ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「小平駅周辺」編

ラビング散歩 小平市の北西に位置する小平駅周辺は、緑が多く住み心地のよい住宅街。

イワタハルユキ小平(こだいら)駅は西武新宿線と西武拝島線の駅。西武新宿と本川越を結ぶ西武新宿線は都心と郊外を結ぶ東西交通の基幹路線です。また西武拝島線は小平で分岐して拝島駅でJR青梅線、八高線、五日市線に連絡します。いずれも通勤、通学、日常の移動に多くの人が利用しています。小平駅は地味ながら東京都多摩地区の要衝といえる駅でしょう。今回は小平駅周辺を歩いてみます。

明るい小平駅の改札<明るい小平駅の改札> 
 

ラビング散歩 改札前の駅そばが好評

 小平駅でまず取り上げたいのが駅そばです。かつて駅そばはいわゆる立ち食いそばが多く、「早い、安い、味は普通」が当たり前でした。しかし最近の駅そばはカウンター席やテーブル席に座ることができ、おいしいメニューを落ち着いて食べられるお店が増えています。次の電車に乗るというような急ぎの時には向きませんが、高齢社会になったせいか、のんびり食事をする方も多いように思います。小平駅の改札前にある越後そばも、茹で上げまでに少々時間は掛かりますが、おいしいそばが食べられます。

改札前にある座れる駅そば<改札前にある座れる駅そば>
 

ラビング散歩 南口にも北口にもエレベーター完備

高齢者や障がい者が安心して出掛けるためには、駅舎のエレベーターが必要不可欠です。最近は「駅にエレベーター」が当然になりましたが、小平駅も南口、北口のそれぞれにエレベーターが設置されています。

小平駅北口のエスカレーター<小平駅北口のエスカレーター>
 

ラビング散歩 小平駅の概要

小平駅が開設されたのは昭和2年(1927)のこと。まもなく100周年を迎えることになります。昭和23年(1948)には小平霊園が開園、それ以降、春と秋のお彼岸の混雑は地元の風物詩になっています。昭和43年(1968)には橋上駅舎が完成し、現在の駅舎の基本形が出来上がりました。その後、自動改札機やエレベーターを導入し、駅舎内の全面改修なども経て、現在に至ります。駅南口は広々としたロータリー広場になっていて、商店やスーパーマーケットが元気に営業しています。北口は再開発の計画がありますが、今は変わらず霊園と石材店の風景です。

小平駅南口の外観<小平駅南口の外観> 小平駅南口ロータリー<小平駅南口ロータリー> 南口ロータリーの花壇<南口ロータリーの花壇>

 小平は日本におけるブルーベリー発祥の地で、それをモチーフにしたキャラクター「ぶるべー」がイベント等で活躍しています。また小平にはJリーグFC東京の練習グランドがあり、熱心なサポーターが集まりますが、その象徴がキャラクターの「東京ドロンパ」です。

左がぶるべー、右が東京ドロンパ<左がぶるべー、右が東京ドロンパ>
 

ラビング散歩 小平駅南口の商店とスーパーマーケット

小平駅南口には交番、公衆トイレ、自転車駐輪場が配置されています。駅前ロータリーをぐるりと歩いてみると、ビル陰に意外と商店が多いことに気づきます。スーパーマーケットの西友小平店、小平駅前ショッピングセンター、グリーンプラザなどがあり、そこには多くのテナントが入って営業していました。駅の利用者や地元住民の買い物スポットとして、特に平日夕方や週末は賑わいを見せています。

食品、日用雑貨、衣料品が揃う西友小平店<食品、日用雑貨、衣料品が揃う西友小平店> 小平駅前ショッピングセンター<小平駅前ショッピングセンター> 珈琲専門店、美容院、歯科などがあるグリーンプラザ<珈琲専門店、美容院、歯科などがあるグリーンプラザ>
 

ラビング散歩 南口は路線バスが充実

「小平駅南口」という停留所からは西武バスの武蔵小金井駅行き、国分寺駅北入口行き、小平営業所行きの路線バスが走っています。いずれも西武新宿線とJR中央線を結ぶ路線で、沿線住民の身近な足となっています。またすぐ隣にある「小平駅前」という停留所には花小金井駅北口と青梅車庫を往復する都営バスが停車します。そして住民の身近な足になっているコミュニティバス(銀河鉄道)も利用できます。

■停留所名「小平駅南口」
のりば『西武バス1』
武蔵小金井駅行き(日立国際電気前経由)
武蔵小金井駅行き(昭和病院経由)

