後の考古学者・瀧澤浩先生が中学生時代に発見した遺跡です。しかも縄文時代より古い旧石器時代を証明する初例となるものでした。特にここから出土したナイフ形石器は「茂呂型ナイフ形石器」と命名され、貴重な標識遺跡として知られています。このように身近な所に旧石器時代の遺跡があることに歴史の浪漫を感じます。

<茂呂遺跡>
<茂呂遺跡>

ラビング散歩 茂呂山通り界隈の静かな住宅街

遺跡のある毛呂山通りを少し戻って東へ進むと、板橋区立桜川小学校と同・桜川中学校が交差点をはさんで向かいあっています。どちらも城北公園に隣接した環境抜群の立地です。

桜川中学校
<桜川中学校>

川越街道に戻ろうとして静かな住宅街をあてもなく歩くと台橋通りに出ました。しばらく歩くと医療法人社団健育会竹川病院という立派な病院を見つけました。外来診療は内科・生活習慣病、皮膚科、整形外科、脳神経外科とのこと。健康診断も実施しています。また外来診療だけでなくリハビリテーション専門病院として約160床の入院設備も完備されているそうです。

竹川病院
<竹川病院>

上板橋周辺の住宅街ではときおり小さいながらも個性的なお店に出会います。散策する時は幹線道路だけでなく生活道路や路地を見つけて歩いてみることをおすすめします。

<オーダーTシャツの店>

<オーダーTシャツの店>

ラビング散歩 川越街道から七軒家通りへ

住宅街を歩いて、先ほど目印にした「五本ケヤキ」に戻ってきました。この五本ケヤキは昭和のはじめに川越街道の拡幅工事をする際、当時の上板橋村の村長・飯島彌十郎(いいじま やじゅうろう)氏が屋敷林を残すことを条件に土地を提供したことによります。5本のケヤキはそのまま残り、現在は上板橋のランドマークになっています。

五本ケヤキ
<五本ケヤキ>

川越街道は交通量が多いので車に注意。地元の人々は慣れていて交通マナーをきちんと守っているようです。沿道には先ほど紹介したコモディイイダやオーケーストアがあります。上板南口銀座商店街も含め日常の生活利便性は高得点です。

川越街道沿いのオーケーストア
<川越街道沿いのオーケーストア>

いつもなら駅に戻り、駅舎を越えて北口に行くところですが、今回は「七軒家通り」という道路で踏切を越えて駅方面に回り込むことにしました。川越街道を背に進むと、まず七軒家公園という緑地があります。こういう公園があちらこちらにあるのが板橋区の素晴らしいところだと思います。

七軒家公園
<七軒家公園>
上板橋駅西側の踏切を渡ります。写真は渡って振り返ったところ。ですからこの電車は川越・小川町方面に向かっています。最近は鉄道の高架化が普及してきたので、東武東上線もいずれは踏切解消、交通安全に取り組んでくれるに違いありません。期待しましょう。
上板橋駅西側の踏切
<上板橋駅西側の踏切>

ラビング散歩 上板橋駅北口エリア

踏切からすぐの交差点を右折して「ときわ通り」を歩くといろいろなお店が並んでいました。中華料理店、弁当のテイクアウト&デリバリー、美容院、整骨院、居酒屋、歯科など。この雑多感は魅力的です。タクシーが道路の真ん中を走っているのもナイスです。途中で右に入ると東武ストアの本社があります。
ときわ通り<ときわ通り> 東武ストア本社<東武ストア本社>

上板橋駅北口に着きました。なかなか生活感のある駅前ロータリーです。まず駅舎に密着した銀だこ酒場。もちろんたこ焼きや焼きそばだけでお酒を飲まなくても大丈夫だそうです。

駅に密着の銀だこ酒場
<駅に密着の銀だこ酒場>

ラビング散歩 王子駅に向かう路線バス

上板橋駅北口に発着する路線バスは、国際興業バスの「王子駅行き」(大和町・東十条四丁目経由)です。このバスは東武東上線とJR京浜東北線・東京メトロ南北線を結びます。

