ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』
ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「東所沢」駅 編
田園地帯から文化都市へ!飛躍が期待される東所沢駅周辺
JR武蔵野線は首都圏を走る鉄道としては比較的新しい路線に入ります。開通は1973年で、最初は貨物専用路線でしたが、やがて郊外の宅地化が進み、旅客路線を兼ねるようになりました。
所沢市東部にある「東所沢駅」周辺も、いわゆる田園地帯から郊外型住宅地へと変貌した地域です。東所沢駅の開設当初、あたりは畑と草原と雑木林、近くに牛舎があるというのどかさでした。それが今では広い道路が整備され、店舗や住宅が集まる生活空間に生まれ変わりました。そして2020年、東所沢に更なる飛躍のチャンスが訪れます。今回は東所沢駅周辺を歩いてみました。
<コンビニと売店が並ぶ明るい改札口>
<東所沢駅も武蔵野線らしく質実剛健なイメージ>
広々とした駅前ロータリーから散策開始
武蔵野線はもともと貨物列車の専用線としてつくられたため、鉄道施設に余計な修飾はなく、武骨な印象さえあります。東所沢駅も同様で、デザインやデコレーションはシンプルそのもの。 しかし最近は駅という特性を活かして利用客の利便性を高めようとする配慮が見えはじめました。 |
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駅改札を出て右へ進むと、そこには広いロータリーがあります。バス路線は、所沢駅東口行き、跡見女子大行き、志木駅南口行き、エステシティ所沢行きがあります。
所沢駅東口行きは便数が多く、たいへん便利です。というのも東所沢から所沢へ行くにはJR武蔵野線で新秋津駅に行き、5分ほど歩いて秋津駅で西武池袋線に乗り換え、所沢駅まで行かねばなりません。これは実に面倒です。ところが路線バスを使うと乗り換えの面倒がありません。所沢と東所沢をよく往復する地元の人は重宝しているようです。
また路線バス以外にも、羽田行き、成田行きの空港バスも利用できるのが特筆ものです。
<広々とした駅前ロータリー>
ロータリーをひとまわりして気づいたことは、クリニックと学習塾が目についたこと。駅の近くに医療機関があるだけで、なぜか安心感があります。安心感といえば、ロータリー前には警察官が詰めている交番もありました。
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<ロータリー前にある交番>
東所沢公園を抜けて、ところざわサクラタウンへ
新聞やテレビで報じられているので、すでにご存じの方も多いと思いますが、2020年7月、東所沢に出版大手のKADOKAWAが複合施設「ところざわサクラタウン」をオープンします。現時点でどのような状態なのか、駅から徒歩5分という現地を見てみようと思います。
駅の改札を出て右に歩き、TSUTAYA、眼鏡市場、武蔵野銀行東所沢支店、バーミヤンを通過すると、左手に西松屋があり、東所沢公園が見えます。この公園は緑が豊富で敷地も広く、児童遊園になっている区画もあり、住民の憩いの場になっています。
「ところざわサクラタウン」をめざして公園を横切るときも、お母さんと幼子が楽しく遊んでいるのを見て、ほのぼのとした気分になりました。子育てに小さな自然や遊具のある公園は必須です。このような公園が完備されているのも所沢市のよいところだといつもながら思います。
この東所沢公園を抜けると「ところざわサクラタウン」です。
<いたるところにベンチがあってくつろげる東所沢公園>
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<舗装された道も整備されている>
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ところざわサクラタウン2020年7月オープン
「ところざわサクラタウン」はKADOKAWAと所沢市が共同で起ち上げた壮大なプロジェクトで、クールジャパンフォレスト構想の拠点となる施設です。ここにはKADOKAWAの新オフィス、書籍製造・物流工場をはじめ、ショップ、レストラン、アニメホテルなどが入る予定。また隣接の角川武蔵野ミュージアムは博物館、美術館、図書館、アニメミュージアムが融合する文化複合施設となるそうです。
「ところざわサクラタウン」がオープンすれば世界中からコンテンツやメディアに興味のある「クールジャパン」信奉者がやってくるに違いありません。
東所沢のイメージが田園から文化都市へと画期的に変わるとともに、地域振興の意味でも飛躍のチャンスとなるはずです。そして「ところざわサクラタウン」は住民にとって誇りとなり、新しいコミュニティ創造につながるはず。2020年の夏はオリンピック・パラリンピック東京大会だけでなく、東所沢の進化に注目したいと思います。
<工事が進む角川武蔵野ミュージアム>
<ショップ、レストラン、アニメホテル、オフィス、書籍製造・物流工場等が入る社屋>
日々の暮らしを支える身近なお店たち
さて、大切なのは壮大なプロジェクトだけではありません。
その地域に住む人々の日常が本当は一番大切です。日々の暮らし、家計のやりくり、健康づくり、人と人のふれあい、それらに貢献してくれるまちに住めたら幸せに少し近づくような気がします。東所沢には規模の大きな商店街やショッピングモールのような施設はありませんが、スーパーマーケットやロードサイドショップが点在し、日々の買物も便利です。
では実際に「ところざわサクラタウン」を起点に歩いてみましょう。
まず隣接しているのがベルク東所沢店で、食品など日常の買い物が気軽にできます。そこから南へしばらく歩くとドラッグセイムスとジャンボランドリーふわふわ。ここから東所沢中央通りを駅方向へ向かってみました。
<サクラタウンに隣接するベルク>
<ドラッグセイムスとコインランドリー>
