ジモト発見ライターが駅周辺を街歩き 公園編 ラビング散歩「小金井公園」

ラビング散歩 東京都立小金井公園(とうきょうとりつ こがねいこうえん)

イワタハルユキ

【公園概要】
小金井公園は、小金井市、小平市、西東京市、武蔵野市の4市にまたがる広大な都市公園です。開園したのは昭和29年(1954)1月のこと。現在、約70年の歴史を持ち、総面積は約80ヘクタールを誇ります。運営しているのは公益財団法人東京都公園協会。公園敷地内には小金井公園サービスセンターがあります。交通アクセスはJR中央線武蔵小金井駅、西武新宿線花小金井駅からの路線バスが便利です。公園には有料駐車場(24時間利用可)も完備されています。

小金井公園の桜<小金井公園の桜>

ラビング散歩 公園への出入り

常時開園(サービスセンターと各施設は年末年始休業あり)
営業時間等は問い合わせ
入園料無料(一部有料施設あり)
公園には正面口、東口、西口、北口があります。

ラビング散歩 最寄り駅

 JR中央線利用の場合

①武蔵小金井駅
・北口バスのりば2・3番から西武バスで「小金井公園西口」下車
・北口バスのりば4番から関東バス三鷹行きで「江戸東京たてもの園前」「小金井公園前」「スポーツセンター入口」のいずれかで下車

②東小金井駅下車
・北口バスのりばからCoCoバスに乗り「小金井公園入口」「たてもの園入口」下車

 西武新宿線利用の場合
①花小金井駅
 ・小金井街道まで歩き「南花小金井」または「花小金井駅入口」から「武蔵小金井駅行き」に乗り、「小金井公園西口」下車

バスのりば(小金井公園西口)
<バスのりば(小金井公園西口)>

ラビング散歩 駐車場

24時間利用可
料金:1時間まで300円 以後20分毎に100円
12時間最大料金(月曜日~金曜日)1,200円(繰り返し適用)
最大料金は土・日・祝は適用されません。

広々とした第一駐車場<広々とした第一駐車場>

ラビング散歩 園内の見どころ

●桜の園
小金井公園には約50種・約1,400本の桜が植えられています。なかでも公園の南西に広がる「桜の園」には37種・約400本の桜が集められているとのこと。ソメイヨシノ、ヤマザクラ、サトザクラ、オオシマザクラなどよく知られた品種が勢揃いしています。近くには名勝小金井桜もあり、まさに桜の園です。

園内で花見をする人々
<園内で花見をする人々>

●桜の園なかよし広場
桜の園に隣接する「なかよし広場」は親がちいさな子どもを気軽に遊ばせることのできる児童遊園のようなエリアです。ここには砂場、ブランコ、すべり台、スプリング遊具などが設置されています。近くのトイレにはおむつ交換台があり、乳幼児を対象にした親と子の広場というイメージです。

 ●SL展示場
桜の園を背にして南西へ進むと懐かしい蒸気機関車が見えてきます。ここが小金井公園SL展示場。C57と旧式客車が展示されています。車内が公開されるのは土日だけですが、外から眺めるだけでもワクワクします。

懐かしい蒸気機関車を屋外で展示保存<懐かしい蒸気機関車を屋外で展示保存> 旧式客車が連結されている<旧式客車が連結されている>

●梅林
春には桜が主役となって大いに盛り上がる小金井公園ですが、冬から春にかけては27種・約90本の梅林が花盛りになります。この時期はあたり一面によい香りが漂います。

●江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園は、江戸東京博物館の分館として平成5年(1993)にオープンした施設。文化的価値の高い歴史的建造物をここに移築し、復元・保存・展示を行う野外博物館です。

江戸東京たてもの園<江戸東京たてもの園>

ではいくつかの建物をピックアップして「たてもの園」の雰囲気をお伝えしましょう。まず目についた「田園調布の家」は大正14年(1925)に建てられた住宅です。当時としてはめずらしくすべての部屋が洋室です。小さめですがセンスの良さを感じます。

田園調布の家から西に歩くと復元建物の「デ・ラランデ邸」があり、ここにはカフェが併設されています。おしゃれな空間のなかで実際に珈琲や食事がいただけます。営業日や営業時間を確認してお出掛けくださいとのことです。

田園調布の家<田園調布の家> 喫茶と食事が楽しめるカフェ<喫茶と食事が楽しめるカフェ>

さらに西へ歩くと「八王子千人同心組頭の家」があります。この建物は江戸時代に徳川家康の家臣団である八王子千人同心の組頭が住んでいた家です。さすがに風格があります。

八王子千人同心組頭の家<八王子千人同心組頭の家> 組頭の家の内部<組頭の家の内部>

江戸東京たてもの園は随所にバリアフリーの配慮がなされています。車イスの方や高齢者の方でも安心して園内をめぐることができます。

園内にはバリアフリーの配慮が<園内にはバリアフリーの配慮が>

たてもの園のなかでひときわ注目したいのは「高橋是清の家」。是清は第20代内閣総理大臣や日銀総裁など多岐にわたる要職を務めた人物です。嘉永7年(1854)生まれ、波乱万丈の人生を生き抜き、最後は昭和11年(1936)の二・二六事件で暗殺されました。その現場となった家が当時のままに保存されています。

高橋是清邸 正面玄関<高橋是清邸 正面玄関> 高橋是清邸 和室<高橋是清邸 和室> 高橋是清邸 廊下の窓<高橋是清邸 廊下の窓>

たてもの園の敷地内を歩いていると「伊達家の門」という建築物が目に留まりました。これは旧宇和島藩伊達家が大正時代に東京の港区白金に建てたお屋敷の表門だそうです。総ケヤキづくりの重厚感ある建築に思わず立ち止まってしばらく眺めてしまいました。

