ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き ラビング散歩「入間市」駅と「稲荷山公園」駅 後編

ラビング散歩 
人気スポット「ジョンソンタウン」から「稲荷山公園」をめざして歩く

前編に引き続き、入間から所沢方面に伸びるけやき通りを東へ歩いてみましょう。そこには図書館のある入間市産業文化センター、市民が憩う彩の森入間公園、航空自衛隊入間基地、さらにその先にはアメリカンハウスが建ち並ぶジョンソンタウンがあります。
 

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文化と自然を求めて市民が集まるエリア

まずは向陽台二丁目の交差点にある入間市産業文化センターへ。この建物は東西に分かれていて、A棟は市民が交流に利用できるコミュニティホール、入間市商工会、ワークウェルいるま(入間市勤労者福祉サービスセンター)が入居しています。またB棟には入間市立図書館、教育センター、児童センターがあります。言わば文化、経済、教育の拠点といったところでしょうか。地元では「産文センター」と呼ばれて親しまれています。

01<A棟>

02<B棟> 03<入間市立図書館>

産業文化センターを出ると入間市立豊岡中学校。その隣には広大な緑地を擁する埼玉県立彩の森入間公園があります。ここには芝生広場、多目的広場、池、ジョギングコース、バーベキューガーデンなどが整備されています。駐車場もゆとりがあり、土日には多くの市民が訪れます。管理センターには職員が常駐(午前8時30分~午後5時/年末年始除く)。治安の面も安心感があります。

04<さいのもりテラス> 05<園内には上池と下池の二つの池がある> 06<キッチンカーも常設>
 

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飛行機のある風景

彩の森入間公園の北側には航空自衛隊入間基地が広がります。ここは昭和13年(1938)に旧陸軍の航空士官学校が開設された場所。第二次世界大戦後は接収されて米軍基地(ジョンソン基地)となりましたが、昭和33年(1958)に航空自衛隊入間基地として発足しました。基地周辺の視界のよいところでは自衛隊機の離着陸が見られます。また、毎年11月3日(文化の日)には入間基地航空祭が開催され、パラシュート部隊の降下やブルーインパルスの飛行が人気を集めています(悪天候や感染症拡大で中止の場合あり)。言うまでもなく防衛のための施設ですが、普段はきわめて平和な風景です。

07<航空自衛隊入間基地> 08<退役した自衛隊機の展示>
 

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アメリカンテイストのおしゃれな街、ジョンソンタウン

ジョンソンタウンは昭和11年(1936)に製糸会社の農園20万坪が他社に売却され、その後、陸軍航空士官学校の将校用賃貸住宅が建てられた場所です。第二次世界大戦後は飛行場や士官学校など周辺の多くの施設が進駐軍に接収され、ジョンソン基地となりました。このとき米軍ハウスが建てられたのが当地です。やがて昭和53年(1978)、ジョンソン基地は日本に全面返還されました。その後、米軍ハウスだった住宅に日本人が住みはじめたのが、現在のジョンソンタウンのはじまりです。当初はスラム化するなどの問題点もありましたが、土地を所有するオーナー企業の努力もあり、ジョンソンタウンは平成27年(2015)に都市景観大賞の都市空間部門で大賞を受賞。郊外のおしゃれな街として人気を呼び、店舗、工房、住宅などが集まっています。 

09<カフェやレストランが多数> 10<趣味と実用の家具&雑貨店> 11<一般住宅もセンスが感じられる>

そして、ジョンソンタウンの裏手に隣接しているのが富士見公園。いるま野の雑木林が残り、芝生広場にはサッカーコート、野球グラウンド、周回ジョギングコースが整備されています。ここは入間市の施設で清掃や整備も行き届き、天気のよい週末には市民が元気に体を動かしています。

12<遊具が設置されている富士見公園> 13<サッカーと野球が同時にできる広場>
 

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稲荷山公園に向かう

ジョンソンタウンは魅力的なショップが多く、油断するとつい時間を忘れて飲食や買物を楽しんでしまいます。散策の時は、適当なところで切り上げて歩きはじめましょう。ジョンソンタウンから行政道路とけやき通りを戻り、向陽台一丁目交差点へ。そこを北へ曲がると稲荷山公園駅への道になります。途中には先ほどの航空自衛隊入間基地をはじめ、埼玉県狭山保健所、埼玉県立狭山経済高等学校、東京家政大学狭山キャンパス、埼玉県警察狭山警察署などが並んでいます。このあたりは入間市と狭山市が入り組んだ市境エリアになります。