ドラッグセイムスの隣には広い畑があり、そこで「野菜づくり体験できます」という看板を見つけました。地元農家の方が希望する住民に野菜づくりの場を提供してくれるのでしょうか。畑がたくさん残っていたころの東所沢を思い出して懐かしくなりました。
<野菜をつくりたい人にアピールする看板を発見>
ここから駅方面へひたすら歩いてみます。
歩く東所沢中央通りはロードサイド店舗が点在する道路で、途上にあるヤオコー東所沢店は地域住民の生活にとって欠かせない存在です。近くにある家電販売店ノジマも同様です。東所沢ではクルマを持っている住民は必要に応じてクルマを走らせ、こうした点在するお店をめぐっているようです。
<家電量販店のノジマ>
<食品や日用雑貨が揃うヤオコー>
歩いて発見!気になるポイント
そして、なぜかヤオコーの近くで農産物直売所を2軒も発見。1軒は東所沢中央通りに面した駐車場の一角にあり、もう1軒はヤオコー東側の路地にありました。地元農家の方が地産地消のために開いた直売所のようです。ジモト心がそそられます。
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そのまま中央通りを歩き続け、駅前通りと交差する手前にあるのがオランダ坂珈琲邸。大型の喫茶店で、友だちと話したり、一人で和んだり、食事をしたりできます。喫茶店には地域のコミュニティを育てる役割がありますが、そういう意味でも貴重なお店になっているようです。
<外観もおしゃれなオランダ坂珈琲邸>
歩けば何か面白いスポットが見えてくる
東所沢駅周辺はタイプでいうと郊外型住宅地。一戸建てやマンションが建ちならび、ときおり畑や雑木林が残り、公園が整備され、新しい建物と古い建物が混在する風景があります。こういうまちは歩いてみるのが一番。クルマや自転車では通り過ぎてしまうような面白いスポットがきっと見つかります。
ということで、駅前ロータリーの裏手あたりの住宅街を試しに散策してみました。するとまずスポーツクラブを発見。のぞいてみると平日午後のせいか高齢者の方が多く運動していました。その隣には青木耳鼻咽喉科があります。
<駅近の住宅街にある東所沢スポーツクラブ>
<モダンなデザインの青木耳鼻咽喉科>
そこから北へ向かうとマンションにかこまれた緑のオアシスといった風情の郷士窪公園(ごうしくぼこうえん)。さらに路地を歩くと、なんとボクシングジムを発見。頭の中に思わずロッキーのテーマが流れます。
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ここから東所沢中央通りに出て右に行くと、妙にかわいいうさぎ専門店を見つけたのですが、残念ながら定休日でした。そして、このあたりの道路沿いには学習塾が散見されました。自宅の近くに学習塾があれば子どもたちも安心ですね。こんな風に歩いてみると住宅の一室でお稽古事を教えている方や、趣味のお店を開いている方が意外といらっしゃるようです。
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なお、このあたりにお住まいの方はオザムで気軽にお買い物するのが日課のようです。食品と日用雑貨はおおむね揃います。
ジモト発見ライターはこの辺で歩き疲れ、駅に戻ることに。その道すがら高齢者施設を見ることができました。
<日々の買い物はオザムで>
<ところどころで老人ホームやデイサービスを見かけた>
線路の南側はこれからに期待
さて思いつくままにフラフラと歩いてきましたが、駅に戻って脚をいたわり、線路の南側を軽く眺めてみました。
まずこちら側にも小さなロータリーがあり、主にタクシーの待機スペースになっています。奥には民間の自転車駐輪場もあり。有料で1日100円ですが、毎日使ったとしても月に約3000円。安心して自転車が置けると考えるのであれば許容範囲だと思います。
<駅の南側にあるロータリー>
<駅前の自転車駐輪場>
<線路際の住宅街に運動施設もあり>
駅の南側では、遠照寺、デニーズ、セブンイレブンのある交差点まで歩きました。 このあたりもいたるところに医療機関が見られました。やはり高齢社会は怪我や病気と隣り合わせということなのでしょうか。医療にはそれだけニーズがあるということだと思います。というところで本日の散歩は終了です。 |
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東所沢は発展が約束されたまち、世界有数の文化都市へ
最後に、「ところざわサクラタウン」の設置が決まり、東所沢は将来の発展が約束されたまちになったと思います。なぜならKADOKAWAは世界有数のコンテンツ&メディア産業で、その吸引力は桁はずれなものだからです。アジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界からクールジャパンに魅かれてファンが東所沢を訪れるのは目に見えています。そこにあるのは繁栄です。
東所沢はこれまでごくありふれた郊外の住宅地でした。しかし、これからは違います。住民ひとりひとりが胸を張って誇れるまちになることでしょう。近い将来、日本、いや世界をリードする文化都市に生まれ変わるかもしれません。そこで、いまこそ東所沢のまち歩きをおすすめします。ひとつのまちが変貌する様子を脳裏に焼きつけられたら、きっとエキサイティングだと思います。
<東所沢のまとめ>
■全般/ところざわサクラタウンが地域の牽引役となる
■交通/JR武蔵野線で東京、埼玉、千葉にアクセス良好
■医療/医院、クリニックが駅周辺に多数あり
■子育て/公園、学習塾が地域に点在
■買物/スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア多数
■移動/自転車利用が活発で駐輪場が充実
■A:東所沢駅 ■B:東所沢公園 ■C:ところざわサクラタウン ■D:ベルク ■E:ノジマ ■F:オランダ坂珈琲邸■G:東所沢スポーツクラブ ■H:オザム ■I:カーブス東所沢 ■J:デニーズ
(取材/ ジモト発見ライター イワタハルユキ)
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