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猛暑の夏を乗り切る!家庭で実践したい食品衛生の基本

2025/07/19(土) 日々のこと広報課

食品衛生の基本こんにちは。暑い日が続いていますね。
連日30度を超える暑さが続く今の時期は、食品の取り扱いに特に注意が必要です。高温多湿な環境は、細菌やウイルスの繁殖を助け、食中毒のリスクを高める要因になります。
「まさか自宅で…」と思いがちですが、家庭内のちょっとした油断が体調不良を招くことも。この記事では、夏場に注意すべき食品衛生のポイントと、家庭で実践できる予防策についてお伝えします。


夏の食中毒リスクとその背景

気温が高い時期は、食品に付着した細菌が短時間で増殖しやすくなります。とくに調理後の食品を常温で放置してしまうと、数時間で危険なレベルまで細菌が増えることもあります。また、ノロウイルスのように冬に多いウイルス性食中毒も、夏場の油断によって発症する可能性があります。感染予防には、手洗いの徹底や調理器具の消毒、食材の加熱など、年間を通じた基本的な対策が欠かせません。


食中毒を防ぐ「4つの原則」と夏の注意点

食中毒の予防には、「清潔」「迅速」「加熱」「冷却」という4つの原則が効果的です。夏場は特に以下の点を意識しましょう。

清潔:調理環境と手指の衛生を保つために

食中毒のリスクを下げるための第一歩は「清潔」を保つことです。とくに夏場は、汗や湿気により菌の繁殖が加速するため、より丁寧な対応が必要になります。

  • 手洗いの徹底:調理前、肉・魚・卵に触れた後、生野菜の扱い前後、トイレの後など、手洗いのタイミングを意識しましょう。石けんと流水で30秒以上洗うのが基本です。

  • 調理器具の区別と消毒:まな板や包丁は、肉用・野菜用・果物用など用途ごとに使い分けると安全です。使用後は中性洗剤で洗い、漂白剤や熱湯で定期的に除菌すると効果的です。

  • ふきん・スポンジの管理:ふきんやスポンジは湿った状態だと雑菌が増殖しやすいため、毎日洗浄・乾燥し、こまめに取り替えることが望ましいです。使い捨てペーパーの活用も衛生的です。

 

迅速:食材と調理後の食品をスピーディーに扱う

菌が繁殖しやすい「温度帯(20〜40℃)」での放置を避けるために、時間の管理が重要です。

  • 購入後はすぐに冷蔵・冷凍へ:とくに肉・魚・乳製品などは、買い物から帰ったら速やかに冷蔵庫・冷凍庫へ。夏場は保冷バッグを活用し、温度上昇を防ぎましょう。

  • 調理後は早めに食べる・保存する:調理後の食事は長く常温に置かず、できるだけ早く食べるか冷蔵保存を。再加熱を前提に保存する場合でも、冷ますタイミングを逃さないことが大切です。

 

加熱:目に見えない菌やウイルスをしっかり殺菌

ほとんどの細菌・ウイルスは、一定の温度と時間で死滅します。加熱の仕方次第で安全性が大きく変わります。

  • 中心温度をチェック:肉や魚などは、中心部までしっかり火を通すことが重要です。特に鶏肉やひき肉は要注意で、中心温度が75℃以上で1分以上の加熱が目安です。

  • 電子レンジの「ムラ」に注意:レンジでの加熱は外側だけ熱くなりがちです。加熱途中で混ぜたり、回転させるなどの工夫が必要です。

  • 生野菜も一工夫:生で食べる野菜も、水洗いを徹底し、可能であれば加熱調理を。特に衛生状態が気になるときは、火を通すことでリスクを減らせます。

 

冷却:食品を安全に保存するための温度管理

調理後の食品を適切に冷却・保存することは、細菌の繁殖を抑える上で欠かせません。

  • 粗熱を素早く取る工夫:温かい料理を冷蔵庫に入れる前に、氷水や保冷剤を使って急冷すると効果的です。鍋ごとではなく、小分けして冷ますとより速く冷却できます。

  • 冷蔵庫の詰めすぎに注意:冷気の流れが妨げられると全体の温度が上がってしまいます。庫内に7割程度のスペースを保つことが理想的です。

  • 保存期限を意識する:加熱調理済みの食品でも、冷蔵保存で2〜3日以内を目安に食べきることが安全です。食材や容器に日付ラベルを貼るのもおすすめです。

 


常温保存食品も油断禁物

「常温保存可能」と記載された食品でも、夏場の室内は保存基準の20℃を大きく上回ることがほとんど。以下の点に注意が必要です。

  • 開封後の管理:未開封なら問題のない食品も、開封後は菌が付着しやすくなります。調味料やパン、お菓子などは表示を確認し、必要に応じて冷蔵保存を。
  • 乾物や穀類も注意:お米や乾麺なども、高温多湿な場所ではカビや虫が発生しやすくなります。密閉容器に入れ、できるだけ風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。
  • 野菜の劣化:じゃがいもや玉ねぎは、室温が高いと傷みやすくなります。なるべく早めに使い切りましょう。


室温管理も立派な予防策に

細菌の多くは20〜40℃の範囲で活発に増殖します。特に37℃前後は最も活発になるとされており、夏場のキッチンはリスクが高まりがちです。

  • 調理中の室温は25〜28℃を目安に:厚生労働省の衛生管理マニュアルでは、調理場の室温を25℃以下に保つことが望ましいとされています。家庭では28℃前後を目安に、調理時は少し下げる工夫が有効です。
  • 湿度にも注意:湿気は細菌の増殖を助けます。エアコンの除湿機能や換気を活用し、キッチンの湿度管理にも気を配りましょう。


万が一、食中毒の症状が出たら

どんなに注意していても、体調不良を起こすことはあります。次のような症状が出た場合は、自己判断せず速やかに対処しましょう。

  • 医療機関の受診を:特に高齢者や子ども、持病のある方は重症化のリスクがあるため、早めの受診が重要です。
  • こまめな水分補給:嘔吐や下痢が続く場合は脱水症状に注意。経口補水液が理想ですが、水やお茶でも少しずつ補給を。
  • 周囲への感染防止:吐しゃ物や排泄物にはウイルスが含まれる場合があります。手袋の着用、塩素系漂白剤での消毒、手洗いの徹底などで二次感染を防ぎましょう。


暮らしの中でできる、予防につながる住まいの工夫

食品衛生は日々の対策だけでなく、住まいの工夫でもサポートできます。以下のような視点から、食の安全を支える住環境を考えてみましょう。

  • 清潔を保ちやすいキッチン設計:汚れが落ちやすい素材や広めの調理スペースは、衛生管理のしやすさに直結します。
  • 食品ごとの適切な収納計画:冷蔵・冷凍スペースの確保に加え、常温保存の食材を直射日光や湿気から守る収納場所があると便利です。
  • 効率的な家事動線:買い物から冷蔵庫、調理、配膳、片付けまでをスムーズに行える動線があれば、食品の放置時間を減らせます。
  • 高気密・高断熱の住まい:外気の影響を受けにくい住宅は、室温・湿度管理を効率化し、衛生的な環境維持にも役立ちます。


食中毒注意猛暑の中では、食材の取り扱いや調理環境のわずかな油断が、食中毒のリスクにつながりかねません。家族の健康を守るためにも、日々の食品衛生と住まいの環境管理を見直すことが大切です。
「家づくり」は単なる空間設計ではなく、こうした健康・衛生意識と直結しています。安心して暮らせる住まいを目指して、身近なところからできることを実践していきましょう。

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