狭山保健所<コロナ禍で多忙を極める狭山保健所>
 

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改札が地上にある稲荷山公園駅

稲荷山公園駅は瀟洒な佇まいの駅です。改札口はよくある橋上ではなく、地上にあります。踏切をはさんで北口と南口が隣接し、小さな駅の魅力というのでしょうか、どこか郷愁を感じます。駅舎内にはコンビニエンスストアがあり、朝夕は学生たちがよく利用しています。

15<稲荷山公園駅北口> 16<稲荷山公園駅南口> 17<ゆるやかにカーブを描く線路>
いつものことながら、路線バスは地域住民の貴重な足となっています。西武池袋線稲荷山公園駅と西武新宿線狭山市駅も路線バスで結ばれ、通勤や通学に活用されています。
18<北口ロータリーにあるバス停>
 

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埼玉県立狭山稲荷山公園

駅前の道路を横断すると、そこはもう稲荷山公園。正式には埼玉県立狭山稲荷山公園という名称です。園内の通路や芝生を歩いて3分ほど西へ向かうと、狭山市博物館が見えてきます。そう、このあたりはもう入間市ではなく狭山市になるのです。博物館は当地の歴史や文化を次世代に伝える大切な施設。常設展示だけでなく、企画展、体験学習、イベントなどを楽しみながら過ごすことができます。入場料は、一般個人150円、20名以上の団体100円、高校生・大学生個人100円、20名以上の団体60円、小学生・中学生無料です。休館日は原則として月曜ですが、事前に確認の上お出掛けください。

19<狭山市博物館> 20<稲荷山公園の芝生広場>

21稲荷山公園には広大な芝生広場がありますが、その一角に管理事務所が建っています。ここのロビーやトイレは来園者が自由に使えます。高齢者や子どもたちが散歩の途中に休憩している姿もよく見かけます。

22稲荷山公園をぐるりと周回すると、北東方向にこんもりとした緑の小高い丘が見えてきます。そこには住宅街があり、水道タンクを目印に登って行くと、稲荷山公園展望台があります。視界が広く開け、ここから埼玉県西部の街並みや秩父連山を眺めることができます。

 

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大人もプラネタリウムが見られる!

展望台の隣には狭山市立中央児童館と狭山市立中央児童館科学館があります。児童館は小学生、中学生、高校生のための施設で、気軽に遊んだり、体験したり、交流したりできる場所。例えば小学生なら絵画教室、料理教室、デイキャンプなどが開催されているそうです。

23<中央児童館>

一般の大人にとっても見逃せないのは、科学館にプラネタリウムがあることです。一般投影の日は、子どもたちだけでなく、大人も入館できます。投影時にはスタッフが来館者に合わせて季節の星空について説明してくれるなど、ひととき宇宙のロマンにひたることができます。

【一般投影の日程】

毎週日曜日、第2・第4土曜日 (午前の部:11時/午後の部:15時)

24<中央児童館科学館> 25<科学館にはプラネタリウムが設置されている>

かなり歩行距離がありましたが、以上で稲荷山公園の見どころは終了。地域の自然と文化を満喫した街歩きだったと思います。児童館から住宅街の坂道を下り、バス通りに出て稲荷山公園駅に向かいます。途上には狭山市稲荷山環境センター(ゴミと廃棄物の処理施設)があり、その焼却熱を利用した温水プールがある健康増進施設サピオ稲荷山もあります。ここで入浴してから帰路につくというのもよいかもしれません(感染症拡大による休館日に要注意)。浴室利用だけなら一般500円です。

26<狭山市稲荷山環境センター> 27<プール、浴室、ジム等のあるサピオ稲荷山>
 

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入間市駅と稲荷山公園駅の周辺まとめ

西武池袋線入間市駅と稲荷山公園駅の駅間は電車だと約1分。あっという間です。ところが、こうして歩いてみると意外に歩く距離が長い気がしました。入間市駅近くの繁華街で時間を要したり、ジョンソンタウンでお店をじっくり眺めたり、稲荷山公園で広い敷地を歩いたり。その道筋がかなり大回りになっているからでしょうか。スポットが駅前に集中するのではなく、周辺に点在していること。これがこのエリアの特徴と言えます。とすると、本当は「歩いて散策」よりは「自転車でサイクリング」が適しているのかもしれません。読者のみなさま、ぜひ自分流の素敵なルートを組み立ててみてください!

28<稲荷山公園駅北口/ロータリー側>

前編はこちらから▶

取材・文・写真/イワタハルユキ


A:入間市産業文化センター B:彩の森入間公園 C:航空自衛隊入間基地
D:ジョンソンタウン&富士見公園E:稲荷山公園駅 F:稲荷山公園
G:狭山市博物館 H:狭山市中央児童館 I:サピオ稲荷山 J:稲荷山公園駅北口ロータリー

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

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