のりば『西武バス2』
国分寺駅北入口行き(学園東町経由)
国分寺駅北入口行き(松ヶ丘住宅入口経由)
小平営業所(JR新小平駅経由)

■停留所名「小平駅前」
都バス 青梅車庫前方面(箱根ヶ崎経由)
都バス 花小金井駅北口方面

 ■停留所名「小平駅南口」
コミュニティバス銀河鉄道(市内循環)

便利な路線バス<便利な路線バス>
 

ラビング散歩 小平駅南口の金融機関

最近は銀行など金融機関が支店を閉じる傾向にあります。その替わりに設置されるのがATMです。店舗がなくてもATMがあれば取り敢えず利用者は助かります。小平駅南口には、りそな銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行のATMがあります。年金支払日には行列ができるようですが、普段は快適に使えます。

ロータリーに面したATM<ロータリーに面したATM> 信号を渡ったところにもATM<信号を渡ったところにもATM>
 

ラビング散歩 ルネこだいらとあかしあ通り

小平駅南口には地元の人々から信仰を集める稲荷神社が鎮座しています。この先の交差点を起点にするのがメインストリートの「あかしあ通り」。小平から国分寺まで一直線に続く道路です。沿道にはあかしあ(正式名称ニセアカシア)が植栽され、春には柔らかい緑色、初夏には白い花を咲かせ芳香を放ちます。

ロータリーの南にある稲荷神社<ロータリーの南にある稲荷神社>
 小平駅を背にして広い歩道を歩きます。右手にはルネセブン商店街、左手にはあかしあ通り。すぐにルネこだいら(小平市民文化会館)に到着します。ここは大ホール、中ホール、レセプションホール、展示室、会議室、和室などを備えた施設です。市民利用はもちろんのこと、コンサートや講演会などの自主企画も実施されています。建物の高層階は公団と都営の住宅になっています。ルネこだいらの前には日本一大きな郵便ポストがあり、今も実際に使われています。
ルネセブン商店街<ルネセブン商店街> 日本一の丸ポストは高さ2m77cm<ルネこだいら> 日本一の丸ポストは高さ2m77cm<日本一の丸ポストは高さ2m77cm>

ルネこだいらからあかしあ通りの向かい側を見ると青梅信用金庫小平支店があります。ここは有人店舗で安心感があります。地元では「あおしん」と呼ばれて親しまれています。

あおしんは有人店舗<あおしんは有人店舗>
 

ラビング散歩 歩行者自転車道とルネウエストロード

ルネこだいらを後にして稲荷神社に戻り、西を見ると歩行者と自転車の専用道路があります。以前、八坂駅周辺をレポートした時にも紹介しましたが、この道路の地下には大きな水道管が埋められており、村山貯水池(多摩湖)から武蔵境浄水場までの水路となっています。古くからの住民は「水路」とか「水道道路」と呼びますが、若い人は「歩行者自転車道」「サイクリングロード」あるいは小平市特有の名で「グリーンロード」と呼ぶようです。

南口から西へ向かう歩行者自転車道<南口から西へ向かう歩行者自転車道>
その歩行者自転車道と交差するあかしあ通り西側の道には商店街の「ルネウエストロード」があります。ここはあかしあ通りが出来る前のメインストリートで、昔はバスが走っていました。現在はマンションが建ち並ぶ静かな街になっています。面白いのはところどころに昔からの商店が残っていることで、生活には意外と便利なエリアです。
昔ながらの<昔ながらの手巻寿司&和菓子店> 食品スーパーあまいけ><食品スーパーあまいけ> 周辺の相場は24時間1,000円前後<周辺の相場は24時間1,000円前後>
 

ラビング散歩 小平グリーンロードとあじさい公園

今度は小平駅南口を背にして左方向に歩いてみます。ここには先ほどの歩行者自転車道を花と緑で演出した小平グリーンロードがあります。駅から300メートルほど歩くとあじさい公園。今回のラビング散歩は6月中旬取材で、あじさいが満開でした。

グリーンロード<駅から東に走るグリーンロード> 満開のあじさい<満開のあじさい> あじさい公園の池<あじさい公園の池>
 あじさい公園を過ぎて約700メートル歩くと「小平ふるさと村」という施設(江戸時代の古民家などを保存)がありますが、これから小平駅北口周辺も歩きたいので、今回は時間と体力を温存することにしました。あじさいを眺めて駅に戻ります。
 

