ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き~公園編 ラビング散歩「航空公園」

ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き~公園編 ラビング散歩「航空公園」

アイコン 正式名称

所沢航空記念公園(ところざわこうくうきねんこうえん)

アイコン 公園概要

航空公園の正式名称は「所沢航空記念公園」で、公益財団法人埼玉県公園緑地協会が管理しています。この場所は日本における航空発祥の地。第二次世界大戦後は進駐してきたアメリカ軍の基地として接収されました。しかし昭和46年(1971)に飛行場跡地の一部が日本に返還され、広大な公園として整備されました。面積は約50haというスケールの大きな緑地公園です。
園内には飛行機をテーマにした所沢航空発祥記念館をはじめ、芝生広場、運動施設、野外ステージ、日本庭園、茶室などがあり、文化とスポーツの貴重な交流拠点となっています。

航空公園を一望<航空公園を一望> グラウンドはドクターヘリ受け入れ<グラウンドはドクターヘリ受け入れ>
 
アイコン 出入口
国道463号(通称:行政道路)に面した出入口が公園のメインエントランスで、敷地内に入るとすぐに管理事務所があります。なぜか近くにバッテリーカーを楽しめるスペースがあり、子どもたちの人気を集めています。近くには豊富なメニューが楽しめるnico rico houseがあります。
公園管理事務所<公園管理事務所> バッテリーカー広場<バッテリーカー広場>
その隣接地には南駐車場が完備されています。駐車場は24時間営業で誰でも2時間まで無料で利用できます(それ以降乗用車は1時間以内ごとに100円)。ただし大型車は利用できません。駐車について何かあった場合もインターホンや電話でサポートがあるので安心です。
デリカメニューのnico rico house<デリカメニューのnico rico house> 南駐車場入口<南駐車場入口> 広々とした南駐車場<広々とした南駐車場>
 
アイコン 最寄駅
航空公園の最寄り駅は西武新宿線航空公園駅(駅番号SS23)。この駅は昭和62年(1987) 5月28 日開業という西武鉄道のなかでも比較的新しい駅です。東口は航空公園以外にも所沢市役所、防衛医大病院、所沢警察署、所沢図書館、所沢市民文化センター(ミューズ)、中層住宅などが建ち並んでいます。平成10年(1998)には「複葉機アンリ・ファルマンをイメージした駅舎で航空発祥の地のシンボルとなる駅」として関東の駅百選に選ばれました。下りは本川越方面、上りは西武新宿・国分寺方面行きの橋上駅舎となっています。
西武新宿線航空公園駅東口<西武新宿線航空公園駅東口> 飛翔をイメージしたモニュメント<飛翔をイメージしたモニュメント>
駅前に展示された国産旅客機YS-11<駅前に展示された国産旅客機YS-11>
 
アイコン 路線バス&コミュニティバス
航空公園の最寄り駅である航空公園駅には路線バスとコミュニティバスが運行しています。のりば①は「並木通り団地行き」と「新所沢駅東口行き(所沢ニュータウン経由)」、のりば②は「エステシティ所沢行き」、のりば③は「所沢駅東口行き」、「所沢駅西口行き」、「東所沢駅行き」が利用できます。これらのバスを利用して2つめの停留所「パークタウン所沢警察前」で降車すると航空公園のほぼ中央にある「所沢航空発祥記念館」の近くに降りられます。公園は好きだけれど長い距離を歩くのが苦手という人には路線バスの利用が便利です。
また航空公園駅東口にはコミュニティバスの「ところバス」も乗り入れており、「市内循環(3コースあり)」、「東所沢駅行き」、「狭山ヶ丘駅東口行き」、「小手指駅北口行き」が利用できます。これらの「ところバス」は時刻表を確認してご利用いただくことをおすすめします。
路線バスは本数が多くて便利<路線バスは本数が多くて便利> 地元の足、ところバス<地元の足、ところバス>
 
アイコン 公園の沿革
   
明治44年(1911) 4月1日 所沢飛行場開設(日本初の航空機専用飛行場)
4月3日 徳川好敏大尉がフランスのアンリ・ファルマン機で初飛行
大正元年(1912) 11月17日 大正天皇が来臨
大正2年(1913) 3月22日 木村鈴四郎中尉と徳田金一中尉が航空事故で殉職
昭和18年(1941) 12月8日 第二次世界大戦(太平洋戦争)宣戦布告
昭和20年(1945) 8月15日 終戦を迎え飛行場がアメリカ軍に接収される
昭和42年(1967) 3月12日 所沢基地全面返還運動市民大行進
昭和46年(1971) アメリカ軍から飛行場跡地の約6割を返還される
昭和53年(1978) 3月 所沢航空記念公園開園
昭和62年(1987) 5月28日 航空公園駅開業
平成5年(1993) 4月 所沢航空発祥記念館開館
平成9年(1997) 10月25日 駅前に国産機YS-11が屋外展示される
平成11年(1999) 6月12日 茶室(彩翔亭)開店
平成17年(2005) 2月 試験的にドッグランを開設し定着する
平成20年(2008) 3月3日 開園30周年記念で花壇等をリニューアル
令和3年(2021) 7月6日 東京オリンピック聖火リレーでセレブレーション会場となる
 
航空公園北のイチョウ並木<航空公園北のイチョウ並木> 航空整備兵の像<航空整備兵の像>
 
アイコン 公園の現況
公園のほぼ中央に立つ「放送塔」、その東の「時計塔」がランドマークとなっています。その北側にある航空発祥記念館は貴重な航空機や大型映像などが見られる注目スポットです。
公園の北側には所沢市役所、官庁街、所沢警察署、所沢市民文化センター(ミューズ)などが隣接。公園の東側は県道56号線、西側は西武新宿線、南側は国道463号線、北側は片側2車線の並木通りでかこまれた立地です。公園内は季節の花と緑が群生し、芝生広場も広大なスケールです。
メインストリートで放送塔へ<メインストリートで放送塔へ> 航空発祥記念館の遠景<航空発祥記念館の遠景>
 
