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家族の健康を守る!住まいにおける空気環境の重要性

 

家族の健康を守る!住まいにおける空気環境の重要性

空気環境こんにちは。
先日、住まいの「空気の質」について改めて考える機会がありました。多くの方がご存じのように、アメリカ環境保護庁(EPA)によれば、私たちは一日の約90%以上を屋内で過ごしているとされており(EPA Report on the Environment, 2023)、住まいの空気の質が健康に与える影響は想像以上に大きいのです。この数字を聞くと、私たちが吸い込む空気の大部分が、実は家の中の空気だということに気づかされますよね。

つまり、住まいの空気環境は、私たちの健康、特にご家族の健やかな暮らしに深く関わっているという、重要な気づきをいただくことになりました。目には見えないけれど、常に私たちの周りに存在する「空気」が、知らず知らずのうちに体に影響を与えているとしたら、ちょっと気になってしまいますよね。
今回は、この見過ごされがちな「住まいと空気の質」の関係について、簡単ではありますが、一緒に掘り下げてみたいと思います。



空気中に潜む有害物質

目に見えない空気の中には、私たちの健康を脅かすさまざまな有害物質が潜んでいます。これらは日常生活の中で発生したり、外部から侵入したりするもので、知らず知らずのうちに私たちの体調に影響を与えることがあります。

揮発性有機化合物(VOC)

塗料、接着剤、合板、家具、壁紙、さらには衣類や洗剤など、私たちの身の回りにある様々なものから空気中に放出される化学物質の総称です。代表的なものには、ホルムアルデヒドトルエンキシレンなどがあります。これらは、頭痛、めまい、吐き気といった急性的な症状から、長期的な暴露によるアレルギー反応や呼吸器系の問題まで、多岐にわたる健康被害を引き起こすことがあり、特にシックハウス症候群の主要な原因として知られています。新築やリフォーム後の数年間は特に注意が必要です。

カビ・ダニ

日本のように高温多湿な気候では、カビやダニが繁殖しやすい環境が整っています。カビは、浴室やキッチンだけでなく、結露しやすい窓際や壁の裏側など、気づかない場所に潜んでいることがあります。ダニは、カーペット、布団、ソファなどに多く生息し、そのフンや死骸がアレルゲンとなります。これらはアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患を引き起こしたり、呼吸器系の症状を悪化させたりする原因となることがあります。

PM2.5・花粉

PM2.5は、大気中に浮遊する微小な粒子状物質のことで、非常に小さいため肺の奥深くまで入り込み、呼吸器系や循環器系に悪影響を与える可能性が指摘されています。花粉は、春のスギ花粉や秋のブタクサ花粉など、季節によって空気中に大量に飛散します。これらは主に屋外由来の物質ですが、換気やドアの開閉、衣類への付着などを通じて容易に室内に侵入し、空気中に滞留することがあります。室内に侵入したPM2.5や花粉は、アレルギー症状の引き金になったり、目やのどへの刺激、呼吸器系への悪影響を及ぼしたりすることがあります。

これらの目に見えない有害物質は、蓄積されることで、頭痛、めまい、吐き気、目の刺激、鼻炎、皮膚炎といった比較的軽度な体調不良から、慢性的なアレルギー症状、さらにはより重篤な呼吸器系の疾患まで、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。




シックハウス症候群とは

シックハウス症候群は、建材や家具から放散される化学物質などによって、めまい、頭痛、目やのどの痛み、倦怠感などの症状が現れる状態です。
人によっては特定の化学物質に敏感に反応し、また別の人では複数の物質に少しずつ反応するケースもあります。
2003年の建築基準法改正により、ホルムアルデヒドなど一部の物質は規制されましたが、現在でも他のVOCへの対策は必要とされています(出典:厚生労働省「シックハウス対策について」)。




化学物質過敏症の広がり

化学物質過敏症は、微量の化学物質に反応して頭痛、倦怠感、呼吸器症状などが現れる疾患です。シックハウス症候群と似た症状を持ちますが、特徴的なのは「一度発症すると、ごく微量の物質にも反応してしまう」という点です。香水、柔軟剤、洗剤など、日常のさまざまな製品に含まれる香料や化学成分が原因になることがあり、発症後は生活の質(QOL)が大きく損なわれることもあります。
最近では、医療機関や教育現場などでこの症状への理解や認知が徐々に進みつつあり、香料や化学物質への配慮を求める声も少しずつ広がっています。



アレルギー疾患と空気環境の関係

花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなど、アレルギー疾患は年々増加傾向にあります(出典:厚生労働省アレルギー疾患対策)。この背景には、食生活や生活習慣の変化、ストレスのほか、住環境の変化も一因として考えられています。
現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、換気が不十分なままだと、アレルゲンや有害物質が室内に滞留しやすい傾向があります。




快適で健康的な住まいを実現するために

快適な空気を得るためにでは、住まいの空気環境を守るには、どのような対策が有効なのでしょうか。

  • 適切な換気
    自然換気(窓の開閉)に加え、24時間換気システムを常時稼働させることが基本です。料理や入浴時など、湿気や臭気がこもる場面では特に意識的な換気が必要です。
  • 建材の選定
    新築やリフォームの際は、ホルムアルデヒドの放散量が少ない建材を選びましょう。
    「F☆☆☆☆(エフフォースター)」は、JIS(日本工業規格)およびJAS(日本農林規格)で定められたホルムアルデヒド放散量の最も低いランク(等級4)にあたる建材で、居室への使用に制限がない唯一のランクとされています。
  • こまめな掃除
    ホコリやカビ、ダニの除去は空気の質に直結します。特に寝具やカーペット、カーテンなどは定期的に洗濯・掃除することが重要です。
  • 空気清浄機の活用
    PM2.5や花粉、ハウスダストなどの除去には、0.3マイクロメートルの粒子を99.97%以上除去できるHEPAフィルターや、静電気の力で微粒子を吸着させる電子式集塵フィルターを搭載した空気清浄機が効果的です(※使用する際はフィルターの定期的な交換や掃除が必要)。使用時には、フィルターの定期的な手入れも忘れずに行いましょう。



おわりに

空気は目に見えないからこそ、その重要性を見落とし、後回しにされがちです。しかし、私たちが毎日、意識することなく吸い込んでいる空気こそが、日々の健康を支える最も基本的な基盤であると言えるでしょう。質の良い空気は、健やかな呼吸、穏やかな睡眠、そして何よりも快適な暮らしの源です。
この情報が、皆さんの住まいにおける空気環境を見直す一助となれば幸いです。


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