シフォンケーキの自動販売機
<上板橋駅と王子駅を結ぶ路線バス>

上板橋駅北口には星乃珈琲店が大きな看板を掲げて営業していますが、その隣には警視庁板橋警察署上板橋駅前交番があります。交番とカフェの取り合わせに思わず微笑みます。

交番とカフェが並ぶ
<交番とカフェが並ぶ>

そのすぐ近くには医療法人社団明芳会イムス記念病院が堂々たる姿を見せています。この病院の診療科目は糖尿病センター、腎不全・透析センター・内視鏡センター、睡眠呼吸障害治療、在宅訪問栄養食事指導、内科、血液内科、小児科、眼科、整形外科、泌尿器科、呼吸器外科、皮膚科です。駅から1分という立地も魅力です。

イムス記念病院
<イムス記念病院>

イムス記念病院からときわ通りに出ると、すぐにイトーヨーカドー上板橋店があります。ここはまさに大規模小売店舗で、ワンストップで食品・衣料品・日用雑貨など何でも揃いそうです。個人のお店のような濃密なコミュニケーションはありませんが、やはり豊富な品揃えは便利です。

イトーヨーカ堂
<イトーヨーカ堂>

ときわ通りをさらに東へ進むと板橋区立教育科学館です。ここでは主にプラネタリウム、科学展示室、各種教室が実施されています。

板橋区立教育科学館
<板橋区立教育科学館>

教育科学館を出て更に歩くと、また大きな公園が見えてきます。これが板橋区平和公園です。敷地内には板橋区立中央図書館があり、そこにはカフェが併設されています。水と緑のゆとりあるガーデンとともに静かに読書に集中できる環境がつくられています。

板橋区立中央図書館
<板橋区立中央図書館>
図書館併設のカフェ
<図書館併設のカフェ>

板橋区平和公園には平和を願う母子像が展示されています。作者は山形県出身の彫刻家、高橋剛氏(1921~1991)だとのことです。

図書館前の母子像
<図書館前の母子像>

先程「生活道路や路地を歩くと発見がある」ということを書きましたが、ここでもそうでした。平和公園から静かな住宅街の裏道を歩いていると、きれいなジュエリーショップを見つけたのです。高級感のあるお店だったので、店内には入りませんでしたが、しばらくショーウインドウを眺めてしまいました。とても上品なお店でした。

住宅街のジュエリーショップ
<住宅街のジュエリーショップ>

ラビング散歩 静かな住宅街を散策

路地を歩きながら道に迷いましたが、東武東上線の踏切を渡ると、いつの間にか「さくら保育園」や「上板橋第四小学校」の横を歩いていました。このまま若木通りを北に歩けば川越街道や教育科学館に戻ることができます。そろそろ脚力も限界なので上板橋駅に戻ろうと思います。

さくら保育園
<さくら保育園>

上板橋第四小学校<上板橋第四小学校> 懐古趣味の煙草店<懐古趣味の煙草店>
旧川越街道にある上板橋郵便局。ここから北上して先ほどの七軒家公園の横を通過し、上板橋駅に戻れました。実は駅に着く直前に激しい雷雨になり、しっとり濡れてしまいました。いつもラビング散歩は雨の降らない日を狙って実行するのですが、午前は晴れ、午後は雷雨というのは初めての経験でした。
上板橋郵便局
<上板橋郵便局>

ラビング散歩 上板橋まとめ

上板橋周辺は緑地公園の整備に力を入れているようで、城北中央公園、平和公園、七軒家公園などの緑環境に魅了されました。また、安さと同時に人と人の会話が弾む上板南口銀座商店街も魅力的でした。

ある衣料品店でパジャマを600円代で奨められたのには驚きました。なお、記事には特に書きませんでしたが学校や塾が多い印象を持ちました。教育や文化にコミットメントしている地域のようです。今回も楽しいラビング散歩でした。

(取材・文・撮影 イワタハルユキ)

 
A:上板橋駅南口 B:城北中央公園 C:茂呂遺跡
D:竹川病院 E:五本ケヤキ F:七軒家公園
G:星野珈琲 H:板橋区立中央図書館 I:上板橋第四小学校 J:上板橋郵便局

 

 

 

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

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