伊達家の門<伊達家の門>

東の広場にあるのは東京神田万世橋のたもとにあった「万世橋交番」。正式名称は須田町交番というそうです。レンガづくりの美しい交番です。その向かいには旧下谷消防署の望楼の一部が配置されています。

万世橋交番<万世橋交番> 旧下谷消防署望楼上部<旧下谷消防署望楼上部>

建物ではありませんが、東の広場には都電7500形が展示保存されています。この型式は昭和37年(1962)に登場した東京都交通局の路面電車。車体のあざやかな黄色が印象に残ります。

都電7500形<都電7500形>

●子宝湯
東京下町の足立区千住元町から江戸東京たてもの園に移築された銭湯です。お寺のような外観と、富士山が描かれた浴室が特徴で、東京型銭湯の貴重な資料となっています。

子宝湯 外観<子宝湯 外観> 風景が描かれた浴室<風景が描かれた浴室> ていねいな装飾<ていねいな装飾>

●下町中通りから東の広場へ
子宝湯を出て直進すると商店街のような下町中通りがあります。ここには小寺醬油店、万徳旅館、川野商店(和傘問屋)、武井三省堂(文具店)、花市生花店、大和屋本店(乾物屋)丸二商店(荒物屋)などが軒を連ねています。この一角には実際に手打ちうどんなどが食べられる店舗型休憩棟も営業しています。

小寺醤油店
<小寺醤油店>
武井三省堂(文具店)<武井三省堂(文具店)>

小金井公園は24時間無料開放していますが、江戸東京たてもの園は下記のとおり定めがあります。出掛ける時はよく確認なさることをおすすめします。

入園券(オンラインまたは当日券を購入)
・一般:400円
・シニア(65歳以上):200円
・大学生(専修学校・各種学校含む):320円
・高校生・中学生(都外):200円

※未就学児童・小学生・都内在住在学の中学生は無料
※休園日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始

ラビング散歩 旧所在地から遺跡を移設

小金井公園のなかには遺跡も保存されています。方砂遺跡敷石住居址、御殿山遺跡敷石住居址、瀬戸岡1号墳などは住まいの原形といえるでしょう。

縄文時代の住居<縄文時代の住居>

ラビング散歩 正門口東側の広場やスポーツ施設を拝見

関東バスの路線バスを利用して「小金井公園前」で降車すると目の前が公園の正門口。ごく自然に園内へ導かれます。しばらく歩くと公園を管理運営している「小金井公園サービスセンター」があります。ここでは職員さんが訪れる人に対応してくれます。公園内に入ると売店も営業していて便利です。

正門口と園内を結ぶストリート

<正門口と園内を結ぶストリート>

小金井公園サービスセンター<小金井公園サービスセンター>

売店 パークス小金井店<売店 パークス小金井店>

サービスセンターの隣には小金井市総合体育館と弓道場があり、本格的なスポーツ施設となっています。その周囲にはわんぱく広場をはじめ、こどもの広場、いこいの広場などがあります。子どもたちが元気に遊ぶわんぱく広場には、いろいろな遊具が設置されています。文章で紹介するよりも写真を見てもらうのが分かりやすいので、どうぞ。
わんぱく砦<わんぱく砦> ターザンロープ<ターザンロープ>
ローラーすべり台<ローラーすべり台> ソリゲレンデ<ソリゲレンデ>
若者に人気のスケートボード専用ゾーンもあります。
 スケートボード<スケートボード>
ドッグランでは犬を解放して自由に遊ばせることができます。ただし登録制ですので最初にサービスセンターで手続きが必要です。
ドッグラン<ドッグラン>
小金井公園のバーベキュー場は広い草地と涼しい木陰の2か所あります。またバーベキューショップがあるので手ぶらで出掛けても気軽に楽しめます。
バーベキュー場<バーベキュー場>
屋外のスポーツ施設は多種多様でまだまだ続きます。高齢者に人気のゲートボール、身近なスポーツの野球場、サッカー場、テニスコート、バスケットボールコートも借りられます。また多目的運動広場も地域のスポーツ愛好家によく利用されているとのこと。小金井公園はスポーツ施設の充実した公園でした。
ゲートボール場<ゲートボール場> バスケットコート<バスケットコート>
テニスコート<テニスコート> 野球場<野球場>
桜の園にもなかよし広場がありましたが、野球場に近い桜堤と呼ばれるエリアにもなかよし広場があります。こちらもなだらかなすべり台など小さな子どもを対象にした優しい遊具が置かれています。
桜堤 なかよし広場<桜堤 なかよし広場>
子どもたちに人気があり、土日には順番待ちの行列ができることも多いふわふわドーム。飛び跳ねる快感はクセになるようです。
ふわふわドームで飛び跳ねる<ふわふわドームで飛び跳ねる> 園内には花と緑がいっぱい<園内には花と緑がいっぱい>

ラビング散歩 東京都立小金井公園まとめ

金井公園は花と緑に包まれた都市公園で、芝生広場や雑木林などをいつでも自由に散策できます。公園の西側には歴史的な建物を展示した江戸東京たてもの園(有料)を併設。特に銭湯の「子宝湯」や元総理大臣の私邸「高橋是清邸」は必見です。公園の東側には充実したスポーツ施設ゾーンがあり、近くにはバーベキューのできるスポットもあります。そして地元の人にはドッグランもよく利用されています。交通アクセスはJR中央線「武蔵小金井駅」または西武新宿線「花小金井駅」から路線バスがおすすめです。

 

取材・文・写真 イワタハルユキ



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