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広いLDKは必要ですか? 家族の成長と現代のライフスタイルから考える「最適解」

 

広いLDKは必要ですか? 家族の成長と現代のライフスタイルから考える「最適解」

家づくりで「LDKは広ければ広いほど良い」という考え方、もはや絶対的ではないのかもしれませんね。かつての家族像とは異なり、個々の過ごし方が多様化した現代において、LDKの広さに対する固定観念は、果たして私たちの暮らしに合っているのでしょうか。
今回は、家族のライフステージの変化現代の多様なライフスタイルという視点から、LDKの「本当の価値」と「最適解」を一緒に考えていきましょう。


家族の成長とLDKの「広さ」:ライフステージごとの価値の変化

住宅は、家族と共に時を刻む場所。LDKの広さの価値も、ライフステージの変化とともに変わっていく可能性があります。

1.子どもが小さかった頃:LDKが中心の時期

広いLDK子どもが小さいお子さんが乳幼児期や未就学の頃は、LDKが生活の中心になりがちです。親の目が届く範囲で子どもが安全に遊べる広い空間は魅力的ですよね。家族がLDKで多くの時間を共に過ごし、絆を育む大切な場所となるでしょう。

しかし、この時期の快適さが、将来もずっと続くとは限らないかもしれません。


2.子どもたちの成長期:個室のニーズとLDKの役割

広いLDK個室女性子どもたちが成長し、各自の個室で過ごす時間が増える傾向にあるのではないでしょうか。

  • 学習や趣味など、個室のプライベートな空間へのニーズは高まるでしょう。
  • LDKを広くした結果、子ども部屋や収納が手狭になっている場合、子どもたちは自分の空間に不満を感じてしまうかもしれませんね。
  • 学年が上がるにつれて学童保育の利用が減る傾向からも、個室で過ごす時間が増えることは想像に難くないかもしれません。
    (参照:厚生労働省「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」など)


3.子どもが巣立った後:夫婦二人の暮らしとLDK

子どもたちが独立し、夫婦二人になった時、広々としたLDKを持て余してしまうケースも少なくないかもしれません。

  • 使われないスペースは、掃除や光熱費の無駄につながることもありますよね。
  • この時期になると、広さよりも、コンパクトで効率的な動線や「夫婦それぞれの趣味を楽しむスペース」、そして「バリアフリーなどの将来性」がLDKに求められるようになるのではないでしょうか。

現代のライフスタイルとLDKの「広さ」:多様化する家族の過ごし方

かつて「一家団らん」といえば、テレビを囲む画一的なイメージでした。でも、現代のライフスタイルは大きく変化し、LDKの「広さ」への考え方も見直す時期に来ているのかもしれませんね。

1.デジタルコンテンツと「共存」のLDK

各自がスマートフォンやタブレットで好きなコンテンツを楽しむのが現代の日常。同じ空間にいても、それぞれが異なる活動をすることも増えました。単なる広さよりも、それぞれの活動が邪魔されないような「緩やかなゾーニングや適度な距離感」が重要になるのではないでしょうか。家族団らんの場所としてリビングやダイニングが上位に挙がる一方、同じ空間にいてもそれぞれが別の活動をしているという声も聞かれます。
(参照:PR TIMES「家族コミュニケーションに関する意識調査」など)。
これは、LDKの広さだけではコミュニケーションの質が保証されない可能性を示唆していると言えるかも。

2.「夫婦はいつも一緒」という価値観の変化

広いLDKベッド別4人家族で3LDKの場合、夫婦が同じ寝室を使い続ける前提のことが多いかもしれません。しかし、夫婦間で睡眠習慣や寝室環境の好みが異なることは珍しくないでしょう。パートナーのいびきや寝返りで眠りが妨げられる、といった悩みもよく聞かれるのではないでしょうか。実際、夫婦の約半数、あるいは潜在的にはそれ以上の夫婦が別々の寝室を希望しているという調査結果も出ています。
(例:FNNプライムオンライン「夫婦の寝室、別々が約半数」)
これは、お互いの睡眠習慣やプライベートな時間を尊重したいというニーズの表れかもしれませんね。

LDKを優先して夫婦の寝室を狭くする選択が、長期的に見て夫婦の暮らしの質に影響を与える可能性も考慮すべきですよね。共働き夫婦の調査では、一人で仕事や趣味に没頭できるスペースを求める声も多く聞かれています。
(参照:アットホーム「共働き夫婦のライフスタイル調査」など)