アイコン 見どころ①
天気のよい日に芝生広場の中心あたりに立ち、ぐるりと周囲を見回してみましょう。思い切りさわやかな気分になります。すこし遠くには市役所や図書館が見え、近くには航空発祥記念館の堂々とした姿。
芝生広場の奥には引退した「C46中型輸送機」が屋外展示されています。これはアメリカのカーチス・ライト社が1940年代に製造した機種で、展示されている機はシルバーとオレンジの配色が印象的です。この輸送機は航空自衛隊入間基地にて実際に使われていたもので乗員5名、輸送人員50名とのこと。今では航空公園のシンボルになっています。
スケールの大きな園内<スケールの大きな園内> C46中型輸送機<C46中型輸送機>
 
アイコン 見どころ②
自然を体感できる「むさしの川」と「池」。シーズンは限られますが「子ども広場」から「池」に向けて清流が見られます。「子ども広場」では大型の遊具や木製のアスレチックが楽しめますが、そこから「池」に向けて流れる「むさしの川」にも子どもたちはご満悦。そして清流が行き着く先の「池」ではカモやコイが優雅に泳いでいます。池のまわりは散策路になっていて休憩用のベンチも完備。雑木林のこもれびを受けてウトウトするのも気持ちよいものです。
高低のある丘を歩く<高低のある丘を歩く> 池にはいろいろな野鳥も飛来する<池にはいろいろな野鳥も飛来する>
 
アイコン 見どころ③
日本庭園を眺めながら静かなひとときが過ごせる茶室と呈茶席(茶のみ処)があります。その名も彩翔亭(さいしょうてい)。呈茶席で味わう抹茶と和菓子の組み合わせが絶妙です。
夏の庭園風景 池には蓮が群生<夏の庭園風景 池には蓮が群生>
彩翔亭の玄関<彩翔亭の玄関> 茶室はイベントなどにも使用される<茶室はイベントなどにも使用される>  抹茶と和菓子セット440円(2023年9月現在)<抹茶と和菓子セット440円(2023年9月現在)> 
 
アイコン 見どころ④
航空公園には充実した運動施設が整備されています。野球場、サッカーグラウンド、フットサルコート、テニスコートは人気があり、週末はなかなか予約できないとのこと。特に観客席のある立派な野球場は大会や練習試合によく使われています。またスポーツとはすこし違いますが、コンサートやイベントなどで使われる野外ステージも人気があります。
充実した運動施設<充実した運動施設> 屋外ステージ(屋根付き)<屋外ステージ(屋根付き)>
野球場<野球場>  運動場・フットサル場のクラブハウス<運動場・フットサル場のクラブハウス> 
 
アイコン 見どころ⑤
公園内の歩道にはジョギング・ウォーキングコースが設置され、その距離は一周で1.95kmあります。路面には膝への負担が軽減される特殊塗装が施されています。また夜でも視界が利くフットライトが点灯するなど、利用者への配慮がされています。なお、人が走るのと似て非なるものですが公園の東北には「ドッグラン」の区画があり、飼い主に連れられて散歩に来たワンちゃんたちが元気に走り回っています。
脚の衝撃を緩和する特殊塗装<脚の衝撃を緩和する特殊塗装> ドッグランで地域交流<ドッグランで地域交流>
 
アイコン 記念碑
航空公園の敷地内に日本初の航空事故で亡くなった木村鈴四郎砲兵中尉と徳田金一歩兵中尉の記念碑が建立されていることをご存知でしょうか。大正2年(1913)3月28日、東京青山練兵場にて貴族院議員と衆議院議員の観覧に参加したブレリオ機が所沢飛行場に帰投中、突風による左翼の破壊が原因で墜落してしまいました。墜落地点は飛行場まで約1500メートルの所沢町大字下新井字柿の木台周辺でした。この事故で残念ながら木村中尉と徳田中尉は殉職し、日本初の航空事故犠牲者となりました。
最初は墜落地点に記念塔が建立されましたが非常に不便なところだったため、昭和4年(1929)3月に所沢駅に移設され、その後は西武園、航空自衛隊入間基地と変遷し、昭和55年(1980)3月に現在地に落ち着きました。航空の黎明期に日本初の操縦士として登用された二人は非常に優秀な人物だったに違いありません。公園を訪れた際は両中尉の記念碑に祈りを捧げたいと思います。
木村・徳田両中尉記念碑<木村・徳田両中尉記念碑>
 
アイコン まとめ

イワタハルユキ航空公園は面積が広いだけに効率的に歩かないと疲れてしまいます。最寄り駅の「航空公園駅」を出て並木通りを東へ歩き、所沢図書館や所沢市役所の裏手あたりから雑木林を抜けて芝生広場に入るのが理想的かもしれません。
公園内は基本的に右回りか左回りか決めて移動しましょう。航空公園のウェブサイトに「所沢航空記念公園マップ」が掲載されているので参考になります。初めての人はまず航空発祥記念館を見学するのがよいでしょう。そして季節の花と緑を求めて散策し、歩き疲れたらベンチでひと休み。彩翔亭で抹茶と和菓子を味わうなどもごきげんです。埼玉県立の公園としては最大級の規模である航空公園。四季折々に楽しめる公園です。

(文・撮影 イワタハルユキ)

 
アイコン マップ

■地域情報|ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き『ラビング散歩』

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