ページトップへ

すべての記事

狭山茶生産加工直売 見沢園

お茶のあるところには、会話がある。
狭山茶をきっかけに人と人のつながりをつくる元気なお茶屋さん。

所沢は豊かな自然が残るまちで、市街地を少し離れると、そこかしこに雑木林や畑が広がっています。有名な狭山茶の産地でもある所沢には、茶畑もたくさん見られます。農家が自園自製のお茶を直売するお店も点在していて、お茶がとても身近な存在になっている地域といえるでしょう。今回の「気になるお店訪問」は、東所沢に元気なお茶屋さんがあると聞き、お伺いしてみました。

<所沢市日比田にある見沢園の茶畑>

 

お茶づくりに真剣勝負

国道463号線(行政道路)を東所沢の日比田交差点で北西に折れてしばらく歩を進めると、見沢園というお茶屋さんが見えてきます。店構えはそれほど大きくありませんが、この見沢園、お茶づくりやイベントで大活躍している注目のお茶屋さんなのです。

見沢園を経営しているのは見沢直保(みさわ なおやす)さん。奥さまの徳江(とくえ)さんと二人三脚で狭山茶を生産・加工・直売しています。お茶づくりには家族や多くの仲間が協力してくれているとのことです。


<お店でいつも笑顔の見沢直保さん・徳江さんご夫妻>

見沢園は先代もお茶や野菜をつくる農家でした。当時はあくまでも農家として収穫物を農協や市場に出荷する仕事をしていて、販売については倉庫の片隅に直売コーナーを置いている程度だったそうです。それを約20年前に改め、直保さんが一念発起してお店をつくりました。それが現在の見沢園です。その後、見沢園はお茶づくりに力を入れ、現在はお茶専業になっています。


<緑にかこまれた見沢園のお店>


<独自のお茶づくりに取り組む製茶工場>

狭山茶は「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と歌われているように、味わいの深いお茶です。なぜこの地でおいしいお茶ができるのでしょうか。直保さんにお聞きしてみました。

「いくつか理由はあると思うけど、やはり気候でしょうね。雨が多くて、昼と夜の寒暖の差が大きい、これが大事。お茶の木に水滴がつくと、みずみずしい葉が育ちます。あとは土壌ですね。土が違います。狭山茶の産地は武蔵野の自然に恵まれていて、豊かな肥料が浸み込んでいますから」

ひとくちに狭山茶といっても、所沢、入間、狭山などの栽培地域や、個々の生産農家によっても出来栄えは変わってくるはずです。見沢園の畑でつくるお茶は、どんなお茶をめざしているのでしょうか。

「見沢園のお茶はね、私たちの3歳の孫でも飲めるように、渋みのないまろやかな味をめざしています。子どもたちがおいしいといって飲んでくれなければ、お茶の未来はありませんから。そのために有機肥料を主体とした土づくりや、減農薬に取り組んでいます」

狭山茶ではかつてダイオキシンにまつわる風評被害があり、また東日本大震災では放射能が心配され、逆風が続きました。見沢園に限らず狭山茶農家は大変だったと思いますが、その辺もお聞きしてみました。

「負けないように一生懸命やる! 私が考えていたのはそれだけ。毎日が真剣勝負です。伝統ある狭山茶を次世代につなげられるかどうかの正念場でしたよ。最近は狭山茶が安心して飲めるということを理解してもらえるようになって、お土産やご進物の売れ行きも徐々に戻ってきました。感謝ですね」

 

積極的にイベントを開催

見沢園は毎年5月に盛大に催される「見沢園狭山茶新茶大会」や、地元の子どもたちを対象にした「お茶摘み体験」などを開催しています。かつてお茶摘みを体験した小学生が大人になってお茶を買いに来てくれる例もあるとか。見沢園のお茶に関連する催しは、すでに地域のなかに溶け込んでいるようです。

「私たちにとってあたりまえのことでもね、子どもたちに伝えていかないと、風化しちゃうんですよ。日本茶も同じ。だから新茶大会やお茶摘み体験で次世代に伝える努力をしています」と直保さん。言うのは簡単ですが、実行に移すのはなかなか大変なはず。毎年イベントを催している労力を考えると頭が下がります。

 

見沢園のおすすめ商品

特上煎茶

暮らしのなかでお茶を飲む習慣を持つようになると、心にゆとりが生まれ、健康にも役立ちます。
見沢園の特上煎茶は誰にでもおすすめできるスタンダードな味わいです。


<特上煎茶 50グラム 540円/100グラム 1,080円(税込)>

八十八夜摘み茶

夏も近づく八十八夜に摘んだ、初々しい茶葉でつくったお茶です。
甘みと渋みの調和したまろやかなおいしさが特長で、贈り物によく利用されています。


<八十八夜摘み茶 50グラム 810円/100グラム 1,620円(税込)>

 和紅茶

平成28年に初めて挑戦してつくった紅茶。見沢園の畑で栽培された「さやまかおり」という品種の茶葉を紅茶にしたもので、さわやかな風味が特長です。

また、お店にはお茶だけでなく、狭山茶コーラや狭山茶ようかんなど、狭山茶関連の商品もいろいろ取り揃えてあります。


<和紅茶 50グラム450円(税込)>

 

病気を克服し、感謝で生きる。

見沢園さんは10か所の畑を持っているですが、そのうちのひとつを見学させてもらいました。畑に足を踏み入れるとホクホクとした柔らかな土の感触が伝わり、勢いよく伸びる新緑がきれいでした。直保さんは「畑を管理するのは大変ですが大事なことです。お茶の木も土も新陳代謝をしているので、それを応援してやるのが私らの仕事です」と言います。

直保さんは数年前に命にかかわる大病をして手術をしたとのこと。さいわい完治し、現在は無理をしないように気をつけて仕事をしています。直保さんは言います。

「病気をしてから思いましたよ、これからは感謝で暮らそうって。それまでは俺が俺がと思っていたし、世間を見ても人の悪口や批判ばかりでしょう。病気が治ったら、自分はもう感謝、感謝で暮らそう、そう思いましたね」

お茶を飲みながら世間話をする、そんな小さなコミュニケーションが本当はどれほど大切なことか。病気を克服した直保さんは、彼にしか見えない新しい境地にたどり着いたようです。実は「見沢園には名物オヤジがいるんだよ」というウワサは聞いていました。どういう意味で名物なのかは知りませんでしたが、お会いしてよくわかりました。名物オヤジの由来は、何事にも熱心に取り組み、自分の考えや経験を相手に必死で伝えようとする情熱ではないかと。そして、その根底には感謝があったのでした。

 

お店のデータ 

狭山茶生産加工直売 見沢園 (有限会社ナオキ)
所在地/〒359-0015 所沢市日比田207
TEL/04-2944-1969
FAX/04-2944-1972
営業時間/10:00~19:00
定休日/毎週日曜日・祝祭日
駐車場/あり
メールアドレス/misawaen@gmail.com
ホームページ/misawaen.com/
フェイスブック/「見沢園」で検索

取材・文・写真 イワタハルユキジモト発見ライター

 

 

すべての記事