3.来客頻度とLDKの優先順位

広いLDKは大人数の来客時に活躍してくれるでしょう。しかし、その「来客の頻度」は年間でどの程度でしょうか。年に数回の非日常イベントのために、日々の生活で持て余すほどのLDKが必要でしょうか。多くは家族だけで過ごすことを考えると、「非日常」に合わせた広さが、日々の快適性を損ない、コスト増や掃除の手間につながってしまう可能性も考えられますね。


「広さの量」から「暮らしの質」へ:LDKの真価を見極める視点

本当に豊かなLDKとは、単に面積が広いことだけではないでしょう。それは、家族のライフスタイルに寄り添い、日々の暮らしを快適で豊かにする「広さの質」にこそ真の価値があるのではないでしょうか。

  • 効率的な「動線」がもたらす快適さ:キッチンからダイニング、リビング、水回りや収納へのスムーズな動線は、日々の家事効率を向上させ、暮らしのストレスを軽減してくれます。広さがあっても動線が悪ければ、使いにくいLDKになるかもしれません。
  • 「多機能性」が広げる空間の可能性:限られた広さでも、空間に複数の機能を持たせることでLDKはより豊かになるでしょう。リビングの一角に家族で使えるワークスペースや、子どもの学習スペースを設けるなど、空間を有効活用する工夫が重要になってくるのではないでしょうか。
  • 「収納計画」がもたらすゆとりと広がり:LDKに適切な収納スペースを確保することは、物が散らかりにくく、常に整理された状態を保つ上で不可欠です。物が少ないLDKは、実際の広さ以上に視覚的なゆとりと開放感を与えてくれるはずです。
  • 「視覚的効果」で広さを演出するデザイン:吹き抜けや高窓、大きな開口部を設けることで、物理的な広さ以上に視覚的な開放感を生み出すことができるでしょう。天井や壁の色使い、照明計画、家具の選び方など、デザインの工夫によっても、LDKに奥行きと広がりを演出することが可能かもしれません。

広さの固定観念を越え、あなたの家族にとっての理想のLDKへ

「LDKは広ければ広いほど良い」という固定観念から一度離れてみるのもよいかもしれません。大切なのは、家族一人ひとりの暮らしの質が向上し、それぞれの個性を尊重しながらも、自然な形で繋がりを育める空間であることではないでしょうか。
家づくりは、家族の未来を描く大切なプロセスです。LDKの広さ一つをとっても、現代のライフスタイルや将来の変化を見据えることで、より満足度の高い住まいが実現できると思います。

 

【参考資料】
■家庭内コミュニケーションの場所について
・DENSO TEN(デンソーテン)の調査:
出典:2020年「親子ドライブに関する調査」(PR TIMES掲載あり)。家庭内で会話が弾む場所として「リビング」(60.3%)、「食卓」(57.9%)が上位に挙がる。
・PR TIMESや他の調査記事では:
「同じ空間にいても各自が別のことをしている」「会話がない」といった「空間の共存=コミュニケーションの成立”ではない」実情が指摘されています。

■夫婦の寝室に関する調査
・FNNプライムオンライン(ゼロリノベ調査):
2022年公開の調査にて、約48%が夫婦別寝室。「できれば別室がいい」とする層も含めると約60%が“分けたい”意向。
・東京ガス都市生活研究所:
「都市生活レポート」などの調査(たとえば2021年)で、30代では約14%が実際に別室、同室であっても「寝具を分けて寝る」層が多く、67%が“別で寝ている形”をとっているという報告あり。
・積水ハウス 住生活研究所(「STORY」調査):
年代別で「ひとりで寝たい」が増える傾向を報告。特に40代女性で“ひとりで寝たい”が3倍に増加するなどのデータは、調査資料で確認可能。

■プライベート空間の確保に関するデータ
・アットホームの調査(共働き夫婦対象):
2021年や2022年の「夫婦の暮らしに関する意識調査」などで、“ひとりの時間・空間”を求めるニーズが明示されています。
・積水ハウス「定年後の暮らし方調査」:
男性63%、女性59%が「“趣味の部屋が欲しい」と回答。この傾向は他社調査(パナソニックやLIXIL)でも確認されており、コロナ禍以降さらに顕著。

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