ラビング散歩 人々の生活が見える小平駅北口

小平駅北口の階段を降りると目の前に小さな郵便局があります。この小平駅前郵便局は古くから当地にあり、今も地域住民に重宝されています。北口には金融機関がないので貴重な存在なのです。

小平駅前郵便局<小平駅前郵便局>
小平駅北口のまわりには小さな飲食店が集まり、夜は賑やかな雰囲気になります。しばらくは新型コロナ禍でお店も閑散としていましたが、最近は外食も復活してきたようです。
小平駅北口前は飲食街<小平駅北口前は飲食街> 北口にある有料駐輪場<北口にある有料駐輪場>
小平駅北口から田無方面に伸びる東京街道(旧江戸街道)は商店や住宅が点在する歴史ある街道です。駅から離れると農家や畑も目立つようになりますが、今回は横断歩道を渡って北へ向かい、暮らしに欠かせない病院を拝見してみます。
東京街道<東京街道>
多摩済生病院は地元で頼りにされている総合的な医療機関で、診療科目は次の通りです。内科、外科、整形外科、呼吸器内科、循環器内科、糖尿病内科、精神科、皮膚科、歯科、リハビリテーション科。敷地内には福祉施設の多摩済生園(特別養護老人ホーム、ショートステイなど)、多摩済生ケアセンター(デイサービス、訪問介護など)も併設されています。
多摩済生病院<多摩済生病院>
病院の鬱蒼とした緑を見ながら、隣接した小平霊園の塀に沿って、閑静な住宅街を抜けてみました。そこには有名な石材店とレセプションホールの姿。ここから駅方面に戻って、小平霊園の参道と園内を歩いてみます。ここも緑が多くなかなか爽快な道筋です。

有名な石材店
<有名な石材店>

 

ラビング散歩 東京都立小平霊園

小平駅北口を背にして西向きに立つと目前にケヤキ並木があり、小平霊園に向かう参道になっています。霊園に向けて歩道を歩くと、左手には線路、右手には参拝休憩所を兼ねた石材店が続きます。その先にあるのが東京都立小平霊園です。この霊園は昭和23年(1948)に開設され、小平市、東村山市、東久留米市の3市にまたがっています。小平霊園には多くの著名人が埋葬されており、有吉佐和子(作家)、小川未明(童話作家)、壷井栄(作家)、野口雨情(詩人)、松島詩子(歌手)、柳宗悦(民藝運動)などが永眠しています。

小平駅北口と小平霊園を結ぶ参道<小平駅北口と小平霊園を結ぶ参道>

小平霊園には伝統的な和型墓地、明るい芝生墓地、壁型墓地などの区画があり、それぞれに豊かな自然と共生しています。霊園内には並木道や雑木林があり、また随所にベンチや四阿(あずまや)が配置されています。

霊園のケヤキ並木<霊園内のケヤキ並木> 公園のような憩いの場も多い<公園のような憩いの場も多い>
 小平霊園の正門から小平駅北口まではのんびり歩いても5~6分と近く、春夏秋冬それぞれの景観が楽しめます。小平といえば霊園、というのは違和感があるかもしれませんが、とても気持ちのよい場所です。ただし夜はあまり近寄りたくないですね。
 

ラビング散歩 小平駅周辺まとめ

小平という地名は「土地が平らなこと」から名付けられたといいます。確かに平坦で歩きやすい道ばかりでした。小平駅周辺の商業施設は南口に集まっていて、大規模施設のルネこだいら、路線バスのりば、銀行のATMも南口でした。すなわち早くに開発された南口が繁栄の中心になったということでしょう。一方の北口は小平霊園があることで再開発が後手に回ったと考えられます。ただし歴史的な石材店などの存在感があります。そして小平駅周辺で特筆すべきことは、南口にも北口にも豊かな自然環境が築かれていることです。花と緑のまちづくりは称賛すべきことでしょう。小平グリーンロード、あかしあ通りのあかしあ並木、小平霊園参道のケヤキ並木、そしてところどころにある花壇や植栽。自然にかこまれて快適な暮らしができるまちだと思いました。

再開発計画がある小平駅北口<再開発計画がある小平駅北口>
 

取材・文・写真 イワタハルユキ

 


A:小平駅 B:ルネこだいら C:青梅信用金庫 D:あじさい公園
E:小平駅前郵便局 F:多摩済生病院 
G:小平霊園 H:小平駅北口 

 

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